親御さんの役割

例年と違う コロナ禍での中学受験

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・コロナ禍で予想はつかなくても確実に言える1つのこと
・オンライン授業で力を付けた子
・集中力がもたなかった子も多い
・「巣ごもり」期間中の取り組みの差が入試でものを言う
・例年以上に入試結果に反映される親御さんの「姿勢」
・子どもの「伴走者」になるのは大切な「危機管理」

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★コロナ禍で予想はつかなくても確実に言える1つのこと
 新型コロナウイルス感染拡大の影響で2021年度の中学入試は、予測がつかないことだらけです。具体的に説明しろ、と言っても、秋以降に感染状況がどうなっていくかでも新たな局面を迎えるであろうし、本当に「予測できない」と言うしかないのが歯がゆいところです。

 ですが、どのような方式を取るかは別として、入学試験は必ず行われるであろうし、コロナ禍でも受験生は日々勉強に取り組まなければなりません。コロナのせいにし、サボる口実を見つけてやるべきことを怠っていた子と、いつもと全く違う状況下でも一歩ずつ歩みを続けていた子の差は、例年以上に広がっています。21年2月には「天国と地獄」ほどの違いが、目の前で展開されるでしょう。これだけは確実に言えることです。

ステイホームの中で何をしたかが差として出る

オンライン授業で力を付けた子
 3月以降、各塾ともしばらくはオンライン授業にシフトしました。「ライブ」でない授業に戸惑う生徒がいる一方で、ビデオ配信を喜ぶ生徒もいました。

 スピードの速い授業展開に、これまで「乗り遅れ」気味だった子は、自宅でも「消化不良」のまま復習に取り組まなければなりませんでした。しかし、ビデオ配信で繰り返し授業を再生できることによって、自分のペースで授業に参加できるようになりました。じっくりタイプの子にとっては「災い転じて…」というやつで、ここで理解を深め、実力アップにつながっているケースも多々あるようです。「何度も配信授業を見たら、今までやってきたことが全てつながった」と“つかんだ”子もいたようです。

オンライン授業で恩恵を受けた子もいる

集中力がもたなかった子も多い
 逆に「集中力がもたなかった」という声も聞かれました。画面をじっとながめながら人の話を聞く、というのは意外と疲れるものです。書き込みをしたり、問題を解いたり、映像を止めることもありますが、一人で黙々と一連の作業をして授業を聞くのは、小学生にはちょっと難しいかもしれません。

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 また、パソコンの操作も子どもにはストレスになったようです。スマホでも視聴はできますが、画面が小さく、長時間はつらかったと思います。

 親御さんの手を煩わせなければならないことも多く、反抗期に突入した子どもにとってはパソコン操作のイライラと気持ちのイライラとで勉強が思うように進まなかった、という受験生も多かったようです。

オンラインで集中は難しい面も…

「ステイホーム」期間中の取り組みの差が入試でものを言う
 しかし、コロナ禍の中でも工夫して学習を継続できた子は、この秋に成績、偏差値の伸びを実感できるはずです。オンライン授業だけでなく、「ステイホーム」の期間を利用しての弱点補強や徹底した基礎の復習をした子は、もしかしたら例年の受験生より完成度が高いかもしれません。

 逆に「何をやってよいやら」とか「だって、コロナだから…」などと「できない理由」ばかりを探していた受験生は、例年以上にマズいでしょう。今までなら、最低解通塾することで保てていたレベルすらキープできず、通塾が再開された夏期講習でもかなり苦しかったと思います。青ざめて秋から必死に頑張っているかもしれませんが、春から夏の自粛期間中の取り組みの違いの差は埋まりません。入試本番での合否の差は「ステイホーム」期間にあった、と後々言われるかもしれません。

勉強姿勢の差は入試で出る

例年以上に入試結果に反映される親御さんの「姿勢」
 親御さんがどれだけ子どもの学習をアシストできたかも、例年以上に入試結果に反映される年だと想像できます。子どもが自習を余儀なくされる中で、学習のフォローや弱点補強に手を貸せたかどうかなど、塾の先生の「ピンチヒッター」の役割ができた親御さんの存在は、子どもにとって心強かったと思います。

 テレワークの導入によって、普段忙しくて子どもの学習状況をしっかり把握できていなかった親御さんも、時間的に少し余裕ができて、学習サポートに回ることができたのなら、中学受験ということだけに関していえば、悪いことではなかったのかもしれません。

 逆に手をこまねいて何もできなかった、とか、子どもの反抗期に遭い、口を出せば喧嘩、という家庭は、貴重な時間だったのに…と残念でなりません。反抗期は仕方ないにしても、極端に言えば「塾に預けておけば安心」という姿勢がいかに危険なのかが、いまさらながら分かったのではないかと思います。

親御さんの日ごろの学習へのかかわりは大切

子どもの「伴走者」になるのは大切な「危機管理」
 こういう時のために、というわけではありませんが、日ごろから子どもの学習状況を把握していることが、平時、非常時ともに重要なのです。子どもの置かれている状況に応じて、どういう「臨時編成」のスケジュールを組み、どう指導していくのかを、塾の先生に相談しながら考え、実行に移すシミュレーションは考えておきたいものです。

今後、コロナの感染具合によっては、また自粛に逆戻りしてもおかしくありません。4、5年生の親御さんには「その時」のために、あるいはそうでなくても、日ごろから子どもの学習内容と立ち位置をきちんと把握しておいてほしいということを声を大にして言いたいです。

「塾任せ」の親御さんが多い中で、子どもの「伴走者」になるのは、大げさに言えば大切な「危機管理」なのです。(受験デザイナー 池ノ内潤)

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池ノ内 潤

 「その子基準」で、勉強法、成績アップ、スケジュール立案、受験校・併願校選びなど、受験のあらゆる相談に乗る「受験デザイナー」。  昭和四十年代の夏、神奈川県生まれ。教師を志し、偏差値40程度の県立高校から独自の勉強法を駆使し、同校で初めて早稲田大学に合格。  進学塾講師、家庭教師で中学~大学受験に関わる。就職後もスポーツや執筆活動を通じ、教育や受験に携わる。    子ども2人の中学受験をサポート。1人は大手進学塾最下位クラスから転塾を経て、首都圏1都3県の偏差値トップ私立全てに合格し、第1志望に進学。  もう1人は偏差値30台から「親塾」でベースを固め、6年から入塾。3校に合格して大学付属中学へ進学した。

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