過去問はこう使う

過去問は「実物」と「赤本」を併用する


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夏は過去もが気になり始める時期 
実物のメリットは赤本にない「情報」 
「初めて」に子どもは「動揺」する 
解答用紙の「情報」を知る意味 
実物、赤本とも親御さんがお膳立てを 

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★夏は過去もが気になり始める時期 
6年生はそろそろ志望中学校の「過去問」が気になる時期に差し掛かりました。志望校のものに時間を決めて本番のように取り組むのはもう少し先かもしれませんが、進学塾のテキストは新単元ではなく、各中学校で出題された問題が一部改変されながらも単元別にまとめられています。それとは別にサピックスでは「有名中学入試問題集」、日能研では科目別にまとめられた前年度の入試問題集が塾生に配布(購入)され、塾側からの指示に従って進めることになります。 

 志望校の過去問については「いつから」という指示は具体的になく、それぞれ親御さんの判断によるところが大きいと思います。その取り組み方にも家庭によって違いがありますが、過去問は「実物」を用意し、学校ごとに過去数年間の問題を集めた通称「赤本」の解答解説と併用して進めていくと効果が発揮されると思います。 

★実物のメリットは赤本にない「情報」 
過去問の「実物」というのは言うまでもなく、実際の入試で使用された冊子、解答用紙のことです。入試説明会や学校見学会などで販売(4教科そろって1回分1000円程度が標準的)していたり、学校によっては「お土産」で1回分を入試要項や学校案内とともに配布してくれるところもあります。文化祭の入試相談コーナーでもらえることもあれば、随時学校の事務所で販売していることもあります 。 

 数に限りがあるので、チャンスがあれば迷わず入手することをお勧めします。少し古いものや志望校以外でも練習に使いたい場合は、ネットオークションなどでも出品されていることが多いのでのぞいてみてください。 

 「実物」を用意、使用するメリットはたくさんあります。第一に冊子の大きさや仕様 など「体裁」を把握することができます。A4判なのか、B4サイズなのか、縦書きなのか横書きなのかはもちろん、冊子がホッチキス止めになっているのか、折ってあるだけでとじてはいないのかがはっきり分かります。算数なら計算スペースはたっぷりあるのか(左ページに問題、右は白紙など)、社会の地図問題の大きさ、図表や写真はカラーなのかなどの「情報」も見ることができます。 

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「初めて」に子どもは「動揺」する 
 これは「赤本」にはないメリットです。赤本はページ数の都合上、算数の問題の後に余白なしで社会、理科と問題が続きます。計算スペースの広さや地図問題の大きさ、冊子の仕様も把握するのは難しいです。細かいことですが表紙の雰囲気、注意書きなども入試当日に「初めて見る」ことで緊張してしまう子もいます。何度も見たことがある、という慣れは入試本番で力を発揮する重要な要素になります。 

 大人から見れば大した問題にはならないかもしれませんが、子どもにとっては、「初めて見る」「初めて知った」は、入試本番での「動揺」につながります。冊子がホッチキス止めになっていないだけで、問題を解いているうちにバラバラになってしまったり、ゆったりとスペースをとっているため、小問が問題文の数ページ後に掲載され、何度もページをめくり直さなければならなかったり、と限られた時間内では「イライラ」します。ページ数にしても凝縮して少なくなっているか、ゆったりスペースで多くなっているかも知らなければ、問題数が多いと思い込み焦りにつながります。 

★解答用紙の「情報」を知る意味 
 解答用紙も実物から貴重な「情報」を得られます。赤本の解答用紙の隅に「●%に拡大コピーすると、ほぼ実物大で使用することができます」と記載があり、大きさについては実感できると思います。しかし、実物は解答欄の大きさ、雰囲気が実際に分かり、「情報」としてとても有益です。受験番号、氏名を記入する欄も用紙の前方なのか、後ろの方なのかも分かります。つまらないことのようですが、後ろにあって見落としてしまい…という悲劇は毎年のように起こります。 

 「実物」が入手できない学校も残念ながらあります。四谷大塚の「過去問データーベース」は300校以上の過去問が10年分以上分PDFでストックされており、会員登録すれば無料で閲覧、印刷もできます。解答があったりなかったり、著作権の都合上、国語が未登録だったりとパーフェクトではありませんが、参考にはなるので、すでに「赤本」にはない古い問題を解きたい場合などは大いに役立ちます。 

★実物、赤本とも親御さんがお膳立てを 
 「実物」には丁寧な解答解説が付いている場合もありますが、問題冊子と解答用紙のみ、という中学校も少なくありません。この時に「赤本」の解答解説が威力を発揮します。公表されることが少ない各小問の配点も予想ながら記載されており、採点の際に助かります。多くの問題について解説がしっかりしており、自己採点ができる赤本は、中学入試の家庭学習では必須です。 

 赤本は「売れ行きが良いから」と増刷せずに、前年の売れ行きや志願者の動向をふまえて部数を決めて書店に並ぶそうです。つまり、一度売り切れになったらなかなか手に入らず、毎年秋ごろになると「赤本が買えない」という状態になる受験生も少なからずいます。「実物」同様、チャンスがあったら入手しておくほうが後悔はしません。「実物」と「赤本」の併用で一段上の過去問対策のお膳立ては親御さんの役目です。(受験デザイナー・池ノ内潤) 


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池ノ内 潤

 「その子基準」で、勉強法、成績アップ、スケジュール立案、受験校・併願校選びなど、受験のあらゆる相談に乗る「受験デザイナー」。  昭和四十年代の夏、神奈川県生まれ。教師を志し、偏差値40程度の県立高校から独自の勉強法を駆使し、同校で初めて早稲田大学に合格。  進学塾講師、家庭教師で中学~大学受験に関わる。就職後もスポーツや執筆活動を通じ、教育や受験に携わる。    子ども2人の中学受験をサポート。1人は大手進学塾最下位クラスから転塾を経て、首都圏1都3県の偏差値トップ私立全てに合格し、第1志望に進学。  もう1人は偏差値30台から「親塾」でベースを固め、6年から入塾。3校に合格して大学付属中学へ進学した。

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