不合格体験記

【不合格体験記】3度の転塾、個別、家庭教師…たどり着いた場所は

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中学受験の「孟母三遷」度が過ぎるとマズい
入塾後3カ月で転塾のワケ
3度目は教え方に定評のある地元個人塾
・転塾、個別、家庭教師…まとまらず“穴だらけ”の末に
・のべ9校全滅の果てに
自ら道を拓いてこその中学受験

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中学受験の「孟母三遷」度が過ぎるとマズい
 古代中国の儒教思想家・孟子の母親が、より良い教育環境を求め、引っ越しを繰り返す話に由来する「孟母三遷」(もうぼさんせん)という言葉。中学受験をする子どもの親御さんも、評判の塾を探しては子どもを入塾させたいと願うものですが、行き過ぎると迷走し、何も定着しないまま受験を当日を迎える悲劇を迎えます。

 我が子と相性が悪いと親御さんが感じ、子どもも勉強に前向きになれないのなら転塾もあり、ですが、たびたびというのは考えものです。どの塾の教材も特徴は違えど、きっちりやれば成果が出るようにできています。腰を落ち着けて取り組むことが、結局は近道です。

入塾後3カ月で転塾のワケ
 シュンくんは新4年生になる2月に栄光ゼミナールに入塾して中学受験の勉強を始めました。家の近所にあり、徒歩3分以内で行けるというのを親御さんが気に入ったようでした。しかし、3カ月後には早稲田アカデミーに転塾していました。

 「早稲アカの先生は熱心よ。子どもを叱咤激励してグイグイ引っ張ってくれる」。6年生の受験生がいるママ友の言葉に、シュン君のお母さんは刺激されました。和気あいあいの栄光の授業で、厳しい受験に勝てるのか…という疑問が頭の中でもたげ始めていた時だっただけに、「熱心」「グイグイ」というキーワードが刺さったようです。

熱血指導に期待したが…

3度目は教え方に定評のある地元個人塾
 宿題の量は半端なく、先生もアツい授業を展開する早稲アカ。添削も丁寧で、必ず激励の言葉があり、読んでいる親の方が感動してしまうほどでした。ただ、成績はというと一向に数値に変化はなく、偏差値50前後で変わりません。大人しめの性格のシュンくんも早稲アカの元気のいい先生に毎回言われる「頑張れ!」が逆にプレッシャーになり、そのうち塾へ行くのを嫌がるようになりました。

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 早稲アカの気合満点の受験指導に、お母さんは期待しつつも、成績は横ばい、子どもも腰が引けている状態では環境を変えたほうがいいのかもしれないと思い始めたのは4年生の終わりごろ。結局、再度転塾を決意。2度目の転塾先は、理数を専門に成果を出している地元の個人塾でした。学年が5年生に上がる節目の転塾は、区切りもよく、さあこれからという気持ちになりました。

2度目の転塾は5年生の時

★転塾、個別、家庭教師…まとまらず“穴だらけ”で入試本番

 小さいながらも通っていれば理数の成績が上がると評判でしたが、その背景には「答えは自分で出すもの。自分で思考錯誤して考えるからこそ、できるようになる」というポリシーがありました。なので、できなかった子ができるようになるまで時間がかかる塾でした。

 その方針をよく理解していれば焦らずに頑張れたのかもしれませんが、5年生後半になっても成績が伸びないことを気にしていたお母さんとしては、受験算数で通用するテクニックを早く伝授してほしく、じっくり考えている場合ではない、と6年生を前にした1月に面倒見がよいといわれる日能研へ。しかし、ここでも半年で見切って退塾。勝負の最後の夏は個別塾に通いました。

 個別指導から家庭教師へ、最後の3カ月は算数と理科、国語と社会のセットで2人家庭教師に託しましたが、塾を転々としている間にまとまった学力を身に付ける機会を逸してしまったシュン君は“穴だらけ”のままで、受験を迎えました。

最後は2人家庭教師にお願いしたが…

★のべ9校全滅の果てに
 中学受験は過去問を徹底的にやれば逆転合格できる、という家庭教師の言葉を信じて志望校や受験校の過去問を何度もやり点数は上がっていきました。しかし、理解したというよりは、答えを覚えた、というのが本当のところで、前に通っていた塾の方針だった「自分で思考錯誤して解く」という姿勢は最後まで身に付いたとは言えませんでした。

 受験したのは4校。同じ学校を複数回受験したのを合わせるとのべ9校アタックしましたが、上位校狙いというのもあって、壁は高く全滅。中学受験の盛んな地域に住んでいたシュンくん一家は、志望校に合格し、春から中高一貫校へ進学する友達に会いたくないと、卒業式も出ないまま、中学は別の都市へ転校してしまいました。

穴だらけの受験では勝てず、最悪の結果に

★自ら道を拓いてこその中学受験
 “幸せの青い鳥”を求めて、少しでもいい環境を、少しでも入試で得点が取れる勉強を、とさまざま場所、先生を求めて奔走する親心は痛いほどよく分かります。

 しかし、遠回りこそ近道、受験は我慢して脳ミソに汗をかきながら粘り強く続けるからこそ、ある日突破口が開くのです。子ども自ら道を拓いてこその中学受験。親御さんは右往左往せず、どっしり構えれば子どもも落ち着いて受験できます。

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池ノ内 潤

 「その子基準」で、勉強法、成績アップ、スケジュール立案、受験校・併願校選びなど、受験のあらゆる相談に乗る「受験デザイナー」。  昭和四十年代の夏、神奈川県生まれ。教師を志し、偏差値40程度の県立高校から独自の勉強法を駆使し、同校で初めて早稲田大学に合格。  進学塾講師、家庭教師で中学~大学受験に関わる。就職後もスポーツや執筆活動を通じ、教育や受験に携わる。    子ども2人の中学受験をサポート。1人は大手進学塾最下位クラスから転塾を経て、首都圏1都3県の偏差値トップ私立全てに合格し、第1志望に進学。  もう1人は偏差値30台から「親塾」でベースを固め、6年から入塾。3校に合格して大学付属中学へ進学した。

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池ノ内 潤

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