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・コロナ用語をさまざまな角度から問う
コロナによる社会の変化を問う
コロナ禍で注目「食」絡みの出題
年々増えるSDGsの出題
「外国」にも関心を向けよう

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★コロナ用語をさまざまな角度から問う
 21年度の社会の入試問題は例年以上に「時事問題」の存在感が増した年でした。言うまでもなく「新型コロナウイルス」関連の問題です。

 基本的な問題としては、コロナ対策の最前線に立っている世界保健機関が「国際連合」の機関に属し,頭文字を取ってアルファベットで「WHO」と呼ばれていると答えさせる(渋谷教育学園渋谷)問題や、「テレワーク」(豊島岡女子学園など)「パンデミック」(横浜雙葉など)のような、コロナに関連したカタカナ用語を答える問題が目立ちました。

 選択肢問題でもさまざまな工夫が凝らされていました。国民に一律10万円支給された「特別給付金」の使い道として、ふさわしくないものを解答させる(聖光学院)、4つある「Go to キャンペーン」をそれぞれどの省庁が所管しているのかを答える(早稲田)、感染症の陽性者との接触の可能性を近接通信機能のデータ履歴から検知し,スマートフォンのアプリで連絡することがプライバシーの権利に抵触するのではないかとした浅野の問題など、コロナ禍を考えるうえで良問と言えるでしょう。

コロナ禍で広がった「テレワーク」

★コロナによる社会の変化を問う
 コロナ関連の問題は記述問題でも良問が多かった印象です。大宮開成は『働き方改革の一環として、また新型コロナウイルス感染拡大防止の一環としてテレワークの導入が進んでいます。「テレ」の言葉の意味に注意して、テレワークという言葉を説明しなさい。さらにテレワークが社会にもたらすメリットかデメリットを、どちらか一つ選んで説明しなさい』という問題でした。

 桜美林の問題はこうです。「新型コロナウイルスが流行したことで悲しい話が数多く聞かれました。その一方で、売り上げを伸ばした業種や、新しく生まれた業種もあります。その例を1つあげて、どうしてうまくいくことができたのか考えて説明しなさい」。コロナでのマイナス面ばかりに目を向けるのではなく、変化した社会に注目してほしいという出題側の意図が伝わってきます。

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「巣ごもり」の結果、スーパーマーケットは売り上げ増に

★コロナ禍で注目「食」絡みの出題

 コロナ禍によって営業時間短縮、臨時休業を余儀なくされた飲食店や逆に売り上げがアップしたスーパーマーケットなどが注目された年を象徴するように「食」絡みの出題も例年以上でした。

 開智ではファストフードチェーンの食品廃棄物について、グラフを示しながら出題。廃棄される食品を減らすために、ファストフード店ではどのようなことができるかを『「残さないように呼びかける」以外の方法を一つ考えて、わかりやすく説明しなさい』。という条件付きでした。サイズを小さくして売る、材料の仕入れの量を調整するなどの解答が考えられますが、子どもたちがどういう発想をしたのか、知りたいところです。

コロナ禍で「ウーバーイーツ」の利用者は急増

★年々増えるSDGsの出題
 ここ数年、毎年のように顔を出す「SDGs」は21年度入試で20校以上が出題しました。年々出題校が増加しており、問題もバラエティーに富んでいます。昭和学院秀英などのようにSDGsを日本語にした「持続可能な開発目標」を答えさせた基本的な問題から、浦和明の星や東邦大東邦などでは自治体、企業でのSDGsの事業実例を選択肢問題で出題しました。

 西武学園文理はSDGsと歴史上の人物やモノと関連付けてカードを作ったという設定の問題。「9 産業と技術革新の基盤をつくろう」をテーマのカードの表に貼る人物写真として、2024年度上半期めどに新1000円札の肖像になる渋沢栄一を答えさせた問題は、時事問題要素たっぷりの出題でした。

★「外国」にも関心を向けよう
時事問題は日本だけでなく、外国にも関心を向けることが得点につながります。21年度は、20年10月に世界の紛争地域で支援活動を行った実績が認められてノーベル平和賞を受賞した「世界食糧計画(WFP)」(大妻など)、1997年にイギリスから返還された香港に中国本国の介入が強くなり、50年にわたり資本主義の体制を維持する「一国二制度」が揺らいでいる(逗子開成)などの問題が出題されました。

1月上旬に東京会場で入試を行う長野の佐久長聖は、人種差別に抗議するスローガン「 (  )Lives Matter 」の空欄に「ア Black イ Brown ウ White エ Yellow」から選ばせる問題を出しました。

 解答としては市町村名を問うているのですが、「チバニアン」(青山学院中等部)、「国内最高気温41.1度」(学習院中等科)など、理科で出題されたものが、学校が違えば社会で出題されることもあります。時事問題の幅の広さを感じます。(受験デザイナー・池ノ内潤)

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池ノ内 潤

 「その子基準」で、勉強法、成績アップ、スケジュール立案、受験校・併願校選びなど、受験のあらゆる相談に乗る「受験デザイナー」。  昭和四十年代の夏、神奈川県生まれ。教師を志し、偏差値40程度の県立高校から独自の勉強法を駆使し、同校で初めて早稲田大学に合格。  進学塾講師、家庭教師で中学~大学受験に関わる。就職後もスポーツや執筆活動を通じ、教育や受験に携わる。    子ども2人の中学受験をサポート。1人は大手進学塾最下位クラスから転塾を経て、首都圏1都3県の偏差値トップ私立全てに合格し、第1志望に進学。  もう1人は偏差値30台から「親塾」でベースを固め、6年から入塾。3校に合格して大学付属中学へ進学した。

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