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中学受験 オンライン授業の困ったこと

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新しい受験勉強のスタイルが始動した21年度入試
・万全ですか?オンライン環境
・その場で質問できない、そして放置
・動画授業は律して進めなければならないから難しい
・変わらない 成否のカギを握る親御さ

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★新しい受験勉強のスタイルが始動した21年度入試
 新型コロナウイルスとの闘いは、もうしばらく続きそうな気配です。コロナの影響で21年度の中学受験は翻弄されましたが、新しい受験勉強のスタイルが本格的に試された年となり、学習産業に携わる人々にとっては、図らずもさまざまなデータと気付きを収集できた年になったのではないかと推察できます。

 オンライン授業が一気に広まった中で、従来の通塾による受験から方向転換をする家庭もあれば、軸足をオンラインに写した方が…と考えている塾もあることでしょう。長所を並べることは各塾などのサイトに任せるとして、ここでは考えられる受験生から見たオンラインの短所をいくつか挙げてみます。

図らずも受験勉強のスタイルは新たな局面に

★万全ですか?オンライン環境
 脚光を浴びているオンライン授業ですが、ハードの面からいえば、パソコンやタブレットが必要になり、かつ通信環境、時間も含めて比較的子どもが自由に使える土壌がないと、学習がはかどりません。

 スマートフォンでも視聴はできますが、やはり講師が要点などを書いたり、問題を解説する際の板書が見づらいという欠点があります。長い時間視聴するなら画面は適度の大きさが必要でしょう。通信環境も住んでいる場所や回線の設定によって、変えなければならないケースも出てきます。有線は画像も途切れず心配が少ないのですが、機動性という点で劣ります。主流のWi-Fiだと、電波が弱いと途切れたり、止まったりすることもあり、ストレスが溜まります。

オンライン授業は環境を整えるのが大前提

★その場で質問できない、そして放置
 ハード面は時間と設備投資さえあれば何とかクリアできるのですが、問題はソフト面です。物理的にはどこでも中学受験の勉強ができる環境が整いますが、小学生が独りで動画に向かって勉強をする、というのは大人が思っている以上に難しいことです。

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 実際の授業では先生は生徒の様子や教室の雰囲気を肌で感じながら進めていきますが、動画ではライブの反応がない分、先生のペースと先生の言葉で授業が進行します。そうなると生徒によっては、ペースを早いと感じたり逆に遅いと感じたり、先生の説明がよくわからなかったりということになります。

 早い遅いは速度調整できるので良いのですが、問題は説明です。生の授業なら「先生、それはどういうことですか?」と聞き返すことができますが、動画はそのまま進みます。動画なんだから何度も再生できるし、戻ることも可能という反論が聞こえてきそうですが、表現の仕方が変わらない限り、子どもが理解するのは容易ではありません。言い方を変えたり、かみ砕くからこそ分かることもたくさんありますから。

 もちろん質問できる機会も設けていますが、やはり疑問を持った瞬間に質問できるのとそうでないのとでは全然違うもので、よほど熱心な子どもでないと、分からないまま放置、というパターンになります。それが積もると…、その先はお分かりになると思います。

動画授業は律して進めなければならないから難しい
 オンラインは自分のペースでできる、というのも売りの1つですが、それだけ自己管理が要求もされます。動画を流しながら違うことをしていたり、集中せずぼやっとしていても、果ては眠ってしまっても注意もしてくれなければ、起こしてもくれません。自分を律して受験勉強を計画的に進めることは、もう大人と言っていい大学受験の高校3年生でも難しいことです。

 授業だけ流してろくに聞いてなくても親御さんには「やった」と、子どもは報告するでしょうし、自分を客観視できる大人びた子でない限り、カリキュラムを“こなす”だけで身になっていない、ということも十分起こりうるのです。

オンライン授業はこうなっても誰も注意してくれない

★変わらない 成否のカギを握る親御さん
 動画授業でも肝になるのが親御さんのサポートです。コロナ禍で動画授業も多かった今回の受験生でも親御さんがしっかり伴走した家庭は、満足のいく結果を出している傾向にあります。子どもに任せっぱなしでなく、一緒に動画を見ながら理解度や進捗状況を把握し、できるだけ子どもの質問に答えるなどした親御さんは一定数存在します。そこまでできなくても、通塾時と同じようにスケジュール管理と客観的な理解度の把握に努めた親御さんもいます。

 通塾、オンラインにしても中学受験は親御さんがその役割を全うすることが中学受験成功の近道であることには変わりがないようです。(受験デザイナー・池ノ内潤)

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池ノ内 潤

 「その子基準」で、勉強法、成績アップ、スケジュール立案、受験校・併願校選びなど、受験のあらゆる相談に乗る「受験デザイナー」。  昭和四十年代の夏、神奈川県生まれ。教師を志し、偏差値40程度の県立高校から独自の勉強法を駆使し、同校で初めて早稲田大学に合格。  進学塾講師、家庭教師で中学~大学受験に関わる。就職後もスポーツや執筆活動を通じ、教育や受験に携わる。    子ども2人の中学受験をサポート。1人は大手進学塾最下位クラスから転塾を経て、首都圏1都3県の偏差値トップ私立全てに合格し、第1志望に進学。  もう1人は偏差値30台から「親塾」でベースを固め、6年から入塾。3校に合格して大学付属中学へ進学した。

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