合格の鉄則 標準問題を徹底攻略する
◆中学受験の窓口 今日のメニュー
・入試「合格の鉄則」は2つだけ
・成績の乱高下、まさかの不合格を回避する
・大量の宿題「できない理由」を探す前に
・効率よく勉強するとは?
・標準問題にこそ合格への要素満載

★入試「合格の鉄則」は2つだけ
模擬試験で正答率40~50%の問題を取りこぼし少なく正解していくと、偏差値60の大台が見えてきます。この水準の問題は「標準問題」ですが、基礎力の弱い子は結構取りこぼします。逆に点数を積み重ねると、「合格」へ近づきます。
応用や難問ができるかできないかが、合否を左右するわけではありません。「合格の鉄則」は2つしかありません。第一に「基礎的な問題を確実に正解すること」。模試でいえば正答率60%以上の問題です。偏差値45以上ならだれでも正解できるはずの問題を的確につぶしていくのです。
2番目は「標準問題の正解確率を高く保つこと」。模試でいえば正答率40~60%の問題を標準と位置付ければ、このゾーンの正解数が多い順に入試は合格します。模試でいえば偏差値が高く出て、志望校判定で好評価が得られやすくなります。

★成績の乱高下、まさかの不合格を回避する
標準問題の正答率アップは演習量とともに、どうしてその解答になるのかの理解ができているかどうかで決まってきます。特に算数、理科はその傾向が顕著です。解法暗記ではなく、自分で問題の解答解説ができるレベルなら、大問丸ごと正解は可能です。最近は小問の(1)から(5)まで関連している出題が多く、理屈さえ分かってしまえば芋ずる式に解答が導き出せます。
偏差値が65以上の子が、その数値に達するのも大問ごと丸々正解という「特急列車」(最後の問題までノンストップですべて正解)があるからです。〇のものもあれば×のものもあるという「各駅停車」とは、スピードも得点力も大きく違うため、差が出るのです。
多くの子が「なんとなく分かる」レベルなので「各駅停車」になるのです。この「なんとなく」をなくすことで、模試の成績が良かったり悪かったりが解消され、もっと言えば「まさかの不合格」を防ぐことができます。

★大量の宿題「できない理由」を探す前に
通塾している中で先生から宿題が出ると思いますが、それが標準問題と考えてください。おそらく量的には「きつい」分量になると思います。
よく、宿題が回らないので「塾の先生に相談して分量を減らしてもらう」といった話を聞きます。それも「あり」だとは思います。大変で、寝不足になるくらいなら、今の子どもの力量だと難しいということですから仕方のないことです。
しかし、減らす前に「取り組み方」の工夫で宿題は回るものです。「できない理由」を探すより、「どうしたらできるかを考える」という姿勢があるかないかだけでも、その後の成績の伸びは大きく違います。

★効率よく勉強するとは?
どうしたら大量の宿題をできるようになるか――。1つは「考えすぎない」ということです。3分考えて解答の糸口がつかめないものは、どこまで考えたかをきちんと書いたうえで先生に質問します。「何も分かりません」の状態で先生に聞いても、頭に残りません。
自分の考えたところまでと、先生の説明がドッキングして電流が通る(理解する)のです。考えたものを先生にぶつける、という姿勢だけでも成績アップのきっかけがつかめます。
解答の方向性はなんとなくわかるものの、自信のないものは解答解説を読み、正解へのプロセスを確認します。1日空けてもう一度自力でトライします。理解しているかどうか、自分で答案を「復元」するのです。これを繰り返して自分のものにします。
要はいつまでも考え続けず「タイムリミット」を設けて勉強を効率よく進めることを念頭に置きます。効率よく勉強するとは、量を少なくして効果を発揮することではなく、時間を大切にしながら最大量の勉強をすることです。

★標準問題にこそ合格への要素満載
模試の話から宿題へと話は飛びましたが、要はテスト以外でも標準問題を確実に正解するということを心掛けてほしいということです。応用問題や難問をバリバリ解けというのではありません。
標準問題には基礎の要素も、応用を解くエッセンスも盛り込まれています。だから大切に解くのです。標準問題にこそ、合格に至る“宝物”が満載されているのです。(受験デザイナー・池ノ内潤)