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異彩を放つ「ジョシビ」が人気のワケ


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将来を思い描ける「ジョシビ」
・ジョシビは「みんな違ってみんないい」
・出題予告の「自己表現入試」は倍率10倍以上
・「ジョシビ」は1回目入試で仕留めるのが鉄則
9割が美術系に進学も進路は多岐

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★将来を思い描ける「ジョシビ」
 私立の中高一貫校へ進むのは、何も偏差値の高い大学へ進学するためではありません。一番の目標は、自分らしく生きていくための道を見つける機会を多く持つことや、夢を実現するための基礎を築くためではないかと思います。

 そういう意味で絵画やアニメなどの道に進みたいと考えたり、ファッションデザイナーや映像クリエーターを志す人も少なからずいるでしょう。東京都杉並区にある女子美術大学付属中学(通称ジョシビ)は、早い段階から将来を思い描ける中高一貫校です。美術系や商品の企画開発だけでなく、有名な女優さんや声優なども数多く輩出しており、OGの活躍はバラエティーです。残念ながら男子は入れませんが、女子にとっては世界が広がる大学附属中学校です。

女子美術大付属中学

★ジョシビは「みんな違ってみんないい」
 細かいカリキュラムや教育方針はホームページに詳しいのでそちらに譲りますが、「ジョシビ」の最大の特徴は、童謡詩人の金子みすゞではありませんが「みんな違ってみんないい」というところにあると思います。

 露骨な「いじめ」こそ鳴りを潜めているものの、SNS上での「いじめ」は後を絶たず、それが一生の傷となって思うように自立できなかったり、社会生活になじめなかったりします。異質なもの、自分の理解を超えた人を排除するという傾向は、大人社会でもありますが、精神的に未熟な中高生では短絡的にものを考え、相いれないものを認めないという考えに陥りやすいのは確かです。

 しかし、ジョシビの場合は「人と違って当たり前」という学校です。個々が創造するもの、発想するものは、既存のものと違うオリジナルだからこそ価値があるのです。それを互いが認め合って、「それなら私は」とさらに自分しかできないことを見つけようとするのです。生徒の自主性や自由な校風を訴える中高一貫校は枚挙にいとまがありませんが、正直「宣伝広告」だけのことが多々あります。美術が主目的で苦手な子はなかなか選択しずらい学校ですが、違う分野でも「ジョシビ」が自然にやっている「みんな違ってみんないい」が他の中学にも浸透することを願ってやみません。

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個性はそれぞれ みんな違っていていい

★出題予告の「自己表現入試」は倍率10倍以上
 いわゆる大学受験に向けた勉強とはひと味違う、憧れに向かって歩んでいく学校だけに「ジョシビ」の人気はうなぎのぼりです。21年度入試の志願者数は計3回の入試で926人を集めて前年比16%増。募集定員は135人で、18年度入試で入試機会を1回増やして以来、4年連続で志願者が増えています。

 2月1日の1回目の入試は国語・算数の2科型か、理社を含めた4科型とオーソドックスなもので実質倍率は21年度が3.0倍、20年度が2.5倍。驚くような競争率ではありませんが、翌2日の「自己表現入試」は21年度の場合13.5倍で20年度の10.5倍をさらに上回りました。

 「自己表現入試」は記述式で試験時間は60分。ホームページや募集要項にあらかじめ発表されたテーマ(21年度は「私が考える未来」)に沿って具体的に書いていくものです。同校によると「記述からうかがえる、発想力、想像力、思考力、表現力、構成力、伝える工夫や熱意などをはかることをねらいとしています。これらは本校で学ぶ上で、また有意義な学校生活を送る上で期待できるものです」と説明しています。

まずは基礎学力を付けましょう

「ジョシビ」は1回目入試で仕留めるのが鉄則
 お題が分かっているので対策しやすいとみる向きもありますが、100人以上受けて10数人しか受からない入試です。自己表現入試で勝負する、というのならあらゆる角度から考察した自らの考えを練りに練って、当日はどのような出題形式になっても慌てないような入念な準備が必要となります。自分が「これはいい!」と膝を打つような未来構想でも、ジョシピの先生たちが首をかしげてしまえばそれまでですから。

 “どうしてもジョシビ”というのなら、周りの受験生と同じく国語と算数を中心に基礎力を十分に固めた方が入学には得策でしょう。四谷大塚の合不合格判定テストでの80%偏差値(1回目入試)は40ですので、正直高い山ではありません。3日の3回目入試は80%偏差値も42と少し上がり、倍率も10倍超の激戦になることから、1回目で仕留めるのが鉄則です。まずは偏差値50を目指したいところ。アートの勉強も大切ですが、学習の基礎を押さえておくことは将来的に必ず身を助けます。

 幸い4科の入試の出題内容も「地学分野(地球と宇宙):月や星の特徴や動き、天気の変化、土地のつくり(岩石、化石、地層)」(理科)など、これほど詳しく“教えてくれる”中学校はないと断言できるほど、事細かに提示してくれています。過去問にきちんと取り組み、示された分野の学習を重点的に進めることで、夢へ大きく近づきます。

ジョシビは1回目の入試で仕留めるのが鉄則

★9割が美術系に進学も進路は多岐
 附属の高校から女子美術大学へは約7割が内部進学します。あるいは武蔵野美大や多摩美大などへ進む生徒もおり、9割方が美術系の大学、専門学校などへステップアップします。高校へ上がると「絵画」「デザイン」「工芸・立体」など専門分野に分かれて勉強しますが、通常のいわゆる受験科目を勉強して、東京藝術大学や筑波大などの国公立大、明治大などに進学する生徒もおり、進路は多岐にわたります。

 どういう道に進むにしても在校生の満足度が高いのが「ジョシビ」の特徴。これといった将来の目的や夢もなく、単に偏差値の高い大学を目指すために「とりあえず」というのが本当の理由で中学受験をするケースが多い中で、この中学に興味を持った子どもは幸運で、とても意味のあることです。来年度も志願者が増えそうな勢いですが、挑戦する価値のある中学校です。(受験デザイナー・池ノ内潤)


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池ノ内 潤

 「その子基準」で、勉強法、成績アップ、スケジュール立案、受験校・併願校選びなど、受験のあらゆる相談に乗る「受験デザイナー」。  昭和四十年代の夏、神奈川県生まれ。教師を志し、偏差値40程度の県立高校から独自の勉強法を駆使し、同校で初めて早稲田大学に合格。  進学塾講師、家庭教師で中学~大学受験に関わる。就職後もスポーツや執筆活動を通じ、教育や受験に携わる。    子ども2人の中学受験をサポート。1人は大手進学塾最下位クラスから転塾を経て、首都圏1都3県の偏差値トップ私立全てに合格し、第1志望に進学。  もう1人は偏差値30台から「親塾」でベースを固め、6年から入塾。3校に合格して大学付属中学へ進学した。

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