社会の勉強法

社会 4年生秋にやっておきたいこと

中学受験の窓口 今回のメニュー
・スーパーマーケットで地理を体感する
・旅行は社会の成績アップの好材料の宝庫
・車窓から見える「看板」も大切

「時事問題」の下地づくりの手段はコレ
接触機会を設ける親御さんの配慮が必要

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スーパーマーケットで地理を体感する
社会は塾や参考書以外での学びの場が至るところにあります。手近なところでは、近所のスーパーマーケットです。

 肉、魚、野菜…さまざまなものが食品売り場にはありますが、最近では産地が明記されたものがほとんどです。例えば、ジャガイモなら北海道、レタスなら群馬、精肉ならアメリカやオーストラリアから輸入されたものが目立つでしょう。加えて「地消地産」(地元で生産されたものを、地元で消費するということ。入試頻出)の動きも活発なので、住んでいる地域の農作物が店頭に並んでいます。

 この陳列された商品は、どこの産地なのかを品目ごとに子どもに調べてもらいます。次に塾の社会のテキストや「日本のすがた」(矢野恒太郎記念会)に載っている、産地のランキングに、その都道府県があるかどうかを確認します。こうやって、自分の目と足を使って調べて、確認することで印象の度合いが全く違い、社会科に対するイメージが膨らみ、それが成績へとつながります。

 あるいは「北海道から来たものだけを買ってきて夜ご飯をつくろう!」などとゲームのような仕掛けをして、地理に興味を持ってもらうのも面白いと思います。

野菜売り場で地理を体感する

旅行は社会の成績アップの好材料の宝庫

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 旅行に出かければ、地理と歴史の両方を体感することも可能。旅行は社会の成績アップの好材料がいたるところにあります。

 例えば、東京から東海道新幹線に乗って西へ向かうとします。できれば中央通路をはさんで進行方向右側の座席の窓側を子どもの席にしてください。1時間ほど走ると、富士山が見えてきますし、富士川や大井川、天竜川なども次々”登場”します。窓の外に映る景色を意識して眺めるだけで、立派な中学受験の勉強です。

 実際の中学入試問題には、「富士山は新幹線の進行方向の右と左どちらに見えるか」や「静岡県内に流れる川を西から順に並べたものを選びなさい」などという問題も出題されています。

新幹線と富士山は中学入試に頻出

車窓から見える「看板」も大切
 さらに進めば、岐阜県では「古戦場 関ケ原」の看板も見えます。1600年「天下分け目の戦い」と称された合戦が、ここで行われたのか、と思いをはせるだけでも歴史の勉強になります。

 また、中学入試には新幹線の路線図を使った問題も頻出ですので、東海道に限らず、東北でも北陸でも通過した都道府県の数や政令指定都市の数なども知っておきたいところです。

 目的地もテーマパークやレジャーランドもいいのですが、京都や奈良、広島、山口など日本の歴史に深く関わりのある地域へ出かけるのも一案。ありとあらゆるものを中学受験に結びつけるのは…と思うかもしれませんが、その道を選んだ以上、程度の差はあるかもしれませんが「覚悟」が必要です。

新幹線の車窓から「のぼり」も見えたりする

「時事問題」の下地づくりの手段はコレ
 6年生の秋に本格的に勉強する「時事問題」も、その時期に来ていきなり勉強するよりもできるだけ「下地」をつくっておきたいものです。子どもにとっては難しい内容を含むため、より印象に残る手段で4年生くらいから親しめるものをチョイスしておくのがベター。6年の忙しい時期に無理やり組み込むというような状況を避け、「日常のひとコマ」にしておくと負担増に感じません。

 子ども新聞を読んだり、それが負担ならば月刊誌の「ジュニアエラ」(朝日新聞出版)、「月刊Newsがわかる」(毎日新聞出版)で、今社会で何が話題になっているかを豊富なイラストや写真を交えて触れておくのは賢い選択です。

 活字は塾の教材だけでお腹いっぱい、という子はテレビ。毎日でなくていいので、ニュース番組を見たり、ジャーナリストの池上彰さんの時事ネタ解説番組を録画して時間に余裕のある時に親子で見るのも良いでしょう。ニュースも最初から最後までというより、必要と思われるものを親御さんが判断し、録画機の編集機能を利用し切り取ってみるのが効率的です。

政治の時事問題は数年前から追いかけているとよく分かる

接触機会を設ける親御さんの配慮が必要
 理科同様、社会も学んでいる内容が頭の中でイメージできるかどうかで勝負が決まってきます。机の上だけではなく、日常的に接触する機会を設けるよう、親御さんの配慮が必要です。(受験デザイナー 池ノ内潤)

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池ノ内 潤

 「その子基準」で、勉強法、成績アップ、スケジュール立案、受験校・併願校選びなど、受験のあらゆる相談に乗る「受験デザイナー」。  昭和四十年代の夏、神奈川県生まれ。教師を志し、偏差値40程度の県立高校から独自の勉強法を駆使し、同校で初めて早稲田大学に合格。  進学塾講師、家庭教師で中学~大学受験に関わる。就職後もスポーツや執筆活動を通じ、教育や受験に携わる。    子ども2人の中学受験をサポート。1人は大手進学塾最下位クラスから転塾を経て、首都圏1都3県の偏差値トップ私立全てに合格し、第1志望に進学。  もう1人は偏差値30台から「親塾」でベースを固め、6年から入塾。3校に合格して大学付属中学へ進学した。

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