中学受験 偏差値&成績

塾の質問対応の良くする3つのポイント

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・質問できる環境は必須 
・ “質問難民”が続出するワケ 
・質問のマナーは「もがいた跡」を見せること 
・塾「指定強化選手」の授業と質問 
・親御さんが質問に“一枚かむ”ことの利点 

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★質問できる環境は必須 
 テキストともに生徒、親御さんからの質問対応の良い塾に「ハズレ」はあまりない、と言えるでしょう。塾、先生側からすれば「そんなことを…」と思うような内容でも、当事者にとってみれば重大なことです。真摯に対応し、適切な回答をしてくれる塾や先生がいるだけで心強いものです。 

 受験勉強真っ最中の子どもは同時に反抗期という場合も多々あります。親御さんの言うことなど「ためになる」と頭では分かっていも、素直に受け入れられなかったするものですが、先生から指示には比較的素直に従います。分からないところを質問して教えてもらえば、すんなり受け入れます。中学受験にとって質問できる環境が整っているというのは、大きなメリットになります。 

 “質問難民”が続出するワケ 
しかし、質問対応の良い塾を見つけるのはなかなか難しいことです。入塾前は「どんな質問でもしてください」と塾側はセールストークをします。質問対応は万全の態勢、ということをアピールします。 

 実際は生徒の数が多くて物理的に丁寧に対応できなかったり、質問数を「1回につき1つ」と制限したり、熱心に対応する先生に対し同僚が「時間外に生徒の面倒を長時間みるのはいかがなものか」などと非難するなど、大手になればなるほど質問する環境は決して良くありません。 

 その結果、分からないところを抱えたまま質問すること自体を諦めてしまったり、仕方なく個別指導塾に頼ったりと、“質問難民”が続出します。通塾するメリットの1つである、先生に質問できるという特典が生かされていないのは、大げさに言うと受験の合否にもかかわってくる問題と言えます。そこで最大限塾、先生を利用できる「質問対応を良くするポイント」を3点あげたいと思います。 

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★質問のマナーは「もがいた跡」を見せること 
 まずは「質問のマナー」です。実はこれ、入塾案内にも参考書にもでておらず、誰も教えてくれません。先生に質問をする際に大切なことは「自分はどこまで考えたのか」という「もがいた跡」を持って行くということです。 

 間違っても「これが分からないんですけど」と真っ白なノートを先生の目の前に出すのはやめてください。考えた跡がないのは、問題に向き合っていない証拠。何度質問に行ってもできるようになりませんし、貴重な時間を割いてくれる先生にも失礼です。全然わからなくても「自分はこう思う」を必ずぶつけてください。 

 大して考えもせずに教えてもらったことはすぐに忘れます。その時「分かった!」となっても身に付かないのです。自分で考えてきたからこそ、先生の説明聞いて自分がどこが分からなかったのかが把握できるのです。先生の説明を聞いているうちに、分かっていなかったのはその問題ではなく、その問題を解く以前の前の単元だった、という気付きもあったりするのです。「もがき」と「気づき」の繰り返しが成績を必ず上げます。 

★塾「指定強化選手」の授業と質問 
 次に「授業にきちんと参加すること」です。先生も人間です。授業中に一生懸命頑張っている子が質問に来れば「分かるように教えてあげよう」という気持ちになります。授業中、真剣にならず聞いているんだかないんだか…という子が「先生、教えて」と来ても、それはちょっと…となります。教えてくれないことはありませんが、「熱心に目をかけてくれる」というわけにはいかないでしょう。 

 日ごろから先生が気にしてくれている、という状態は生徒にとって大きなメリットです。「デキる先生」ともなれば知識だけでなく、さまざまな生徒に接してきた経験から教え方のさまざまなノウハウを持っています。その恩恵を受けるのが、授業で頑張っている子です。 

 塾では「指定強化選手」になった方が絶対得です。塾側から名指しで指定されるのではなく、多くの生徒の中で「この子はどうしても志望校に受かってもらいたい」と先生に思わせるような子です。熱心に授業に参加し、熱心に質問してくる生徒が「指定強化選手」。塾を「使い倒す」子です。 

親御さんが質問に“一枚かむ”ことの利点 
 最後に親御さんです。先生に質問する、というのは子どもにとって結構「勇気」がいることです。「せんせー、質問があるんですけどぉ」と行ける子はそんなに多くはありません。そこで、子どもが質問するという行為をある程度「ルーティーン化」するまで、親御さんが塾側に連絡し質問の「予約を取る」ことをしてあげてください。 

 メールなどでも構いませんが、できれば電話で直接の方が効果的。そうすれば先生も意識して、声掛けをしてくれたりもします。先生とコンタクトをとることによって親御さんと先生の間にも「ホットライン」ができて、親御さん自身の受験に関する相談もしやすくなります(もちろんクレーマーやモンスターペアレンツの類とは違います)。 

 進学塾に限らず、習い事は親御さんが積極的にかかわっていくと「お値段以上」の効果が上がる傾向にあります。「先生にお任せ」ではなく、親御さんが勉強の質問に“一枚かむ”ことで塾での学習はより有益なものへと変化していきます。(受験デザイナー・池ノ内潤) 

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池ノ内 潤

 「その子基準」で、勉強法、成績アップ、スケジュール立案、受験校・併願校選びなど、受験のあらゆる相談に乗る「受験デザイナー」。  昭和四十年代の夏、神奈川県生まれ。教師を志し、偏差値40程度の県立高校から独自の勉強法を駆使し、同校で初めて早稲田大学に合格。  進学塾講師、家庭教師で中学~大学受験に関わる。就職後もスポーツや執筆活動を通じ、教育や受験に携わる。    子ども2人の中学受験をサポート。1人は大手進学塾最下位クラスから転塾を経て、首都圏1都3県の偏差値トップ私立全てに合格し、第1志望に進学。  もう1人は偏差値30台から「親塾」でベースを固め、6年から入塾。3校に合格して大学付属中学へ進学した。

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