持ち偏差値「-10」の中学へ進学

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置かれた場所で花を咲かせる
「指定強化選手」になると待遇が違う
独自の価値観による選択は「受験の勝者」
・何物にも換え難い貴重な6年間

偏差値が高い方が有益な理由

置かれた場所で花を咲かせる
 中学受験の究極の目的は志望校合格を勝ち取ることです。それぞれの志望校に向かって。日々受験生は奮闘努力をします。しかし、第1志望に受かる割合は全体の3割弱。中には第2、第3志望も残念、ということも珍しくはありません。

 自分の本意ではない「まさか」の中学校への進学を余儀なくされることもあると思います。憧れの学校が忘れられず、新学期を迎えても気乗りしないまま制服を着ているかもしれません。しかし、中学受験は人生の中での途中経過。いつまでも未練を残して前に進めないより「置かれた場所で花を咲かせる」と切り替えた方が、充実した6年間を過ごすことができます。

「指定強化選手」になると待遇が違う
 例えば、受験時の模試などで出していた自分の持ち偏差値より10ポイと低い中学校へ進学したとします。偏差値的にはかなり余裕をもって入学した子は、「特待生」という恩恵を受けられる可能性が高くなります。学費の面でも優遇されますが、特待生はその学校の“看板”でもあり、中高一貫校が生徒集めで一番力を入れる大学合格実績の「ポイント」を稼いでくれる「指定強化選手」としても扱われます。

 難関大学に進む割合が高くない、中学受験でいう「一般校」(目安として首都圏模試で合格可能性80%が偏差値50以下の中学)では「指定強化選手」は学校を挙げて学習のバックアップをしてくれます。先生は個別指導にも力を入れてくれますし、難関大合格用のプログラムを個人にカスタマイズしてて伴走してくれます。まさに生徒にとって「面倒見のいい」学校そのものです。

 「指定強化選手」の待遇は、一般の生徒のそれとは明らかに違ってきます。大っぴらに学校側はそんなことを口にしませんが、入学してみれば分かります。大学合格実績を気にする学校ほどその傾向は強いものです。

独自の価値観による選択は「受験の勝者」
 受験前の自分の“持ち偏差値”にとらわれず、偏差値相応の学校よりもランクを下げて、「6年後が勝負」と照準を先に定めている受験生も少数ですが存在します。

 例えば医学部のある学校の推薦入学を狙うなどの目標がある場合、入学する中学校は自分の持ち偏差値よりも低くても構いません。そこで成績優秀、学年トップクラスを走り続ければ、推薦で進学できるチャンスを比較的容易に得られます。学力的には入学時から余裕があるので、手を抜かなければ上位をキープできますから。

 目の前の偏差値ランキングの数字に固執したり、名前の知れた中学校へというブランド志向が前面に出てしまいがちなのが中学受験です。そうではなく、「自分が将来何になりたいのか」「どういう道に進みたいのか」の方向性が家庭内で一致して、独自の価値観で進学先を選択するというのは、間違いなく「中学受験の勝者」です。

★何物にも換え難い貴重な6年間
 ただ、持ち偏差値10も15も下の学校へ進学しても、どこにでも「できるヤツ」はいるものです。自分の中では、余裕の学年1位と思っていたら、20位くらいだった、なんてこともザラです。「皮算用」が働いて入学したものの、「シナリオ」通りに行くかどうかは分かりません。しかし、それも「出会い」です。6年間の中高一貫での生活に刺激を与えてくれる存在として大いに歓迎すべきです。やっとの思いで志望校に合格しても「ついていくがやっと」、という苦しい状態は本当にしんどいです。一方で互いが高め合っていける存在がいて、なおかつ気持ちのゆとりがあり、自分のペースで勉強もでき、部活や学校生活も楽しめるのなら、6年間は人生の上で何物にも換え難い貴重な年月となります。

 公立中学は避けたいけれど、満員電車に乗ってまで通学したくないとばかり、近所の私立を受験したというケースも、偏差値的にはかなり余裕がある場合が多く、6年後には希望した進学先へ、という生徒もいます。

★偏差値が高い方が有益な理由
 精神的にゆとりがあるのは進路を決めるうえではとても大切です。中学受験で親御さんが受験校を選ぶ際、大学合格実績を重視する傾向にありますが、あくまで「他人様」の結果で、同じ学校に入ったからといって同じような大学に合格するわけではありません。偏差値が高いからといって「いい学校」というのも違います。

 ただ、偏差値が高ければ、選択の幅が広くなるので、偏差値はできるだけ高く保つといのは受験においてやはり有益であることは間違いないです。できるだけ大胆に、自由に中学校を選択できるような状態にするために、やはり目安となる偏差値は高い方が現実的にも、メンタル的にも良いのです。(受験デザイナー・池ノ内潤)

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