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東大専科の目標は東大合格ではない!? 
結果を出すのは「一歩踏み込む強い子」 
平均点超えない「結果オーライ」の子 
「その言い訳が大事なんだ」 
・受験を左右する性格の良さ、素直さ 

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東大専科の目標は東大合格ではない!? 
 ドラマ「ドラゴン桜」の龍海学園東大専科所属の7人(練習生は除く)のうち、不合格だったのは2人。その1人は「今まで頑張ってきた経験がない」女の子、早瀬菜緒。ただ、共通テスト利用で青山学院大学経営学部に合格していたことが、自らの告白で判明。桜木先生だけでなく、専科中を驚かせました。 

 東大合格という目的からすれば、菜緒 は敗者ですが、桜木先生はこう言って称賛します。「お前は自分で調べて行動した。自分の人生を人任せにせず、真剣に選んで決めた道だ。堂々と胸を張れ!」 。 

 情報を駆使しながら、目標に向かって努力し、自分の頭で考え、自ら行動する。これが東大専科の最大の目標です。その観点から言えば、東大合格は二の次。目標ら向かってやり切った菜緒は「勝者」なのです。 

★結果を出すのは「一歩踏み込む子」 
 自分の頭で考え、自ら行動する。別の言い方をすると、目標に対して「一歩踏み込む」という状態になるということです。中学受験でこういう生徒は「強い」です。「できる」子はスマートに深くスイスイと問題を素早く解く子もいますが、受験で簡単に負けないのは、習ったこと、取り組む問題に一歩踏み込んでいける子です。 

 受験に「強い」子の勉強の進め方は、常に「どうしてそうなるのか」「そうなるまでの道筋」を大切にします。問題演習一つをとっても、〇が付いたからおしまい、ではありません。国語の読解の選択肢、たまたま「当たった」場合は、解説と素材文とを照らし合わせて解答の根拠を明らかにします。社会の正誤問題、あやふやな中で“エイ、ヤー”と選んだ答えで正解になっても、必ず解説をチェックするか、塾の先生の解説を仰ぎます。 答え以外の選択肢もきちっと分析する子は、さらに一段上の成績、偏差値をキープできる子になります。

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 なぜなら、次に同様の問題や考え方の方向性が同じ問題にぶつかったときに、確実に仕留めるためです。この勉強法、手間も時間もかかりますが、4,5年生から「勉強習慣」として付けておくと「勉強体力」はもとより「勉強筋肉」まで増強され、受験本番で傾向を変えられたり、問題の難易度が上がってもしぶとく勝ち上がります。その場で考える、というのが自然と身に付いているからです。 

★平均点超えない「結果オーライ」の子 
 逆に受験に「弱い」子は、総じて「結果オーライ」の子です。模試や塾内テストで「ヤマカンやったら当たった!ラッキー!」「おお、国語の記述テキトーに書いたら△で5点も入ったわ。おいしいわ」――。これで終わりの子です。社会や理科を「暗記もの」と位置づけし、ひたすら一問一答をやって「勉強した」と口にします。自分の現状で理解できないものはスルー。勉強のスタイルが極めて単純で、一歩踏み込むことなんか思いもよりません。 

 それでも受験者平均点くらいは獲れるでしょう。しかし、踏み込んだ勉強をしていないため、それ以上の壁は越えられないままです。理社は「なぜ、そうなるか」と一歩踏み込めば、入試で受験者平均65点レベルの問題で、85点や90点以上獲ることができます。算数の問題4、5問正解したのと同じことになり、かなりのアドバンテージになるにもかかわらず、そこまで思考が及ばないため、いつまでも「暗記もの」の域を脱せず、試験で出題形式を変えられたり、角度を変えて出されたりすると、たちまちお手上げ。試験に「弱い」子のままです。 

★「その言い訳が大事なんだ」 
 「ドラゴン桜」の第8話でこんなシーンがありました。英語のmustとhave toについて、東大専科の瀬戸輝( King & Prince の高橋海人)が前に出て説明すると間違いを指摘されます。その後、桜木先生は、なぜ間違ったのかの理由をくどいほど瀬戸に質問します。とうとう瀬戸は面倒になって「そんな言い訳みたいなことして何の意味があるんだよ」と苛立ちます。そこで桜木先生はすかさず言います。 

 「その言い訳が大事なんだ。逆にミスしたときに言い訳しない受験生は伸びない。言い訳には2種類ある。勝者の言い訳と敗者の言い訳だ。敗者はよく考えもせず、たまたま間違っただけだと言って片づけたり、人のせいにする。自分は悪くなかったと思うようにする。それに対して、勝者はミスした状況を深く自己分析し、改善できる方法を徹底的に考え、次にいかす」

 中学受験も大学受験もこの点においては本質的には一緒です。自己分析し、改善方法を徹底手に考える=「一歩踏み込む」勉強を入塾時から継続してきたかどうか、その差が6年生夏時点での偏差値の差です。入試での合不合格の差です。 

受験を左右する性格の良さ、素直さ 
 何をやっても簡単に投げ出して、勉強で「一歩踏み込む」なんて一番向かないはずの早瀬菜緒が日を追うごとに「そっか!」「なるほど!」と、一番反応が良かったのは、彼女の育ちの良さ、素直な性格が幸いしました。受験で「性格の良さ」は伸びる大事な要素です。学んだことを吸収しやすい土壌が備わっているからです。 

 そうやって考えることが普通になった結果、自己分析し、もう1年東大を目指して頑張るよりも青学に進んで、次の挑戦に向かうことが自分にとってはベストと判断したのです。東大専科が目指した「自分で考え、自分で判断する」を見事にクリアしました。 

 菜緒がこの勉強を1年弱続けられたのも東大専科の仲間がいたからでしょう。中学受験で言えば、塾のクラスメイトに触発され、刺激され成績をアップしていく子がいます。クラスが上の方ほど、その傾向は強いです。1つでも上のクラスにいることの意味は、親御さんの見栄や満足のためではなく、そこにあると言えます。(受験デザイナー・池ノ内潤) 

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池ノ内 潤

 「その子基準」で、勉強法、成績アップ、スケジュール立案、受験校・併願校選びなど、受験のあらゆる相談に乗る「受験デザイナー」。  昭和四十年代の夏、神奈川県生まれ。教師を志し、偏差値40程度の県立高校から独自の勉強法を駆使し、同校で初めて早稲田大学に合格。  進学塾講師、家庭教師で中学~大学受験に関わる。就職後もスポーツや執筆活動を通じ、教育や受験に携わる。    子ども2人の中学受験をサポート。1人は大手進学塾最下位クラスから転塾を経て、首都圏1都3県の偏差値トップ私立全てに合格し、第1志望に進学。  もう1人は偏差値30台から「親塾」でベースを固め、6年から入塾。3校に合格して大学付属中学へ進学した。

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池ノ内 潤

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