中学受験 偏差値&成績

小杉麻里のボロボロ教科書が伝えるもの

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教科書学習が導いた東大合格 
中学受験はテキスト一本勝負 
「オリジナルテキスト」は最強! 
「短期間で成績アップ」で上がらない理由 
我慢強さは受験成功に導く 

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教科書学習が導いた東大合格 
「ドラゴン桜」の東大専科の生徒の中で、常に沈着冷静で校内「文系トップ」として東大文科Ⅲ類に合格した、女優の志田彩良演じる小杉麻里。彼女の勉強で象徴的だったのが、歴史の教科書がボロボロになるまで読み込まれていたシーンでした。 

 ある事情で女子が大学へ進むことに強烈な嫌悪感があった麻里の父親の存在から、参考書や問題集が自由に買えない(と推察する)中、唯一にして、一番頼れる学習ツールが教科書だったのでしょう。しかし、この一点集中が基礎力を養い、基礎がしっかりしていれば東大受験の下地は十分に育つというメッセージを伝えています。

 基礎力があるからこそ、専科での授業や自習での学習を十分に吸収でき、さらなる上乗せがスムーズにできた、といえます。 土台がしっかりしているので「積み重ね」ても耐えうるのです。

★中学受験はテキスト一本勝負 
 これを中学受験にあてはめてみると、教科書は各進学塾のテキストになります。このテキストをボロボロになるまで読み込み、掲載されている問題をすべて解けるようにしたとき、初めて難関校や志望校の合格が見えてきます。 

 偏差値60以上で、どんなテストでも比較的安定した成績を残している生徒の多くは、テキストでの学習をとても大切にします。過去問は別として極端なことを言えば、塾で配布されたテキスト一本勝負で受験を走り抜きます。他には何もいらないと言い切れます。 

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 いわゆる「デキる子」とそうでない子の差は、テキストとどれだけ「友達」になっているかどうかです。加えて、テキストをさらに最強の武器にするためには「授業中の行動」と「管理」にポイントがあります。 

「オリジナルテキスト」は最強! 
 テキストの説明や例題に授業で先生が発した言葉をメモ書きしたり、自分の気づきを記したりして“汚れた”「オリジナルテキスト」を作ってしまいます。オリジナルテキストをつくれるということは、授業をとても大切にしているということ、何か一つでも持って帰ろうという前向きな姿勢がないと“美しいテキスト”のままです。

 成績の良しあし、偏差値の高低は頭の良さとか才能ではなく、一瞬々々のこうした行動の違いだと言えます。このオリジナルテキストを読み込むことで、基礎が何度も上塗りされ、演習問題をバリバリ解き進めていけるのです。 

 演習問題はテキストそのものにやらず、コピーをとって何度でもできるようにします。その時分かったからおしまいではなく、時々「蔵出し」して一度間違えたものを解き直したり、できたものをもう一度確認したり、どこかの分野でつまずいたりした場合に、そこに戻って「原点」を確認したりと、使い方はいろいろ。先生が指定した問題しかやらない、という生徒も多いのですが、基礎が固まっていないうちはそれでいいとして、難関校に合格したいのなら最終的には「制覇」したいところです。最後は解いた問題の「経験値」が勝負を分けることも多々あります。テキストは無駄なものは一切掲載していないのです。  

 冊子になっていないプリント型のテキストの場合、その管理が大変です。子ども本人に負担させるのではなく、そこは親御さんの出番です。 必要な時に必要なものが取り出せる。探し物をする時間は、受験勉強の大敵です。勉強を教える以上に、親御さんの「いの一番」のミッションです。

「短期間で成績アップ」で上がらない理由 
 成績の振るわない生徒の親御さんは、塾のテキスト以外に活路を見出そうとするケースが多く見られます。「分かりやすい参考書」「効果の出る問題集」、家庭教師、個別指導塾など、藁をもつかむ思いで物色します。 

 それで解決するケースはわずか、というのが現実です。なぜなら、成績が振るわない原因の大半は基礎がしっかりしていないところに由来しているからです。そこを見つめ直さずに「短期間で成績が上がる」とか「●●法で驚くほど偏差値が伸びる」などに飛びついても結果は見えています。そういう方法で成績が上がったケースは、上がる要素がある程度そろっていた場合で、最後のひと押しがたまたまそのメソッドだったというパターンが大半です。 

 手っ取り早くとか短期間でとかを追い続け、繰り返しているうちに定着するものがあまりないために、成績が停滞するのです。 

我慢強さは受験を成功に導く 
 中学受験に魔法も秘薬も秘密兵器もありません。勉強ができない、成績が上がらないと嘆く前に、目の前にあるテキストに視線を戻してください。愚直にテキストと向き合うことで、見落としていたこと、今なら気付けること、実はできなかった問題について丁寧な説明がされていたこと、改めてさまざまな発見があるはずです。さかのぼるのは4年生、5年生のテキストからでも構いません。とにかく基礎を粘り強く再点検してみてください。 

 我慢強い、というのも受験を成功させる要因の一つです。テキストをさかのぼって見直すというのは、地道で退屈、しんどい作業だけに我慢強さが必要になってきます。16年前の前作の「ドラゴン桜」で桜木先生も言っていました。「一刻の感情で利益を失うバカにはなるな」と。 「わけ分からない」と投げ出してしまうから成績が伸びないのです。

 夏休み前、夏休み、成績で悩んでいるのなら「劇的に偏差値が上がる!」とか「一気に苦手を得意にする」などの宣伝文句に惑わされず、テキストに戻って基礎を見つめ直すことを強くお勧めします。2カ月みっちり向き合って、演習問題を丁寧に解いてみてください。10月、11月ごろに成績が「えっ、本当に!」となるはずです。(受験デザイナー・池ノ内潤) 

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池ノ内 潤

 「その子基準」で、勉強法、成績アップ、スケジュール立案、受験校・併願校選びなど、受験のあらゆる相談に乗る「受験デザイナー」。  昭和四十年代の夏、神奈川県生まれ。教師を志し、偏差値40程度の県立高校から独自の勉強法を駆使し、同校で初めて早稲田大学に合格。  進学塾講師、家庭教師で中学~大学受験に関わる。就職後もスポーツや執筆活動を通じ、教育や受験に携わる。    子ども2人の中学受験をサポート。1人は大手進学塾最下位クラスから転塾を経て、首都圏1都3県の偏差値トップ私立全てに合格し、第1志望に進学。  もう1人は偏差値30台から「親塾」でベースを固め、6年から入塾。3校に合格して大学付属中学へ進学した。

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池ノ内 潤

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