中学受験の第一歩塾選び(10) 自習室

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・自習室の魅力と大きな期待
・でも、社交場と化している場合も
・最難関中学合格男子の“自習室”活用法

・騒がしくなった“自習室”に見切り
・大学受験生とは違う中学受験生

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★自習室の魅力と大きな期待
 塾に自習室、あったら便利ですよね。入塾案内に「自習室も完備」とあれば、心動かされる親御さんは多いのではないでしょうか。「授業の前後も塾でしっかり勉強している」という安心感は親御さんにとって精神衛生上、すこぶる良いものでしょう。

 親御さんが共働きの場合は自習室があるとかなり助かると思います。特に夏や冬の季節講習は日中に授業が組まれることがほとんど。授業が午前中に終わると、自宅で留守番させている間、勉強しているのかゲームで遊んでいるのか、やきもきするより「自習室で復習」となれば“よしよし”となります。親御さんが帰宅する頃に塾を出る、あるいは迎えにいって一緒に帰宅するなどの展開になれば“理想的”でしょう。

 その日勉強したことを、忘れないように復習し、塾には先生もいて質問にも答えてくれる。さらに同じ中学受験をする同志が一生懸命勉強する姿を見て「負けていられない」と決意を新たにする。自習室での勉強に親御さんは大きな期待を寄せるものです。

コロナ対策をしている自習室も

でも、社交場と化している場合も
 自習室の良し悪しを決めるのは塾側の管理状況です。監督の先生が張り付いていないまでも、定期的に見に来るところもあれば、職員数がギリギリで、ただの「開放区」と化しているところも少なくないようです。

 中学受験の場合、どちらかと言えば自習室は、子どもたちの「社交場」と化する傾向にあります。コンビニで買い物したものを食べたり飲んだり(飲食禁止の自習室もある)、お笑い芸人のギャグで盛り上がる男子、女子はおしゃべり三昧となり、男子とじゃれあっているんだかけんかしているんだか…。ようやく隣の教室で授業をしている先生に怒鳴られて静かに…。およそ半年後に勝負、という雰囲気には程遠いようです。

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 成績が良い子でもそこはまだ小学生。塾友が楽しそうなのに背を向けて勉強などできるはずもなく、ちょうどいい息抜きの場に。それでも勉強しようものなら、茶化されたり、中にはいじめのターゲットに…考えたくありませんが、それが“子どもの世界”です。

勉強どころではない「自習室」もある

最難関中学合格男子の“自習室”活用法
 首都圏の最難関中学を複数合格したユウタロウくんの“自習室”の使い方は“独自路線”でした。自習室がない進学塾へ通っていましたが、夏期講習中、夕方になると空き教室があることを知り、授業終了後は先生への質問も兼ねて塾が閉まる寸前まで“私設自習室”として残って勉強していることが多々ありました(もちろん塾の許可はもらって)。

 多くの子は授業が終わると帰宅。プールへ行ったり、中には別の個別塾と“ダブルヘッダー”という強者もいたようですが、ユウタロウくんは軽食を食べた後、時々同じように自習する仲間がいるものの、空き教室をほぼ独占。分からないことがあると、授業が空いている理科の先生に算数を質問するという“荒業”も駆使するなど、さながら無料で個別授業を取っているような状態でした。

“自習室独占状態”の受験生

騒がしくなった“自習室”に見切り
 冬期や春期もその調子でやっていましたが、ユウタロウくんがいつも残って勉強していることを知った塾生たちが、5年生の夏になると“自習室”に集まり始めました。

 当初はユウタロウくんのようにやる気のある子だけだったので、「仲間が増えた」とまんざらでもないようでしたが、徐々に勉強は二の次で、ゲームを持ってきたり、お菓子をボリボリ食べたりするばかりの子が増えると、もう無秩序に。ユウタロウくんは“もはやこれまで”と判断すると“自習室”から撤退。質問があるときは、授業前に行ったり、終わってからピンポイントで聞いて、いち早く塾から消えて自宅学習に切り替えました。

自習室に背を向けて…

大学受験生とは違う中学受験生
 親御さんの中には大学受験の際に現役浪人問わず、予備校の自習室や図書館などで受験勉強をよくしていた、という記憶がある方も多いでしょう。あの熱気、あの集中力たるや、その世界以外の人が見れば、怖くて近寄りがたい雰囲気を醸し出していました。

 そのイメージで中学受験塾の自習室を想像すると、がっかりするケースの方が多いでしょう。まだ10歳から12歳の子どもですから精神的に幼い子が大半。先生がいない、子どもだけの部屋で騒がしくなるのは、無理もありません。

 自習室の存在は、通塾を考えている塾にあれば親御さんは魅力的に映るかもしれません。しかし、中学受験は一定の“縛り”がない限り、友達と勉強は一緒にできない、と思っていた方が賢明。共働きの親御さんなどは、短絡的に「自習室があるから」などの理由が先行して、塾選びを進めないようにしたいところです。それについては11回目に書いてみようと思います。(受験デザイナー・池ノ内潤)

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