奇跡の逆転合格…その先にあるもの

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よくある「奇跡の逆転合格」
逆転合格組 ポイントは中1
「肩たたき」される中3
進級はさせるが問答無用で「落第」
内部進学状況把握は大切

★よくある「奇跡の逆転合格」
 中学受験は模試の判定、持ち偏差値通りの結果にならないことがよくあります。いわゆる「奇跡の逆転合格」「まさかの不合格」です。大学受験や高校受験は多少の凸凹はありますが、ほぼ「判定通り」「偏差値通り」になる確率が高くなりますが、12歳の受験は、よほど実力がかけ離れていない限り「やってみなければ分からない」のです。

 「奇跡の逆転合格」。痛快です。周囲の感動を呼びます。続く後輩たちに合格体験記を通して、勇気と希望を与えます。塾側も「最高の宣伝材料」になり、新規入塾の目玉として入塾案内のチラシには笑顔で当人が登場したりもします。苦しい中学受験を戦い抜いて、栄冠を勝ち取った子どもの表情はみな「いい顔」をしています。

★逆転合格組 ポイントは中1
 晴れて志望校に入学した「奇跡の逆転合格」組ですが、入学後はどういう道をたどっていくのでしょうか。ポイントは中学1年生。つまり入学当初の過ごし方にあります。

 合格、入学できた感激を胸に「よし!やるぞ!」と、中学受験が終わっても英語や数学など、新しく始まる科目の勉強を前もって頑張れる子は、入学前の偏差値など関係なく十分やっていけます。逆に上位の成績で周囲から「できる子」と見られ、学校の生活が充実します。

 しかし、本来の実力を顧みず、合格したことに浮かれ、そのままの調子で入学を迎え、最初の定期テストに臨んだ子は下位をさまよい、そのままで3年間が過ぎ、高校進級時に進級できるかどうかのは判定にかけられる「リスト入り」してしまう可能性が高いようです。中学スタート時の実力差は中1の時点でなとかすれば埋まりますが、中2になると差は開く一方で浮上することは「まれ」です。

「肩たたき」される中3
 私立の場合、多くの中高一貫校が90%以上併設の高校へ進みますが、80%台の学校もちらほらあります。中には、高校に上がる前、中学3年の秋ごろから「肩たたき」をする中学もあります。平たく言えば「転校のすすめ」です。

 絶対評価の成績表で10段階なら4、5段階なら2なら対象になるでしょう。ある大学附属校では、毎年5人前後、多いときで10人を超えるといいます。決断して方向転換を図る親御さんもいる一方で、せっかく受験をして入学した中学だけに泣いてすがる親御さんもいて、毎年秋は修羅場になる中学校もあるようです。

★進級はさせるが問答無用で「落第」
 ある中高一貫校では、追試、補習をしたうえでとりあえず「仮進級」という措置をとり、高校1年の成績が振るわなければ「落第」となります。中学の時はやや甘かった成績の付け方も、高校になると救済措置のようなものが少なくなり、問答無用で落第となるようです。

 後輩に「●●さん」と呼ばれながら過ごす子もいれば、いたたまれなくなって自主退学して公立高校など新天地を求める生徒もいます。勉強をせず他のことにのめり込んだ結果、というよりは、多くは憧れの中学に入った時点で燃え尽きてしまい、かといって部活動で頑張るわけでもなくという、入学後に勉強する目的も中学生活を謳歌する活力もなくなってしまった子が多いといいます。

★内部進学状況把握は大切
 内部進学の状況は説明会などで一度聞いておくとよいと思います。具体的な数字と、併設の高校へ進まなかった理由は知っておくと、偏差値や大学合格実績だけでは見えない、中高一貫校の側面を垣間見ることができます。これも「学校研究」の1つのテーマ、親御さんの仕事です。(受験デザイナー・池ノ内潤)

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