塾・家庭教師

中学受験 超重要な春期講習②

◆中学受験の窓口 今日のメニュー
・春季講習からスタートが意味するもの
・レベルが段違いになる5年夏以降
・国語の成績が安定しないたった1つの理
・暗記を捨て理解への「体力」と「習慣」を
・2月から継続の生徒は内容に磨きをかけて

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★春季講習からスタートが意味するもの
 春期講習がその後の中学受験の勉強を左右する分岐点になるというのは、子どもの成績の伸びと低迷からの脱却にも大きな関係するということです。

 成績を“狙って”上げようとするなら、あるいは偏差値30、40台から脱出しようとするなら、計画的に時間をかける必要があります。これこそ個人差があるので一概には言えませんが、4カ月から半年が一つの目安になろうかと思います。3月下旬の春期講習からスタートしたとして、早くて夏期講習突入時、標準的には夏が終わって秋の声を聞くころに一定の成果を出したいと考えているのなら、待ったなしとなります。

脱出には時間と計画が必要

★レベルが段違いになる5年夏以降
 学年によって夏期講習から秋口の意味するものは違ってきます。6年生は言うまでもありませんが、中だるみが心配される5年生にとっては、その後の成績が上向くか下降線をたどるかの分かれ目になる「原因」がここで形成される時期です。

 5年生の夏期講習から秋、そして新6年になるまでの約半年は、学習内容のレベルが一段、二段と高くなります。顕著なのが算数です。塾によってカリキュラムが違いますが、どこでも5年前半と比べて難易度が上がり、特殊算の問題では応用的な内容が含まれそのまま入試問題として通用するものも出てきます。その前に特殊算の「基本」をきっちりマスターしておかないと、5年秋に再度その単元が出てきたときについていけません。

 塾の授業では基本に立ち返って復習する時間はほとんどなく、ひたすら進みます。ここで「分からない」が積もり積もっていくと、この先挽回する機会は数少なくなり、成績は上がるどころか下降の一途をたどります。

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レベルの違いについていけるかで決まる中学受験

国語の成績が安定しないたった1つの理由
 国語は素材文のレベルが一気に上がります。物語文でも比較的身近な子どもたちの世界や家族の話が中心だった内容から、背景に貧困や葛藤、複雑な人間関係を絡ませたものや戦争、身分の違い、つらい過去や現実を背負った人物など、今の子どもたちの周りに無縁なものがメインテーマになったものを扱います。論説文では語彙のレベルも格段に上がり、芸術論や科学、環境、哲学的なものなど、子どもが日常生活で考えたことのないテーマが容赦なく問われます。

 この時、突破していくカギになるのが語彙力と、未知の世界、興味の湧かない素材文でも読解しようともがける「勉強体力」です。自分の頭で理解できる、話の筋、論理の展開が追える「口当たりのいい」問題が出題されれば、模試や月例テストで得点でき成績も良くなりますが、それはたまたま。本当の実力ではありません。

 よく国語の成績が安定しない、とお悩みの親御さんがいますが、実態はこういうことで、できたのはたまたま読めただけ、ラッキーだっただけで、どんな素材文が出されてもコンスタントに得点できる真の実力は付いていないから、成績が安定しないのです。語彙力を含めた「自分の頭にはない世界」の文を読解するためには、それまでの学習でとっつきにくい文も音読し、理解に努める地道な勉強を積み重ねていかないと、思考の柔軟性や素材文に共感できる人としての幅の広さが育ちません。5年夏以降に国語の成績を伸ばし、高い偏差値をキープしようとするなら、5年春からの国語の丁寧な勉強は必須です。

自分の頭の中にない世界に共感していくことが大切

暗記を捨て理解への「体力」と「習慣」を
 レベルが高くなる前段階として、5年生前半の内容と4年生の内容が十分理解できていないと、回路がところどころで断線してしまい、5年夏以降に成績が思うように上がらず、前半を無駄にせず地道にやってきた子との間に差が付きます。

 特に理解するという姿勢を軽視し、解法暗記に走った子は必ずと言っていいほど伸び悩みます。解放暗記で対応できるのは、最終的に一般校(四谷大塚の合不合格判定テストで80%偏差値45以下)レベル、せいぜい中堅校の一部の問題のみです。上位校、難関校を狙うのなら、5年生の夏前までにこの勉強から脱却を図った方が得策です。

 解法暗記で高得点を記録してきた、過去の“成功体験”を捨てるのは子どもにとって難しい話です。一時的に自信をなくすかもしれませんが、思考型の問題に意図的に当たり「考えて答えを出さないと正解にたどりつけない」という体験を次から次へとさせましょう。最初はつらいですが、考える問題に挑戦するという「勉強習慣」と、粘って考えるという「勉強体力」を5年生のうちに養っておくと、6年生へ向かっての伸び、伸びた後も高い偏差値で推移できる可能性が高くなります。中学受験において精神衛生上とても良い状態を保てるのは、本番に向かって大きなアドバンテージです。

受験勉強は暗記、という概念を捨てる

★2月から継続の生徒は内容に磨きをかけて
 2月の新学期スタートから継続して復習、家庭学習を計画的に進めている子は基本的にそのままで構いません。春休みだからといって増量する必要はないので、空いた時間は手つかずの問題などの取り組みやもう一度復習した方がいいと親御さんが感じたところなどに充ててください。

 計画の見直しをしたり、違うやり方にトライしてみるのも休みならではの過ごし方です。さらに内容をブラッシュアップ(磨きをかける)してください。春は新学期を迎えて何かと落ち着きませんが、中学受験をする家庭はあわてず騒がず日々の学習を続けて、夏以降に必要となる「勉強体力」の増強に努めてほしいと思います。(受験デザイナー・池ノ内潤)

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池ノ内 潤

 「その子基準」で、勉強法、成績アップ、スケジュール立案、受験校・併願校選びなど、受験のあらゆる相談に乗る「受験デザイナー」。  昭和四十年代の夏、神奈川県生まれ。教師を志し、偏差値40程度の県立高校から独自の勉強法を駆使し、同校で初めて早稲田大学に合格。  進学塾講師、家庭教師で中学~大学受験に関わる。就職後もスポーツや執筆活動を通じ、教育や受験に携わる。    子ども2人の中学受験をサポート。1人は大手進学塾最下位クラスから転塾を経て、首都圏1都3県の偏差値トップ私立全てに合格し、第1志望に進学。  もう1人は偏差値30台から「親塾」でベースを固め、6年から入塾。3校に合格して大学付属中学へ進学した。

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