算数の勉強法

算数図形問題のヤマ「立体の切断」

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“人気”の「立体図形の切断」
・立体切断は「習うより慣れろ」
・立体切断攻略ポイントは作図
・まずは豆腐から…入試の鍵を握る立体切断
・メッセージ性がある立体切断問題

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★“人気”の「立体図形の切断」
 中学受験算数の図形問題の2大ハイライトは、平面図形と立体図形です。21年度の各校の出題をみると、両方とも出題ししている学校が大半ですが、麻布や立教女学院は平面図形オンリー、開成、桜蔭は立体図形オンリーなど、極端な出題もありました。

 その中で出題が増加傾向なのが「立体図形の切断」です。かつては難関校、特に男子校での出題が多かったのですが、最近は女子校、共学でもよく見られるようになりました。21年度は島岡女子学園、頌栄女子学院、鴎友学園女子など難関・人気女子校、渋谷教育学園系の2校に市川、広尾学園などの共学でも出題されました。

★立体切断は「習うより慣れろ」
 立体切断の問題は「慣れ」が決め手になります。ある程度場数を踏んでおかないとできない問題です。大手進学塾のカリキュラムとして立体切断が出てくるのは、多くが6年生の1学期。その後。数回にわたってスパイラル方式で学習し、徐々にレベルが上がっていきます。これからが勝負になります。

 塾で学習した後も毎週2、3題解いて「できる感覚」を忘れないようにしておくのが肝心。ある程度量をこなして、切断面の理解を深めて作図を正確にできるようにしておくことが理想です。6年秋ごろから過去問に取り組んで、苦戦する問題の1つが立体切断。「あの時からずっとやっておけば…」と後悔しないためにも、積み重ねが重要。「習うより慣れろ」、これが立体切断問題攻略のカギです。

「慣れ」は大切

立体切断攻略ポイントは作図
 立体切断の中でも1回切断の問題は、塾などでかなり演習を積むので慣れも早いでしょう。しかし、より複雑な「2回以上の切断」が最近の出題トレンドポイントは切断面と切断面の重なりがどのようになるのか、しっかり作図できるかどうか。切断の知識、理解と空間認識力が問われます。

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 聖光学院で21年度に出題された立体図形の切断問題は、各問いに入る前の段階ですでに3回切断された状態になっていました。2回でも難しく感じるのに、まして3回なんて…立体切断の苦手な人には逃げ出したくなったかもしれません。まずは問題文にある3回の切断によりできた立体が作図できなければ、大問ごと丸々落としてしまうことになるでしょう。もう一度書きますが、立体切断の問題を解くポイントは作図です。

 丁寧に1つずつ切断面をおさえていきます。「自分で作図する時にも見えないところは点線にする」「出来上がり図形以外の線は薄く書く」「注目する図形の線は強調して書く」――など、作図を“タイプ”別に工夫することで見やすく、空間図形が理解しやすくなります。図形が真っ黒になってしまい、どの線が正しいのか、必要な線はどれなのか、わからないような作図をよく見かけます。これでは解くことはできません。普段から意識して作図の練習をすることは、入試本番で必ず活かされます。

フリーハンドで作図できるように

★まずは豆腐から…入試で運命を分ける立体切断
 立体図形、しかも切断の問題を苦手にしている受験生はかなりの数に上ると思われます。だからこそ中学校側は好んで出題するのです。理由は「空間を認識する」想像力が弱いと推測できます。「苦手だから…」と放置していると、合否を分ける問題となり、できないことが致命傷になる可能性が高くなります。

 苦手意識のある人は立体切断のキットも市販されていますし、粘土で立体を作り糸で切断してみても良いでしょう。一番簡単なのはお豆腐を切ってみること。まずはそのあたりから始めると「空間を認識する」ことが身近に感じるようになるでしょう。

★メッセージ性がある立体切断問題
 立体切断の問題は出題する中学校の先生の「状況に合わせてその先の手順を考えて行ける子に来てほしい」というメッセージが込められています。特に典型題ではなく、思考力を問う問題ではメッセージ性は顕著です。数をやることで、立体切断問題が受験生に何を求めているかが分かってくると思います。(受験デザイナー・池ノ内潤)

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池ノ内 潤

 「その子基準」で、勉強法、成績アップ、スケジュール立案、受験校・併願校選びなど、受験のあらゆる相談に乗る「受験デザイナー」。  昭和四十年代の夏、神奈川県生まれ。教師を志し、偏差値40程度の県立高校から独自の勉強法を駆使し、同校で初めて早稲田大学に合格。  進学塾講師、家庭教師で中学~大学受験に関わる。就職後もスポーツや執筆活動を通じ、教育や受験に携わる。    子ども2人の中学受験をサポート。1人は大手進学塾最下位クラスから転塾を経て、首都圏1都3県の偏差値トップ私立全てに合格し、第1志望に進学。  もう1人は偏差値30台から「親塾」でベースを固め、6年から入塾。3校に合格して大学付属中学へ進学した。

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