中学受験質問箱

【中学受験 質問箱】6年生 偏差値40台前半どうしたら…


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偏差値アップにもリミットがある
・「勉強の基礎体力」がない…6年生後半の打てる手

・中学受験で一番大切なのは5年生
・偏差値アップの前提条件は本人が「もがく」こと
・通塾だけでは成績は上がらない 大切な親御さんの観察力

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【質問】小学6年生の女子です。塾内のテストや模試では偏差値40台全体で推移しています。得意な教科はこれといってなく、一番苦手なのは算数です。志望校は偏差値50台後半の大学付属校です。塾には休まず通っていますが、この時期になっても成績は5年生の頃と大きく変わらず、親として個別指導や家庭教師など別の手を打った方がいいのかと悩んでおります。それとも志望校の過去問対策に絞り、そこを重点的に取り組んだ方がいいでしょうか。親も中学受験経験がなく、どうしていいか分かりません。本人はまるで他人事のようで、焦るでもなくのんびりしています。

受験での悩みは尽きない

★偏差値アップにもリミットがある
 この夏休みも休まず通塾していとことでしょう。それは立派です。小学生の子が1日何時間も椅子に座り、授業を聞きに重い教材を担いで出かけていくだけでもほめてあげたいと思います。

 ただ、悲しいかな、5年生の頃から偏差値が40台前半で大きく変わらないとなると、状況はかなり厳しいです。40台前半となると、基礎力はかなり不安定で、4科目とも抜きんでた科目がないとすると、偏差値アップの糸口も見いだせません

これから半年で偏差値が伸びないわけではありませが、時間的にもレベル的にも成績上昇には限りがあります。基礎力がある子と欠けている子では、てこ入れした際の伸びが全然違うので、志望校の「偏差値50台後半の大学付属校」は、過去のデータからみて厳しい結果が予想されます。

逆転劇には勉強の基礎体力が必要

「勉強の基礎体力」がない…6年生後半の打てる手
 偏差値40台前半で、6年生後半――。打てる手は限られてきます。まずは成績が振るわないところでも「できる単元」を探して、そこを完璧にして勉強の「基礎体力」を少しでもアップします

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 のんびりしている、と言っても本人なりには入試が近づいていることを意識しているはずです。勉強ができるようになりたいけど、どうしていいのか分からない状態なので、できないことを指摘するより、できるものを数え上げるようにして「大丈夫。まだいける」と思ってもらいます。

 次はもう少しでできそうなものを各科目で1つ、2つずつぐらいマスターすることに努めます。第1志望校は諦めないものの、やはり現実を見据える時期です。そこに強いこだわりを持つより、実力相応かやや上の学校の過去問の傾向からうかがえる中で、その子にとって割と早く身に付けられそうなものを狙います。

算数なら食塩水の問題、社会なら歴史の江戸時代、理科なら昆虫、など大きく捉えず、単元を細切れにするのがポイント。勉強の基礎体力がない子に、大量の“栄養剤”を与えても吐き出すだけですから。あれもやらなきゃ、これもやらなきゃは、何も身に付かず自爆への道です。

言うまでもありませんが、この偏差値帯の子どもが自力で何とかするのは無理です。親御さんのサポート、塾の先生との連携、場合によっては個別塾や家庭教師の力を頼む(何度も言いますが当たりはずれのリスクは結構あります)などが必要となります。「中学受験は親の受検」と言われる由縁がここにもあります。

欲張ると身に付かない 1つずつ

中学受験で一番大切なのは5年生
 過去を振り返っても仕方のないことですが、5年生からのこの1年間で、基礎を徹底的にやり直す、勉強の取り組み方を変えるなど、起爆剤となる手を何か打つべきでした。

見過ごされがちですが、中学受験の一番大切な時期は5年生です。「6年生夏は天王山」というのは、塾側の宣伝文句であり、終盤の追い込みというのも、志望校に手が届くか届かないかボーダーラインの子どもにあてはまることであって、基礎力ができていない子にこれらの言葉はあてはまりません。

4年生で成績上位だった子が落ち込みだすのも5年生です。それまでの「覚えればできた」内容から、どうしてそうなるのかを筋道を立てて考えなければできない者が増えるためです。

ここで方針を変えて、勉強に臨む姿勢を見直したり、どうも基礎力がおぼつかないという子は一度4年生に戻ってじっくりと、というようにタイプによってそれぞれカスタマイズし、6年生の夏休み前までには「戦える」状態になれれば、6年の終盤に成績の伸びを感じられることになります。

5年生が受験の分水嶺になる

偏差値アップの前提条件は本人が「もがく」こと
 偏差値40台前半の子だと、塾での状態は、授業中ほとんど先生の話は”わけがわからない”で、問題演習をしても筆がすぐに止まってしまうか、ただ目の前にある数字や文字をいじって答えを無理やり出しているのだと思います。

通塾の目的が学習というより、先生の余談が面白いからとか、塾に同じくらいの成績の友達がいるから(だから危機感もなく本人がのんびり、といった感じなのでしょう)、という方向に流れている可能性は高いです。

成績というのはどんな優秀な先生に習おうと、テキストが素晴らしかろうと、本人が「もがく」ことをしないとアップしません。どうしてもできるようになりたい、何とか突破口を、と日々試行錯誤しながら勉強したり、ある程度自分でも問題や単元と格闘したという姿勢がないと、何をインプットされても響かず、身になりません。

自分で少しでも前に、という気持ちが6年生で実を結ぶ

通塾だけでは成績は上がらない 大切な親御さんの観察力
 「大手進学塾に入れさえすれば、受験勉強はスムーズに進み、いつか成績は自然と上がる」。そう思っている親御さんはことのほか多いです。が、それは皆無だと思った方がいいです。合格体験記には「塾にお任せでした」という言葉をよく見かけますが、“本当に”そういう子は稀です。

 子どものことをよく観察してあげてください。4、5年生時に学ぶことで何も感動がなく、テストの点数が良くても悪くても気にしない(気にしすぎるのも困りますが)、あるいは塾の話はするが勉強以外のことばかり、などという状態だったら要注意です。

5年生なら何とかなります。6年生の夏休みを過ぎると、打てる手は限られてきます。そうならないうちに「親力」が試されます。(受験デザイナー 池ノ内潤)


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池ノ内 潤

 「その子基準」で、勉強法、成績アップ、スケジュール立案、受験校・併願校選びなど、受験のあらゆる相談に乗る「受験デザイナー」。  昭和四十年代の夏、神奈川県生まれ。教師を志し、偏差値40程度の県立高校から独自の勉強法を駆使し、同校で初めて早稲田大学に合格。  進学塾講師、家庭教師で中学~大学受験に関わる。就職後もスポーツや執筆活動を通じ、教育や受験に携わる。    子ども2人の中学受験をサポート。1人は大手進学塾最下位クラスから転塾を経て、首都圏1都3県の偏差値トップ私立全てに合格し、第1志望に進学。  もう1人は偏差値30台から「親塾」でベースを固め、6年から入塾。3校に合格して大学付属中学へ進学した。

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Published by
池ノ内 潤

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