国語の勉強法

中学受験・国語 公開模試で偏差値アップ(3)

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記述問題 まず「書く」ことから
・解答文末の「型」は「暗黙のルール」
・はみ出ると減点、字が薄いのもNG
型が決まればパーツが必要
解答を考える手順
主語とその人の行動で相手がどうなるか
余白に「解答案」を書き、整える

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記述問題 まず「書く」ことから
 国語の偏差値アップには記述問題の取り組みが欠かせません。漢字や語句、選択肢問題まで完璧にしても、偏差値は一番良くて55程度で止まります。さらに、素材文が読解できなければ、急激に偏差値はダウンします。

 程度の差はありますが、記述問題の出題は年々増加傾向で、どの中学校でも出題されると思った方が間違いありません。塾での演習や模試で○をもらえないのが嫌で、記述問題にトライせず、模範解答を写すだけだったり、模試でも考えずにパスしてしまう子も少なくありませんが、まずは勇気を持って「書くこと」から始めます。1点でも2点でも部分点から取れるようにします。

記述は勇気を持って一歩踏み出すことから

★解答文末の「型」は「暗黙のルール」
塾でも習うことですが、記述問題には答えの「型」というものがあります。特に解答の締めの部分「文末」(終わり方)は、問題によって、使う型が決まっています。

 問題が「~はなぜですか」「~の理由を答えなさい」ならば、答えの文末は「~だから。」、問題が「~はどういうことですか」なら、答えの文末は「~ということ。」、問題が「どういう気持ちでしたか」なら、答えの文末は「~という気持ち。」…、という具合です。

 これは国語の記述問題を解くうえで「暗黙のルール」なので、この型で解答が「着地」していないと減点されます。 

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記述問題の解答には決まった「型」がある

解答欄の外にはみ出ると減点、字が薄いのもNG
 ちなみに、書ききれずに解答欄のわくをはみ出てしまうと、減点の対象になります。学校によっては最悪採点の対象外になりますので、模試の時から注意して書くようにすることが大切です。

 字の大きさを日ごろから気にかけるのと同時に、字の濃さも実は大切です。最近では採点も機械で読み取るケースが増えつつあります。濃い分には大丈夫ですが、字か薄いと画面で読み取ってくれないのです。答えを書いていても、何も書いていないというのと同じ扱いになってしまうので、これも日常の学習から気を付けたいところです。

解答欄からはみ出すと減点

型が決まればパーツが必要
 さて、文末の型が決まれば、その型にはめるパーツ(部品)が必要です。「~だから」だったら何かの理由を、「~ということ」なら何か事柄の説明を、「~という気持ち」なら対象となっている人の気持ちを説明します。

例題として、千葉日大一中の問題を取り上げます。実際には選択肢問題でしたが、これを記述で答えたら、という設定でやってみます。

「型」が決まったら部品探し

★解答を考える手順

その日から私は病院にいく前に、書店めぐりをして歩いた。(略)しかしどこにも、おばあちゃんが探す本はなかった。手ぶらで病院にいくと、おばあちゃんはきまって落胆した顔をする。何か意地悪をしているような気持になってくる

問 傍線部のような気持ちになったのはなぜですか。

 「何か意地悪をしているような気持ちになる」というのは、「私」にとっては「いい気持ち」でしょうか、「あまり気持ち良くない」状態のどちらでしょうか。ここでは後者の「あまり気持ち良くない」状態だと分かります。

ということは、気持ち良くない状態にする何かを見たり、聞いたり、感じたりするからです。この文からうかがえるのは、おばあちゃんの探している本が、私が書店めぐりをしているにもかかわらず、見つけられず、その状態で病院に行くと、おばあちゃんは「落胆=がっかりする」という気持ちになるからです。それを解答にします。

まず文末の「型」をつくります。ここでは「落胆するから」でもいいですし、落胆という言葉を言い換えて「がっかりするから」としてもOKです。無理にではありませんが、字数に応じて言葉を換えることもできるようにしましょう。字数制限があるとき、あるいは字数を伸ばさなければいけないときに役立つ技です。

記述では言葉の言い換えも大切

主語とその人の行動をはっきりさせ、相手がどうなるかで解答を作る
文末の型ができたら、「誰が」「どうすると」「誰を」「落胆する(させる)【がっかりさせる】から」という文をつくります。記述問題は主語(誰が)を最初に置き、次に主語の行動や状態を続け、それが「誰に」どういう形になって影響するから、とか何かの状態にするから、という文にして解答を完成させます。ここではどうでしょうか。

 私が何も持たずに病院へ行くと、おばあさんを必ずがっかりさせるから。

これが正解です。「きまって」という言葉を「必ず」と書き換えてみました。
分解して、答えの「しくみ」を書くとこうなります。

私が(主語)    
何も持たずに病院へ行くと
(どういう行動をすると)
おばあさんを(誰を)   
必ずがっかりさせる
(どういう状態になる)
から(文末の決まった型)

主語やその対象となる相手をしっかり答えに盛り込む

余白に「解答案」を書き、字数や言葉遣いを整える
 記述問題がいつもこのような“公式”が当てはまるわけではないのですが、「型」を意識して問題に臨むと、とんちんかんな解答にならず、部分点がもらえ、10点満点だとしたら、最初2、3点でも最後は7,8点レベルに達し、満点も出せるようになります

 いきなり解答欄に書き込まないことも重要。余白に「解答案」を書き、字数や言葉遣いを整えてから解答欄にきちんと書きましょう。うつし間違え、誤字脱字に注意。字数制限がある場合は、指定字数の9割が目標。100字なら90字以上、200字なら180字以上です。

 まずは怖がらず、「書くこと」から記述問題攻略は始まります。(受験デザイナー 池ノ内潤)

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池ノ内 潤

 「その子基準」で、勉強法、成績アップ、スケジュール立案、受験校・併願校選びなど、受験のあらゆる相談に乗る「受験デザイナー」。  昭和四十年代の夏、神奈川県生まれ。教師を志し、偏差値40程度の県立高校から独自の勉強法を駆使し、同校で初めて早稲田大学に合格。  進学塾講師、家庭教師で中学~大学受験に関わる。就職後もスポーツや執筆活動を通じ、教育や受験に携わる。    子ども2人の中学受験をサポート。1人は大手進学塾最下位クラスから転塾を経て、首都圏1都3県の偏差値トップ私立全てに合格し、第1志望に進学。  もう1人は偏差値30台から「親塾」でベースを固め、6年から入塾。3校に合格して大学付属中学へ進学した。

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