中学受験質問箱

【中学受験質問箱】どうしたら?過去問がなかなか進みません

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1科目でも2科目でも、という取り組みで十分
「ボーダーライン」にある学校を優先して
「過去問」に取り組むことの意味
出題形式が揃った学校を受けるのが大切

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 【質問】志望校の過去問に取り組んでいますが、なかなか予定通りに進みません。月曜から金曜は小学校の授業がぎっしり詰まっており、塾のある日は帰宅して30分もしないうちに家を出なければなりませんし、帰ってくるのも21時を回って22時に近くです。塾のない日に1科目でも2科目でもと思いとりかかっていますが、学校の宿題や提出物、塾の復習などで思うように回りません。土曜日も月に2回小学校で授業があり、続いて土曜特訓の通塾、日曜は日特と本当に時間がありません。時間の確保もさることながら、有効な「過去問対策」は何かありますでしょうか。

過去問は時間確保が難しい

★1科目でも2科目でも、という取り組みで十分
 6年生終盤の過去問対策。確かに時間の確保は大変ですし、難しいです。親御さんが隙間時間を見つけては、子どもに取り組んでもらい、また隙間時間を見つけては復習、解き直しをしているというのが現状。なので、「1科目でも2科目でも」という思いで、時間の取れる際に過去問と対峙するのは、取り組みとしては問題ありません。

 ただ、問題用紙、解答用紙を科目別にきちんとコピー(できれば実物を用意)し、机の上に必要なもの以外を置かないなどの基本的なことは親御さんが整えておいてください。過去問を解く際は、試験時間を厳守します。じっと見ている必要はありませんが、親御さんでも誰でも子どもさんと同じ空間にいて“監督”してください。子どもだけに丸投げにしないことが大切です。

過去問は子どもだけでやらせないように

「ボーダーライン」にある学校を優先して
 取り組む志望校、科目は十人十色。この時期にこれ、というのは人それぞれですが、1つの目安として、現状で合否の「ボーダーライン」にある学校を優先してもらいたいと思います。それが第1志望なのか、第3志望なのかはその子によって違いますが、今までやってきた過去問の出来、自分の持ち偏差値や模試での合格判定を参考に「もう少しで合格に手が届く」「合格点は超えたり超えなかったり」といった学校です。

 9月くらいから過去問に取り組んだとして、「ボーダーライン」より上の学校の過去問は相対的に苦戦したことでしょう。逆にスムーズに過去問が解ける学校はおそらく滑り止め校か「前受け校」の持ち偏差値より低い学校というケースが大半だと思います(もちろん相性もあるので、セオリー通りにはいきませんが…)。

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 まずは「遥かなる第1志望」より、現実的に「勝てる学校」を固めます。解き直しは、「手が届きそうな問題」を中心に。この種の問題をできるようにすることで、確実に合格を引き寄せます。次に1つだけ今の実力では難しい「背伸びした問題」にも取り組みます。これは今の時点では難しいチャレンジ校への布石。できればチャレンジ校の過去問の傾向なに沿った問題なら、なお良しといったところです。

もう少しで…をきっちりやることが大切

★「過去問」に取り組むことの意味
 本来なら4教科通しで過去問に取り組みたいところですが、なかなかまとまった時間画取れないのが現実でしょう。4教科通しは模試などの機会に任せて、「分割」で構わないので過去問に取り組んでください。

 過去問をやったからといって、志望校合格が近づくわけではありません。限られた時間内で実戦演習をすることは、時間配分を含め、ある程度決まったルールがなく、ランダムで出題される入試本番でどう問題に向き合うべきかを体感できるか。ある単元がまとまったテキストや問題集ではなく、何が出るか分からない入試問題を科目丸ごとやることには大変意味があるのです。

出題形式が揃った学校を受けるのが大切
 ただ、ランダムといっても入試の出題形式があまりにも違う学校の演習、併願はできれば避けたいところです。公立中高一貫校の思考型の出題形式と、処理能力を問う短答式が中心の学校を混在させて受験すると、それぞれに対策を立てなければならず、一部の実力のかなりある生徒以外はどっちつかずになってしまいます。

 各家庭で志望校はそれぞれですが、基本的に入学したい学校に優先順位をつけ、その出題傾向は比較的同じ形式であることをお勧めします。特に偏差値からみて60を割っている子は形式を揃えることが最優先です。それでないと「勝てる学校」も落としてしまい、全滅という中学受験で最も悲惨な終わり方になってしまいます。(受験デザイナー・池ノ内潤)

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池ノ内 潤

 「その子基準」で、勉強法、成績アップ、スケジュール立案、受験校・併願校選びなど、受験のあらゆる相談に乗る「受験デザイナー」。  昭和四十年代の夏、神奈川県生まれ。教師を志し、偏差値40程度の県立高校から独自の勉強法を駆使し、同校で初めて早稲田大学に合格。  進学塾講師、家庭教師で中学~大学受験に関わる。就職後もスポーツや執筆活動を通じ、教育や受験に携わる。    子ども2人の中学受験をサポート。1人は大手進学塾最下位クラスから転塾を経て、首都圏1都3県の偏差値トップ私立全てに合格し、第1志望に進学。  もう1人は偏差値30台から「親塾」でベースを固め、6年から入塾。3校に合格して大学付属中学へ進学した。

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池ノ内 潤

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