不合格体験記

【不合格に理由あり】 ”一人でもできる子” 実は…

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完璧だったはずの女子が…
合格圏内 渋幕熱望
・まさか…スライド合格できず

・怖くて弱点を見て見ぬふり
・質問…私の柄じゃなないし
・まさかの4連敗 苦渋の選択
・不合格から学ぶ3つの教訓
・“効き目”あり 塾の先生を巻き込んで説得

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完璧だったはずの女子が…
 中学受験は「精神的に大人の子」が有利といわれます。正確なデータがあるわけではありませんが、その比率は女子の方が圧倒的に多いでしょう。男の子は通塾の用意をするのも、教材管理も母親頼み、という子も珍しくありません。

 女の子の中には家庭学習も親の手を借りず、教材管理も自分でするという受験生の模範のような子の話はよく聞きます。男子の親御さんからすれば、うらやましいことこの上ないと思いますが、そこはまだ12歳の少女。完璧ではありませんでした。

自分で学習計画を立て、教材管理する子は珍しい

合格圏内 渋幕熱望
 6年9月からのサピックスオープン4回の平均偏差値が62だったマナミさん。第1志望の渋谷教育学園幕張は、合格可能性50~80%と合格圏内。“合格確実圏”とまではいかず、塾側からは手堅い併願プランを、との提案がありました。

 渋幕を2回受けると想定し、1月22日と2月2日を真っ先に埋めましたが、1月は埼玉の栄東のAのみで千葉県受験は組み込みませんでした。

 「渋幕だから千葉でもいいの。それ以外はイヤ」。マナミさんはきっぱり。その代わりに2月1日と3日は模試での判定の良かった中学校を”抑え”に用意しました。

目指すは渋谷教育学園幕張中学

まさか…スライド合格できず

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 1月10日、栄東Aを受験。合格。が、マナミさんと親御さんは少しモヤモヤしていました。

 栄東Aは入試の得点が高いと、入学後に「東大クラス」へ入れる権利を有するスライド合格の特典があります。が、マナミさんは10点以上足りませんでした。合格者の40%程度がスライド合格するのに、偏差値的には”楽勝”だったはずのマナミさんは一抹の不安を感じずにいられませんでした。

「やっぱり図形と物理系は苦手」。

 声には出しませんでしたが、重苦しい気持ちになり、急にこれからの入学試験に怖さを覚えました。

怖くて弱点を見て見ぬふり
 マナミさんは模試である程度の偏差値を取っていましたが、実際は弱点が多く、たまたま得意な分野が出題されたり、正解した問題も自信をもって、というより、何となくこういう感じ、というものも多々ありました。

 算数の図形、国語の記述、理科の物理と生物…弱点が頭をよぎります。しかし、入試が近づくにつれて「苦手なところをやらなければ」という気持ちとは裏腹に「できないことが怖い」という思いの方が強く、いうなれば「見て見ぬふり」をして割と得意な分野を学習し、自信を失わないように直前期を過ごしてしまいました。

本当はやらなければと思っていたが…

質問…柄じゃなないし
 塾の先生に質問しようと何度も思いました。今日こそは、と強い思いで塾へ行きますが、授業が終わるといつも「せんせー、せんせー、しつもーん」と追いかけてきて質問をする男の子を見ると“なんか格好悪い、柄じゃないし”と逃げる口実をつくっては、何も聞かずに、仲良しの子と帰宅の途についてしまいました。

 親御さんはマナミさんが不安を抱えていることを知りません。自分の勉強部屋に入って熱心に机に向かう娘を見て、親御さんは安心。日頃ほとんど口出しはせず「塾でもまじめにやっているし、うちの子は大丈夫」と信じていました。

★まさかの4連敗 苦渋の選択
 冬期講習、正月特訓、そして埼玉・千葉の入試開始と時はあっという間に流れました。

 不安を抱えたまま本番に挑んだマナミさんの悪い予感は的中してしまいました。栄東の後、渋幕の2回の試験とも落とします。1月の第1回の不合格でかなり動揺し、2月も1日から3連敗で1月からまさかの4連敗。2日の渋幕の第2回は難易度が高く厳しかったのは仕方ないのですが、まず勝てると計算していた2校が不合格はかなりのショックでした。

 親御さんもどうしていいか分からない展開に、4日以降に急きょ受けた学校は、親御さんが説明会にも足を運んだことのない中学校。苦渋の選択でした。

まさかの4連敗…

不合格から学ぶ3つの教訓
 マナミさんの受験から学べる教訓は3つ。
苦手単元は逃げずに1つ1つ潰しておく→逃げていても問題は解決しない。正面から向き合う勇気を持とう。
・第1志望校受験前には合格校を複数持ち、テストコンディションを整える→入試は模試と違う。実戦経験と合格校を複数持つことで自信と精神的余裕が生まれる。
・親は勉強まで教えなくてもよいが、子どもの学習状況、精神状態がどうなっているかを把握すること→必要に応じて、先生との橋渡しをする。

“効き目”あり 塾の先生を巻き込んで説得
 しっかりしているように見える子でもやはりまだ12歳。自分の苦手に正面から向き合うことは無理に近いです。6年生の後半、親御さんがもう少し子どもの勉強の様子を注意深く見ていてくれたら、と悔やまれます。表面的には「あなたにお任せ」としておいても、そこはよく観察して、“ここは”という時は、言わなければなりません。

 反発するかもしれませんが、そこは塾の先生も巻き込んで。第三者の大人から指摘されれば、大抵の場合“効き目”があると思います。(受験デザイナー 池ノ内潤)

※この内容は事実をもとに、個人が特定されないよう名前や情報を一部変えています。

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池ノ内 潤

 「その子基準」で、勉強法、成績アップ、スケジュール立案、受験校・併願校選びなど、受験のあらゆる相談に乗る「受験デザイナー」。  昭和四十年代の夏、神奈川県生まれ。教師を志し、偏差値40程度の県立高校から独自の勉強法を駆使し、同校で初めて早稲田大学に合格。  進学塾講師、家庭教師で中学~大学受験に関わる。就職後もスポーツや執筆活動を通じ、教育や受験に携わる。    子ども2人の中学受験をサポート。1人は大手進学塾最下位クラスから転塾を経て、首都圏1都3県の偏差値トップ私立全てに合格し、第1志望に進学。  もう1人は偏差値30台から「親塾」でベースを固め、6年から入塾。3校に合格して大学付属中学へ進学した。

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Published by
池ノ内 潤

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