中学受験 偏差値&成績

中学受験・理科 公開模試で偏差値アップ(2)

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・理科の成績が上がらない「傍観者」くん
・いくら時間をかけても無駄になる「他人事」という姿勢

・偏差値が高い子との差は「問題冊子の汚れ具合」
・できる子は正解を導くために手間を惜しまない
・「再現力」が高得点につながる
・「いまさら」と思うか、「残された時間だけでも」と思うか

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★理科の成績が上がらない「傍観者」くん
 興味があるか、ないかも理科の成績には影響を及ぼしますが、それは別として考えると、理科の偏差値が一向に上がらない子には大きな特徴があります。

 それは「傍観者」であるということです。理科のテストで言えば、問題、設問をぼやっと読んで、目に見えていることだけで問題を解こうとしたり、一問一答式で得た知識のみしか答えられないという状態です。「だいたいこんなものかなぁ」という感じで解答欄を埋めるという“作業”をひたすら続けて、試験終了。「傍観者」くんのテストは毎回そんな雰囲気のまま変わりません。

授業中に表情があまりないのも「傍観者」くんの特徴

いくら時間をかけても無駄になる「他人事」という姿勢
 興味がない、ということもあるのですが「自分のこれから」がかかっているテストなのに、どこか「他人事」という姿勢が、成績の伸び悩む子の典型例です。

 どんなに机の前に座っていても、どんなに評判のいい先生に教わっても、家庭教師を付けても個別に通っても、この他人事の感覚を抜け出さないと、成績はまず上がりません。その象徴的なテストが理科なのです。

自分のこれからなのにどこか他人事

偏差値が高い子との差は「問題冊子の汚れ具合」
 理科の偏差値が高い子、あるいは伸びている子と毎回偏差値が50以下で40前後をうろうろしている子の模試での決定的な違いは「問題冊子の汚れ具合」にあります。

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 「汚れ具合」とは、問題文の図表や選択肢に書き込みやら印、簡単な挿し絵などが描かれていて余白があまりない状態をいいます。問題冊子に掲載されている図などに、設問で問われている状況を「再現」して、設問をより可視化(具体的に見て分かるように)しているのです。

できる子は問題冊子の余白が書き込みで埋まる

できる子は正解を導くために手間を惜しまない
 例えば「物理」の問題で「何グラムの重りを乗せました」といったら、重りを乗せた図にしてみる。「地学」の分野でも、太陽の動きなら、太陽が当たっていない部分は黒く塗る、天体なら星の動きを問題文に示された内容に沿って矢印を使って動かしてみるなど、問われていることをたどって、その結果得られる答えを問題冊子上に再現してしまいます。あとはそれを解答欄に合うように答えるだけです。

 問題文とにらめっこして、じっとしている「傍観者」との差は歴然です。成績の良い子、偏差値の高い子の勉強は単調ではありません。手を動かしてみて、その状況を図に書いてみにしてみたりと、正解を導くために手間を惜しみません。だから、人より秀でているのです。

料理人のようにできる子は日々いろいろな「仕込み」をしている

「再現力」が高得点につながる
 「傍観者」は「再現力」ということにも関心がありません。一概には言えないかもしれませんが、塾での理科の授業は先生の説明に多くの時間が割かれます。懇切丁寧に教えてくれた結果、子どもたちは「分かった!」となって、帰宅します。

 実は勝負はここからなのです。成績のいい子は復習の際、塾で先生が説明してくれたことを、問題を解く際に思い出しながら、つまり「再現しながら」進んでいくのです。「先生こうやっていたなぁ」と。それをたどりながら、理屈を納得し、「分かった」から「自力でできるようになる」状態まで引き上げるのです。

 できれば普段から「口に出して再現する」となおいいです。例えば中和の問題なら「ここに塩酸を10立方センチメートル入れたから、水酸化ナトリウムの量も2倍にしなきゃいけないよね。そうすると…」とぶつぶつ言いながらやってみる。脳も活性化され、理解も早くなり、黙ってやるより忘れません。

 できない子は授業中に先生のやっていることを見て「分かった、分かった」でおしまい。それを復習に生かそうとか、1週間が過ぎるころには忘れているから、またやっておかないと、という発想があまりないため、学んだことが定着しません。小テストでも満足な点がとれないのはそのためです。まして手間をかけて計算問題にでもなったらお手上げ。「分かる」と「できる」の差。この差がテストにそのまま得点、偏差値となって跳ね返ってくるわけです。

成績の差は教室を出てからの「その後」で決まる

「いまさら」と思うか、「残された時間だけでも」と思うか
 試験中に手を動かすことも、先生のやっていたことを再現する力も、一朝一夕にできるものではなく、小4、小5と積み重ねてテスト中に自然とできるようになった子が大半でしょう。

 塾で同じ教材を使い、同じ空間で過ごしていながら、ぼやっと聞いて、その場では分かった(分かったつもり)の子と自力で再現できるようにしていた子の差は、頭の良し悪しではなく、塾での授業が終わった後の過ごし方に違いがあったのです。

 嘆いていても仕方がないので、秋以降に「手を動かすこと」「授業のように再現してたどること」をやってみてください。

 「いまさら」と思うか、「残された時間だけでも」と思うか、11月、12月の模試で差は必ず現れると思います。(受験デザイナー 池ノ内潤)

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池ノ内 潤

 「その子基準」で、勉強法、成績アップ、スケジュール立案、受験校・併願校選びなど、受験のあらゆる相談に乗る「受験デザイナー」。  昭和四十年代の夏、神奈川県生まれ。教師を志し、偏差値40程度の県立高校から独自の勉強法を駆使し、同校で初めて早稲田大学に合格。  進学塾講師、家庭教師で中学~大学受験に関わる。就職後もスポーツや執筆活動を通じ、教育や受験に携わる。    子ども2人の中学受験をサポート。1人は大手進学塾最下位クラスから転塾を経て、首都圏1都3県の偏差値トップ私立全てに合格し、第1志望に進学。  もう1人は偏差値30台から「親塾」でベースを固め、6年から入塾。3校に合格して大学付属中学へ進学した。

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