中学受験 偏差値&成績

偏差値30台からの脱出 5本の柱(4)

中学受験の窓口 今日のメニュー
・塾に何を期待しますか?
・塾選びの肝「質問」と「意思疎通」
・質問量と偏差値の高さは比例する
・躊躇の積み重ねが手遅れになる
・デキる子の親は先生と”交流”している
・塾の先生を利用し吐き出す

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★塾に何を期待しますか?
中学受験のオーソドックスな形は、進学塾に通い志望校を目指すというでしょう。その塾に親御さんは何を期待しているのでしょうか。偏差値を高く、成績を上げてもらい志望校合格を果たすことでしょうか?

 受験についてさまざまな意見を交わす、インターネット掲示板「インターエデュ」が2018年2月に行った、親御さんが「入塾の決め手となったポイント」を3つ選ぶというアンケートによると、集団塾に通っている場合のベスト5は、
1位 合格実績(17.5%) 2位 通いやすさ(15.7%) 3位 成績向上に期待できる、教室の雰囲気(同率、10.5%) 5位 カリキュラム(10.0%)。以下、講師の質、学習環境、相談・サポート体制、周辺環境、志望校別対策、受講料と続きました。

 先述しましたが、我が家は当初「合格実績」で選び、転塾に際しては「講師の質」とともに子どもと塾の相性、質問のしやすさで決めました。これが受験に参戦した当初偏差値32だった我が子が超のつくほどの偏差値アップにつながったスタートラインだったと思います。

合格実績で塾を選ぶのは手っ取り早いが…

★塾選びの肝だった「質問」と「意思疎通」
 受験を終えた親御さんの感想に耳を傾けると、「子どもが質問しやすい環境」と「親が先生とコミュニケーションを取りやすいこと」の2点が重要、という答えは割と多いです。

 これが正しい塾の選び方、というのではありません。各家庭で重要視するところが違うのは当然ですから。ただ、通塾して偏差値を上げ、最大限の効果を得ようとするならば、この2点は親御さんの頭の隅っこでもいいので置いてほしい項目です。

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★質問量と偏差値の高さは比例する
 偏差値をアップさせるのに、塾はかなりのウエイトを占めます。子どもは塾のテキスト、授業をベースに受験で戦える力をインプットし、これを家庭学習で消化、場合によっては使いやすいようにアレンジをして、入試本番でアウトプット(答案用紙に正答を書き込む)するのですから。

 その塾と子どもの橋渡しを、時にアシストするのが親御さんの役目になります。代表例が「質問」。特に恥ずかしがって自分から進んで質問に行けないタイプの子どもには、親御さんが電話で直接お願いするなり、具体的なメモを添えてどこでつまずいているのかを手短に伝えることをお勧めします。

 やたら質問に行くのもどうかと思いますが、(有効な)質問量と偏差値の高さは比例します。きちっと疑問や不明をクリアにして、次の段階へ進めるからです。

有効な質問のできる子は偏差値も高い

★躊躇の積み重ねが手遅れになる
 自分で先生のもとに行ける子どもはいいんですが、そういう子ばかりではないです。過保護と思われるかもしれませんが、どうしようどうしようと躊躇する前に、理解できていないことを1つずつクリアにすることの方が大切です。

 躊躇が積もり積もってできない、分からないの悪循環になって…という展開でになって、追い込まれた末に6年生の夏休みくらい慌てても「手遅れ」です。

 そうなる前に親御さんがひと肌脱いで、塾の先生を大いに活用しましょう。先生の活用は月謝に”含まれて”いますから。

躊躇せず一歩を。可能性が広がります

★デキる子の親御さんは先生と”交流”している
 親御さんと各教科の担当の先生とが、いつでもコミュニケーションを取れることも、偏差値のアップ、ひいては志望校合格に欠かせません。デキる子の親御さんは、塾の先生との勉強に関する”交流”を積極的にしています。

 塾の先生とのコミュニケーションとは、しょっちゅう先生を訪ねたり、相談をするというのではありません。ひと言でいえば「子どもの状態の共有」です。通常授業の送り迎えで顔を合わせてあいさつを交わすだけでもいいです。先生によっては、気になっていることを話してくれます。

 保護者会終了後に先生と直接話す機会があるのなら必ず時間を取って話をしましょう。質問をしましょう。家では見せない塾での子供の姿が伝わってきます。子どもへの見方、接し方が変わるかもしれません。

 子どもの学力が今どの程度で、何を課題にしているのか、どういうことに興味を示すのか。先生方は親が知らない子どもの姿を結構把握しています。

 塾によっては教科担当の先生と直接話すことができないというところもあります。その場合、できれば親御さんとは違い、冷静に状態を俯瞰できる(全体を見ることのできる)第三者の存在がほしいところ。経済的に負担となりますが、信頼できる家庭教師の方や個別塾の先生がいらっしゃれば心強いです。

親御さんと先生との情報共有は必要です

★塾の先生を利用し吐き出す
 中学受験は長丁場です。いろいろあります。親御さんにとっては、話だけでも聞いてくれる人の存在がどれだけありがたいことか。そういう場合でも多くの塾の先生は「私たちを利用してください」と言ってくれます。

 甘えればいいのです。上がらない偏差値、厳しい成績、遠くに見える志望校、勉強に身が入らない子どもの姿…。内に抱えていないで、全部吐き出してください。きっと前向きになることができます。

 次回は我が子の中学受験の総合コーディネイトを決める「親の力」について述べていきます。(受験デザイナー 池ノ内潤)

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池ノ内 潤

 「その子基準」で、勉強法、成績アップ、スケジュール立案、受験校・併願校選びなど、受験のあらゆる相談に乗る「受験デザイナー」。  昭和四十年代の夏、神奈川県生まれ。教師を志し、偏差値40程度の県立高校から独自の勉強法を駆使し、同校で初めて早稲田大学に合格。  進学塾講師、家庭教師で中学~大学受験に関わる。就職後もスポーツや執筆活動を通じ、教育や受験に携わる。    子ども2人の中学受験をサポート。1人は大手進学塾最下位クラスから転塾を経て、首都圏1都3県の偏差値トップ私立全てに合格し、第1志望に進学。  もう1人は偏差値30台から「親塾」でベースを固め、6年から入塾。3校に合格して大学付属中学へ進学した。

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