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・原理原則の深掘りが近道 
・その「解き直し」では改善しない
・化学系―「比例」という原理原則 
・物理系―「和」という原理原則 
・見た目で考えてしまう子 
・無数のパターンより1つの原理原則

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原理原則の深掘りが近道 
 理科でも「生物」「地学」系の知識中心の出題は、コツコツとインプットしながら、練習問題でアウトプットし、知識が定着しているかどうか確認をマメにすれば比較的早く得点源になります。 

  一方、計算を伴うことが多い「物理」「化学」系の成績を上げようとするなら、時間はかかっても「どうしてそういう解答になるのか」という「原理原則」を深掘りすることから始まります。 

 「手っ取り早く、カンタンに」という思いを先行させると、また雑な勉強になります。見た目は遠回りでも、しっかり取り組めば近道になります。 

その「解き直し」では改善しない 
 偏差値50前後の子どもが物理や化学系の大問に臨むと、大抵(1)や(2)の問題は正解します。あるいは基礎的な計算問題も“できている”でしょう。しかし、答えは合っていても、本当に理解していて導き出した答えかどうかは怪しい、ということが多々あります。

 問題で提示されている数字を掛けたり、割ったりして出てきた数字を書いただけ。つまり、どうしてそういう計算式が成り立つのかという根拠なしに、適当な“数遊び”で出した数字答えにしているケースが、偏差値が伸びない子どもにはよく見られます。 

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 子どもは深く考えず、返却された答案を見てマルが付いていたからいいや、となりがちです。親御さんも正解にはそれほど興味を示さず、×だったところ、空欄だったところに目が行き、その対策に躍起になります。解答用紙の結果だけを見て「応用ができていない」と思い、子どもにも問題集を与え、一生懸命やるようにしたり、テストのできなかったところの解き直しをするように言い聞かせます。 

 しかし、問題集をやったからといって状況が好転するわけではありません。よく理解しないまま解答を写し、なんとなく分かった気になっているのが「解き直し」となっていませんか。これが「勉強」だと思っていると、また同じような問題が出題されるとつまずき、偏差値が上がらないまま、という状態の繰り返しになります。 この状態から脱却するには「原理原則」に徹底して追っていくという過程が必須になります。化学系と物理系で簡単な例を挙げましょう。 

化学系―「比例」という原理原則 
 化学の計算を伴う問題でまず押さえてきたいのは、化学現象の多くは比例の関係が成り立っているということです。溶解度の問題で水100gに溶けるホウ酸の量と温度の関係が表になっているとします。問題の(1)や(2)では、水100gに対して溶ける量などが問われるので、表に書かれている各温度の数値を見て答えを出すことができると思います。 

 ところが、問いが進むと水の量が変えられたりします。その時に「溶ける量は水の量に比例する」という「原理原則」を理解していると、比例の計算さえ間違えずにできれば、正解に導けるのです。 

★物理系―「和」という原理原則 
 物理で押さえておきたいのは、力のつり合いです。かっ車やてこ、活力などが問題としてはあてはまります。これらに共通しているのは「動いていないなら、力(モーメント)はつり合っている」ということです。 

 例えばてこの右側におもりが2つ、左側に1つつり下がっていて、つり合って止まっているとします。この時、「右回りのモーメント(視点からの距離×重さ)の和=左回りのモーメント(視点からの距離×重さ)の和である」ということが原則になります。 

 ここでのポイントは「和」です。支点からの距離が右に20センチのところに10gの重り、30センチのところに40gの重りがつるされているとします。右回りのモーメントは「視点からの距離×重さ」の計算式にのっとると、(20センチ×10g)+(30センチ×40g)=1400になります。 

 次に左側を見ると、支点からの距離が右に20センチのところに70ℊの重りをつるせば、左右はつり合うことになります。 

見た目で考えてしまう子 
 ごく普通の「原理原則」ですが、理科の苦手な子だと、そうはいきません。なんとなく問題に取り組んでいた子どもは、左右1つずつの重りだと苦労しないのですが、重りの数が増えたりすると「えっ、どうするんだっけ…」と、見た目の違いに惑わされ、鉛筆が止まってしまいます。 

 左右のモーメントの和が結局同じになればつり合っているという「原理原則」が頭の中になく、それぞれの重りの重さだけで判断してしまい、正解に至らないのです。重りが2つでも3つでも、反対側に距離と重りを掛けて同じになればつり合っているという「原理原則」さえ、揺ぎなく頭の中に定着していれば、芋づる式に(1)から(6)とかまでできてしまうのです。 

 理科のできる子は、物理、化学系で大問ごと全問正解、パーフェクトということが珍しくありません。「原理原則」さえしっかりしておけば、理屈は同じで問の形式が変わっただけだから、あれこれ考える必要がないのです。 

無数のパターンるより1つの原理原則 
 「原理原則」より、演習問題を数多くやり、問題をパターン化して解法を覚えてしまう、というやり方をする塾もあります。典型的な問題ならこれでも対処できるでしょう。ただし、これが万能なほど、最近の中学入試の理科はヤワではありません。 

 各中学は理科分野では「原理原則」にのっとって、物事を論理的に考えられる12歳に入学してほしいと考えており、思考させる問題が主流というのが、最近の理科のトレンドというのも必然的なのです。 

 無数のパターンを覚えるより、1つの「原理原則」。これが理科の成績アップの最短距離です。(受験デザイナー・池ノ内潤) 


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池ノ内 潤

 「その子基準」で、勉強法、成績アップ、スケジュール立案、受験校・併願校選びなど、受験のあらゆる相談に乗る「受験デザイナー」。  昭和四十年代の夏、神奈川県生まれ。教師を志し、偏差値40程度の県立高校から独自の勉強法を駆使し、同校で初めて早稲田大学に合格。  進学塾講師、家庭教師で中学~大学受験に関わる。就職後もスポーツや執筆活動を通じ、教育や受験に携わる。    子ども2人の中学受験をサポート。1人は大手進学塾最下位クラスから転塾を経て、首都圏1都3県の偏差値トップ私立全てに合格し、第1志望に進学。  もう1人は偏差値30台から「親塾」でベースを固め、6年から入塾。3校に合格して大学付属中学へ進学した。

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