数字でみる中学受験

【数字でみる中学受験】親がサポートに疲れた15.3%

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・受験「撤退」を真剣に考える夏
・心身ともに負担が大きい中学受験

・中学受験は親が先に音を上げる
・糸が切れてしまうと持ち直すのは困難
・中学受験は“途中下車”できない

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★受験「撤退」を真剣に考える夏
短い夏休みも終わったか、終わりに近づいている2020年。中学受験の夏期講習の手応えはいかがだったでしょうか。

多くの家庭で「思ったよりはかどらなかった」という声が聞こえてきそうですが、それが当たり前です。大人と違って、子どもが、まして勉強で計画通り進むのはかなり難しいですし、狙った成果を出すのはもっと難しいです。「スモールステップ」という言葉がありますが、昨日よりも今日、今日よりも明日で一歩でも半歩でも前に、あるいは現状維持なら上等。その積み重ねだけが受験での力になるのですから。

一方で約半年後の入試本番を前に、子どもの中学受験に対する意欲、現状の成績を目の当たりにした時、親御さんが受験「撤退」を真剣に考える時期でもあります。

夏は受験撤退を考えてしまう季節

心身ともに負担が大きい中学受験
 「親が中学受験のサポートに疲れた」15.3%。これは、受験情報のインターネット掲示板「インターエデュ」の「エデュママアンケート」が2018年8月に行った、「中学受験をやめようと思ったことはありますか?「はい」の方は、その理由は?」という調査での数字です。

 「子どものやる気がない」(21.8%)、「成績が上がらない」(16.8%)に次いで3番目に多い理由でした。6~7人のうち1組の親御さんが、子どもの受験合格を祈りながらも、精神的にあるいは肉体的に、もしかしたらそのどちらとも持たずに、中学受験からの撤退を考えたことがあるようです。

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 実際に中学受験から抜けたかどうかは、定かでありませんが、それだけ中学受験が親御さんにとって大きな負担になっていることが分かります。

親が中学受験のサポートに疲れた…

中学受験は親が先に音を上げる
 “中学受験での「途中脱落」…受験生よりも親が先に音を上げる”。中学受験の親御さんの間で人気の漫画「二月の勝者 絶対合格の教室」にも親御さんの負担の大きさを象徴するセリフとシーンが出てきます。自分がかつて経験した受験(中学ではなく、高校や大学でも)以上に不安となり、追い込まれるのです。これは成績の良しあしにあまり関係ないようです。

 加えて、学習のスケジュール管理、体調管理、塾の送迎にお弁当作り、学校説明会への出席…。中学受験での親御さんの具体的な役目は気が遠くなるくらい多く、広範囲にわたります。共働きの家庭の場合は、さらに大変で夫婦で役割を分担できればまだ良いのですが、どちらかが無関心となると、精神的だけでなく、体力の消耗も並ではないと推測できます

親が先にまいってしまうことも…

★糸が切れてしまうと持ち直すのは困難
 子どもが頑張って勉強している、成績も良く、あるいは上昇傾向などと言う場合は、親御さんも弱音は吐かず、少々きつくても撤退は考えません。「サポートに疲れた」というのは、特にやめたい理由の1位と2位になった、子どものやる気が見られず成績も上がらないという具体的な理由があって、その結果「疲れた」となるのです。

また、金銭的問題、家族の間で受験に対する考えの食い違いなどの要因もみられ、これも「疲れてやめたい」という気持ちにさせます。

いずれにしても一度「受験する」という気持ちの糸が切れてしまうと、気を取り直してモチベーションを維持していくのは至難になります。しかし、一度や二度「疲れた」とは思っても、実際は糸が完全に切れていないのなら、自身を鼓舞してまた進みます。2年半もの間、時間と労力と多額の金銭を投入して「今さら」という気持ちが湧き上がってくるからです。

途中下車が難しい中学受験

中学受験は“途中下車”できない
 「今さら」という意地で再度進んでも、実際、さまざまな受験生を見ていて「撤退した方が…」と思うことも多々あります。正直なところ、成績が低迷している受験生の多くは夏休み前に「大勢が見えて」きます。どんなに親御さんがサポートしても、あらゆる手を尽くしても、子ども自身が覚醒しない限り、結果は成績に見合ったものになります。

 それでも親御さんは「逆転」「追い込み」などの言葉を信じて、子どもをサポートし続けます。中にはハッと我に返り、冷静に「このままいっても…」となります。が、そうとは分かっていてもなかなか“途中下車”できないのが中学受験の恐ろしいところ。「列車に乗ることは、それほどハードルが高くはないのですが、途中下車が難しい」という主旨のことを中学受験を終えた親御さんの口からよく聞きます。中学受験を考えていらっしゃる方は、この言葉を重く受け止めてほしいと思います。(受験デザイナー 池ノ内潤)

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池ノ内 潤

 「その子基準」で、勉強法、成績アップ、スケジュール立案、受験校・併願校選びなど、受験のあらゆる相談に乗る「受験デザイナー」。  昭和四十年代の夏、神奈川県生まれ。教師を志し、偏差値40程度の県立高校から独自の勉強法を駆使し、同校で初めて早稲田大学に合格。  進学塾講師、家庭教師で中学~大学受験に関わる。就職後もスポーツや執筆活動を通じ、教育や受験に携わる。    子ども2人の中学受験をサポート。1人は大手進学塾最下位クラスから転塾を経て、首都圏1都3県の偏差値トップ私立全てに合格し、第1志望に進学。  もう1人は偏差値30台から「親塾」でベースを固め、6年から入塾。3校に合格して大学付属中学へ進学した。

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Published by
池ノ内 潤

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