中学受験質問箱

【中学受験質問箱】受験に向いていないのでは?

中学受験の窓口 今日のメニュー 
・関心のない子には“仕掛け”が必要 
・子どもたちのハートとに火をつける“メインイベント” 
・部活で“上がる”は「受験あるある」 
・「自分の居場所がある」ことの大切さ 

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 【質問】小学5年生の男子です。大手進学塾に通っていますが、勉強に対してやる気がみられません。塾の宿題をやるように促すと「どうしてやらなきゃいけないの?」「どうして受験しなきゃいけないの?」と聞いてきます。ようやく机の前に座っても、ぼやっとしていたり、手遊びをしてなかなか前に進みません。塾の成績も下から数えた方が早く、結果が悪くても気にしている様子はなく、復習などは一切していません。 

 我が家は大学附属校を志望しており「中学に入れば、この先受験勉強なしで大学まで行ける」「その間に好きなことができる」など、いろいろ説明していますが、まだピンとこないようです。確かに遠い将来を小学5年生が見通せるわけもなく、勉強するより遊びたい気持ちはよく分かります。でも、どちらかというとのんびり屋の息子が、高校、大学と厳しい入試を勝ち抜いて進むことができるかどうか不安で、それなら反抗期が来る前になんとか、と思っています。一人息子でつい過保護になりがちですが、中学受験には向いていないのかもしれないとも思い、このまま受験をしていいのか、それとも自分で勉強をするまて待った方がいいのか、悩みは尽きません。

遊びの方が楽しいに決まっています

★関心のない子には“仕掛け”が必要 
 親御さん主導で中学受験を始めるとよく直面するお悩みです。普通、子どもは中学受験なんかに興味はありません。友達と遊んだり、ゲームやマンガの方に関心があるのが当たり前です。その子どもを中学受験へ、というのなら、それなりの“仕掛け”が必要です。 

 子どもが中学受験に視線を向けるのは「何か楽しそうだ」と具体的なイメージを描けたときです。進学や将来のメリットを伝えても響きませんが、活気のある文化祭を体験したり、入りたい部活動を見つけると話は変わってきます。 

仕掛けが必要

★子どもたちのハートとに火をつける“メインイベント” 
 コロナ禍の収束が見えない中で、秋を中心に行われる各中学校の文化祭に訪問できる可能性は微妙ですが、最近は動画がアップされていることも多々あり、20年は動画で文化祭を公開した中学もありました。 

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 文化祭は学校の非日常の部分ですが、イメージを付けたり、中学受験のモチベーションアップには絶好です。在校生が生き生きとしている場面を見たり、優しく明るく接してくれるお兄さん、お姉さんに親近感と憬れを抱き、子どもがその学校のファンになるのです。そうなると純な子どもたちは「この学校へ入りたい!」となります。まずはそれが大切で、多くの子どもが“着火”します。文化祭だけでなく、開成なら運動会、慶應なら労作展など、各校の“メインイベント”は子どもちのハートに火を付けます。 

★部活で“上がる”は「受験あるある」 
 部活動も子どもの心を動かします。公立中学でも普通に存在する野球やサッカー、バスケットでも気持ちが“上がる”かもしれませんが、スキーやラグビー、水球などもあります。特に女子はチアリーダーやダンス系の部活動に魅かれて学校を選択する子も少なくありません。 

 中高一貫校は公立に比べ、文化部系の部活が充実しているのも特長です。これが子どもたちの気持ちをつかみます。中学受験を描いたコミック「2月の勝者―絶対合格の教室―」には鉄道好きの男の子が、中学には本格的な鉄道模型を作るクラブがあると知ると、一気に勉強のギアが入るシーンがありますが、まんざら誇張ではなく「受験あるある」です。 

 その鉄道研究会はじめ、クイズ研究会、競技かるた、ジャグリング、天文、フィッシング…、学校によっても構成は大きく違いますが、どの学校も多彩です。ブラスバンドなどを除いて公立中学では文化部の肩身はどちらかというと狭いのですが、私立では存在感のある文化系の部が結構あります。 

★「自分の居場所がある」ことの大切さ 
 この存在感というのは思春期の子供にとってはとても大切です。勉強以上に、進学以上に、中学、高校の6年間「自分の居場所がある」というのは何物にも代えがたいものがあります。生涯の友達ができるのも、大学よりはもしろ中高時代。一緒に部活で同じ時間を過ごしたり、バカをやった仲間は忘れられないものです。 

 遊びたい気持ちを抑えて中学受験を頑張るのも、そういう貴重な6年間を過ごすため、という側面があると思います。中高一貫校は楽しい、親御さんはそれを前面に出して子どもたちを導いてあげてください。(受験デザイナー・池ノ内潤) 

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池ノ内 潤

 「その子基準」で、勉強法、成績アップ、スケジュール立案、受験校・併願校選びなど、受験のあらゆる相談に乗る「受験デザイナー」。  昭和四十年代の夏、神奈川県生まれ。教師を志し、偏差値40程度の県立高校から独自の勉強法を駆使し、同校で初めて早稲田大学に合格。  進学塾講師、家庭教師で中学~大学受験に関わる。就職後もスポーツや執筆活動を通じ、教育や受験に携わる。    子ども2人の中学受験をサポート。1人は大手進学塾最下位クラスから転塾を経て、首都圏1都3県の偏差値トップ私立全てに合格し、第1志望に進学。  もう1人は偏差値30台から「親塾」でベースを固め、6年から入塾。3校に合格して大学付属中学へ進学した。

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池ノ内 潤

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