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根強い人気の青山学院 気になる系属2校の今後


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・ざわついた青学系属2校の「誕生」
・青山学院にもコロナ禍の影響か
人気沸騰中の浦和ルーテルだが…
横浜英和の定員40人減の衝撃
・「青学確定」ではない系属校

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ざわついた青学系属2校の「誕生

 おしゃれな大学の代名詞として真っ先に名前が挙がる青山学院。中学受験の世界でも長年人気が高く、高校、大学と直接つながっている青山学院中等部は2月に1回のみしか入学の機会がありません。

 その“ワンチャンス”を貫いてきた青学がここ数年、中学受験の世界をざわつかせてきました。2016年に横浜市に青山学院横浜英和中学校、19年には浦和ルーテル学院中学校の2校を系属校としたことです。同じキリスト教を教育理念に掲げているという点で無理はないのですが、人気大学への“近道”かと大いに話題となりました。

青山学院にもコロナ禍の影響か

21年度中学入試での青学系3校は、まさに三者三様でした。東京・渋谷の本家、青山学院中等部は、男女合わせて1038人が志願。女子は実質倍率が6.1となり近年では一番厳しい入試となりました

 しかし、志願者数は15年度以来6年ぶりに前年比割れとなりました。女子は前年より2人増と横ばいでしたが、男子が前年比2割減。加えて入試当日の欠席者も64人を数え、実質倍率3.0倍となり、ここ4年間で一番“合格しやすい”入試でした。

 青学は女子の方が大手進学塾の偏差値が高い(四谷大塚の80%偏差値で男子が57、女子が65)のですが、男子で2割も落ち込んだのはコロナ禍によって近県からの受験生が減ったこと、コロナの影響で「無理のない、勝てる受験」という今年度のキーワードに倣い、チャレンジ層がトライしなかったことが挙げられるでしょう。女子の青学へのあこがれは強く、難関校でも果敢に受験する姿勢は今後も変わりません。今後のコロナ禍次第ですが、来年度は青学を“狙い目”として受ける男子が増えそうな予感がします。

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人気沸騰中の浦和ルーテルだが…

 19年に青山学院の系属校となった浦和ルーテル学院中は、今年度も志願者数を大きく伸ばし激戦の入試となりました。少人数での教育が売りで、中学受験界では決してメジャーではなかったミッション系の学校でしたが、偏差値表に登場する学校の方が少ないサピックスの偏差値表に今年度“初登場”。「青山学院」というブランドの力を感じずにはいられません。

 1月と2月の計3回の入試で男女786人が志願、これは前年比34%増にあたります。1月10日に行われた1回目の入試では男子が5.0倍、女子は4.1倍と20年度のそれぞれ2.4倍、2.1倍から比べると、実力がないと合格しないシビアな入試へと変貌を遂げたと言えます。昨年まで2月5日の午後に行っていた3回目入試を、東京・神奈川の入試解禁日である2月1日に引越ししましたが、ここでは43人しか集まりませんでしたが、このような“挑戦”をすること自体学校に勢いがある証拠です。

 ただ、系属校となる協定を交わした際の約束では、青山学院大への「本格的な推薦」(進学基準を満たす推薦入学希望者の全入を目指すの)は「2031 年 4 月 1 日から」となっています。つまり19年度にルーテルの小学校に入学し、30年度にルーテルの高校を卒業する子どもからが対象で、それまでは経過措置として「一定の募集枠の範囲内で、進学基準を満たす者について大学に入学できる」となっています。ルーテルには入学したからといって青学進学が保証されているわけではなく、その基準も人数も公表されていない以上、「ルーテル合格=青学進学確保」ではないということを留意してほしいと思います。

人気沸騰中の浦和ルーテル学院

横浜英和の定員40人減の衝撃

 その“系属熱”が冷めつつあるのが、ルーテルよりひと足先に系属校になった青山学院横浜英和中です。21年度は志願者が前年の84%と大幅にダウン。もともとは女子校だった同校ですが、特に女子の落ち込みが激しく、前年比22%減となりました。20年度から女子は減少傾向でしたが、今年度は一気にきました。

 背景には青学への近道、と思い込んでいた保護者がルーテル同様「一定の募集枠の範囲内で、進学基準を満たす者について」という推薦基準。明確な数値が出ていないことに不安に感じている、という点が挙げられます。実際、20年春の卒業生の青山学院大への合格者数は同校のホームページによると12人(進学ではなく、合格者なのでセンター試験利用などで1人で複数合格というケースがある可能性もあり)。まだ経過措置中なので結論は出せませんが、数字を見て再検討した親御さんも少なからずいることでしょう。

 横浜英和は21年度入試で定員を160人から120人へと40人も減らしました。これも志願者減にかなり影響したと思われます。学校側の説明をまとめると「もともと1学年4クラス体制でしたが、18年度の共学化に伴い募集定員を一時的に増やしたものの、教室数、登下校時の安全確保、給食数など、これ以上クラス数を増やすことは難しい状況にあると判断。今後、さらにより良い教育を継続していくために4クラス体制に戻していくことに決定しました」ということですが、額面通りに受け取っていいものかどうか。40人減は募集定員の25%にあたるだけに親御さん、受験生の衝撃はかなりのもので、これが志願者減につながった一因であることは間違いなさそうです。

人気に陰りか…青山学院横浜英和中学

「青学確定」ではない系属校

 青山学院系の中学の人気はこれからも根強いでしょう。しかし、8割前後が青学大に進む渋谷の“本家”以外の系属校は、決して青学進学が手に入ったも同然ではない、ということを頭に入れておいてほしいと思います。青学は他の中高一貫校に比較的指定校推薦の門戸を広く開いています。そういうルートもある、ということを親御さんも中学受験研究を通して知っていくと思います。(受験デザイナー・池ノ内潤)


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池ノ内 潤

 「その子基準」で、勉強法、成績アップ、スケジュール立案、受験校・併願校選びなど、受験のあらゆる相談に乗る「受験デザイナー」。  昭和四十年代の夏、神奈川県生まれ。教師を志し、偏差値40程度の県立高校から独自の勉強法を駆使し、同校で初めて早稲田大学に合格。  進学塾講師、家庭教師で中学~大学受験に関わる。就職後もスポーツや執筆活動を通じ、教育や受験に携わる。    子ども2人の中学受験をサポート。1人は大手進学塾最下位クラスから転塾を経て、首都圏1都3県の偏差値トップ私立全てに合格し、第1志望に進学。  もう1人は偏差値30台から「親塾」でベースを固め、6年から入塾。3校に合格して大学付属中学へ進学した。

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