「丸付け」で見えてくる中学受験の実態

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・宿題の丸付けは、家庭での“仕事”
・“過程”を見れば真の実力が分かる
・「丸付け参戦」で見えてくる子どもの実態
・反抗期にどう伴走する 反論せず子どもの話を聞くことから
大手進学塾が提供するサービスはどこまでか?
個々にカスタマイズしていない大手進学塾

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★宿題の丸付けは、家庭での“仕事”
 成績が伸びない子の “ノートは美しい”と前回書きました。多くが〇×を付け、間違っていたところの解答を赤ペンで直しておしまい、というものです。宿題を出すだけ出して復習は家庭任せというスタンスの塾が目立つ中、下位層の生徒のノートはほとんどがこのパターンです。

例外もありますが、大手進学塾では宿題の答え合わせはほとんどしません。その日のカリキュラムを予定通り進めることが講師の最大のミッションで、内容がてんこ盛りなので、先週の復習テスト(概ね5~10分、国語は漢字テスト)はやっても、宿題という“過去”を授業で振り返ることはないのです(算数は前半で前回の復習をやる塾もあります)。となると、宿題を点検し丸付けをするのは、家庭での“仕事”。そして丸付けの取り組み方次第で成績が変わってくるとすれば、その位置づけは重要です。

復習は自分でする

★ “過程”を見れば真の実力が分かる
 子ども自身に任せても、今まで安直な丸付けをしていたのですからまず無理な注文です。低迷する現状を変えたいのなら親御さんの“仕事”になります。模範解答を見て〇×を付けるだけなら子どもがやっていることと同じです。細部まで見てこそ親御さんの“仕事”です。

 例えば算数。答えだけでなく、計算した紙や図を描いた紙もチェックです。計算はどこでつまずいているのか、無秩序に散らかして計算していないか、問題はよくわかっていなかったものの、数を適当に四則計算していたら合ってしまったのかなど、解答の正誤だけではつかめないその子なりの“過程”が見えてきます。過程を見れば、その子のレベルが分かります。偏差値の多少の上下で一喜一憂するのではなく、この過程がしっかりしてきたどうかの見極めで真の実力が測ることができます。

 親御さんは丸付けを通じて、まず間違いの中身をきちっと把握することから始めます。決して間違えたことを非難してはいけません。言いたくなる気持ちはよく分かりますが、「我慢」です。これは成績をアップするための「プロジェクト」、“仕事”なので客観的に分析します。

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できないこと、間違ったことへの批判はNG

「丸付け参戦」で見えてくる子どもの実態
 「ケアレスミス」とよばれるものは徹底的につぶします。ミスで片付けているうちはまた繰り返します。ケアレスミスは「注意欠陥」という実力不足で、「本当はできるのに」ではないのです。逆に言うと「ケアレスミス」を解消すれば、偏差値は確実にアップします。中には10も違う子もいます。

 苦手な九九がある、計算の工夫をせず複雑にして計算を間違う、実は図形の性質の基礎が全く分かっていなかった…社会、得意かと思っていたら、一問一答はできるけど、正誤問題の見極めは実は適当もいいところだった、国語の記述はいつも主語なし、接続詞の空欄補充問題?そんなの思い付きでしょ…いかにいい加減にやっていたか、丸付け参戦で見えてくることがたくさかあります。

ケアレスミスは「注意欠陥」という実力不足

★反抗期にどう伴走する 反論せず子どもの話を聞くことから
 5年生後半ともなれば、男子も女子も親の言うことはなかなか聞きません。反抗期ですから。親御さんが丸付けに参戦するとなれば、抵抗する子も少なくないでしょう。それでもこの「丸付けプロジェクト」をおざなりにしていると、通塾している意味がなく、大金をドブに捨てているのと同じことになります。抵抗する子どもを親御さんがどう説得するかは腕の見せ所。答えや方法は1つではなく、子どもの数だけあり、親御さんそれぞれの裁量がものを言います。

 正直、子どもは「将来困る」とか「落ちたらみじめ」という言葉にピンときません。先行きを見通して行動できる子は、中学受験に限って言えばほとんどいません。危機感に訴えても響かないのが関の山。子どもの話を批判、反論を交えず聞いてあげることからスタートです。その子、その子でここを開くヒントが必ず見つかると思います。

なかなか親の言うことをはかない時期

大手進学塾が提供するサービスはどこまでか?
 ただ丸付けするならできるけど、そんな分析まで…だから高いお金払って塾に預けているんでしょ――。そういう親御さんは多いです。それも一理あります。

 でも、大半の進学塾が月謝をもらって提供するサービスは「中学受験で最難関合格に必要な学習内容の提供(テキスト)とその取扱いのひと通りの説明(授業)」プラス「アフターケア」(質問受付や親御さんの学習相談、受験情報の提供など) であって、そこに「子ども一人ひとりが理解しているかどうか」は含まれていません(それを求めるなら併設している個別授業へ、別料金ですけどというシステムにつながる)。テキストという「食材」をもらい、授業で「作り方、コツ」を教えてもうのだけれど、自分がおいしく食べられる(理解し、テストで使えるようにする)味付け(復習や自分なりの勉強)は家庭でやる必要があるのです。

受験の味付けはかくかていそれぞれでやる

個々にカスタマイズしていない大手進学塾
 塾にお任せ、で納得いく結果を得られる家庭もあります。塾と相性がピッタリで子どもが乗ってしまえばうまくいくこともあります。かなりラッキーな受験生です。けれど少数派です。大手進学塾の授業、対応は個々にカスタマイズしていないからです。塾が悪いというより、塾がそういう性質のものだからです。

 親御さんもそのあたりを前提に子どもの中学受験に向き合わなければならないでしょう。(受験デザイナー・池ノ内潤)

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