中学受験 入試であと10点アップの国語(1)

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国語読解の素材文をもう一度親子で読む
素材文の方向性を頭に入れておく強み
・男子校「女の気持ち」女子校「男の気持ち」
想像するのが難しい昭和と境遇の違う人々
中学側の狙いは「他者への共感」

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★国語読解の素材文をもう一度親子で読む
入試直前期の国語の読解問題の点数はなかなか上がらない、あるいは安定しないという声をよく聞きます。12歳の子どもが、大人が読んでも難しいような論説文や親でも生まれていなかったような時代を扱った小説の一部分だけを読んで、限られた時間の中で問題を解くのです。それは簡単にはできません。

 やみくもに過去問や塾での演習問題に取り組んでもなかなか効果はないと思います。点数で一喜一憂するのも入試直前に精神衛生上良くないので、親御さんとともにさまざまな素材文をもう一度読み、論旨や話の方向性がどういう展開になり、どういう選択肢が正解になるのかを「予備知識」として頭に入れておくというのも1つの作戦です。

国語は素材文の研究も勉強になる

★素材文の方向性をあらかじめ頭に入れておく強み
素材文の方向性(話がどのように進んでいくか)が分からなければ、読解もスムーズに解けません。特に「自分の知らない世界」は予備知識があるとないとでは、話の捉え方が違ってきます。

この予備知識に引きずられ、素材文をきちんと読まないというのは本末転倒ですが、もし本番で話の方向が見えないときに「カード」として持っていれば、強みになりますし、もしかしたら「切り札」になるかもしれません。

子どもたちが素材文の方向性がよく分からず、戸惑う世界は物語文なら「異性の考えていること」「大人の世界」「昭和の日本」「貧しさや弱い立場の人の気持ち」です。

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男子が女子同士の複雑な気持ちを理解するのは難しい

★男子校で「女性の気持ち」女子校で「男性の気持ち」
 男子は女子の、女子は男子の考えていること、気持ちがよく分かりません。実生活で大人になってもなぞなぞだらけの男と女。小学6年生に理解せよ、というのは無理な話ですが、実際の入試では「中学生女子の恋心」が男子校で、「男子の友情」物語が女子校で出題されます。ここは親御さんが「人生の先輩」として、複雑な心境、男の子特有の友達を思う優しさを教えてあげてください。

 「ビール会社の営業職の女性」「専業主夫の男性に子どものことは任せきりだったキャリアウーマン」「心を病んで仕事を放り出してさまよう男性」「妻を亡くして男で一つで3人の子供を育てる男性」…、12歳の世界にはない、「大人の世界」の話が入試の素材分になっています。中学受験をさせてもらえる、比較的恵まれている家庭の子が素材文を読んで内容がテレビドラマの一部分のように、情景が浮かぶでしょうか。これも経験豊富な親御さんが「大人はこういう時こんなことを思っている」というのをレクチャーしてあげてください。それだけでも知らない世界の問題が出た時に、絵が浮かぶきっかけになるでしょう。

お父さんが家事、子育ての中心という設定の文章も出題される

★想像するのが難しい昭和と境遇の違う人々
 令和になり「昭和は遠くになりにけり」ですが、中学入試では昭和、特に戦前から終戦直後のストーリーが今でもよく出題されます。受験生はもちろん、親御さんもリアルには知らない世界です。戦時下の自由が制限されている社会、空襲、原爆、特攻隊…そして日本の敗戦で社会が180度変わり、食糧難での空腹、家を焼かれてその日暮らしの生活、戦争で親や家族を失った者の苦しみは、想像するしかありません。素材文を親子で手繰り寄せながら、思いをはせてみてください。それだけでもいい勉強です。

 さらに最近の中学入試の読解素材文は貧困で負い目を感じている子どもや家庭の話、ハンデや文化の違う人との誤解などのテーマを扱ったものがよく選ばれます。子どもにとっては普段考えたこともない、あまり接触する機会がない人の境遇を短い時間で推し量り、与えられた問いに答えていかなければならない難しい問題です。

終戦直後の東京 空襲で焼け野原になり食糧も満足なかった

★中学側の狙いは「他者への共感」
 なぜ、容易に想像がつかない世界のものが読解問題に使われるのでしょうか。答えは明瞭、「境遇が違う他者への共感」です。よく私立の中高一貫校が口にする「グローバル化」の意味もあって、国や肌の色、立場の違う人間を理解できる素養がある子を国語を通して選抜しているといえます。入試問題が「学校からのメッセージ」「ラブレター」という意味合いがここにあります。

 「知らない」「興味ない」「分からない」―国語のできない子が共通して口にする言葉です。親御さんもそういう姿勢だと、子どもが見向きもしないのは当然です。ただ問題演習を繰り返したりするより、親子で対話しながらテキストや過去問を一緒に解読してみてください。国語ができる、いいきっかけになると思います。(受験デザイナー・池ノ内潤)

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