塾・家庭教師

成績中・下位に効く!?塾のオンライン授業


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・22年度入試は「変異株」次第? 
・オンラインで効果がある偏差値帯 
・ライブ授業とは違う中・下位クラス 
・親御さんとオンライン授業 
・集中力がもたなかった子もいる

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★22年度入試は「変異株」次第? 
 新型コロナウイルスの感染拡大に対し、21年度入試で中学校側はさまざまな対応をしました。日程の分散や机の三方をアクリル板で囲い、消毒も徹底…。22年度入試は、前年度経験したさまざまなノウハウをさらに改善し、万全な態勢で受験生を受け入れるものと考えられ、その点では懸念材料は少ないと思われます。 

 それでも次々と現れるコロナの「変異株」が今後、どのような感染状況を巻き起こすかが全く予測不能です。再度爆発的な感染拡大や若年層が感染しやすい株だと、話は違ってくるかもしれません。12歳の子どものワクチン接種もそれほど進むとは思えず、20年度までとはやはり「違う風景」の中学受験にならざるを得ないでしょう。ただ、入試問題自体が大きく変わるわけではありません。むしろ21年度よりも「通常」に戻る傾向にあると推測できます。 

★オンラインで効果がある偏差値帯 
 昨年は進学塾での対面授業が夏ごろまで軒並み取りやめになり、各塾ともしばらくはオンライン授業にシフトしました。今年は基本線、対面授業で希望者がオンライン、という形の塾が多いようです。夏期講習中に各塾で感染した生徒や先生が多発し、塾によっては「クラスター」になりましたが、また全面オンラインに逆戻りという感じにはなっていません。 

 後で振り返ることができ、繰り返し「復習」できるオンライン授業のメリットは「時間には縛られない」などのほかにも数多くありますが、特に偏差値50台から40台後半の成績の子が有効活用すると、効力が発揮されます。 

 この成績帯の子はスピードの速い授業展開に、これまで「乗り遅れ」気味だった子も少なくありません。それが動画配信で自分のペースで授業に参加できるようになったのは大きいです。「何度も配信授業を見直したらよく分かった。今までやってきたことが全てつながった」と“つかんだ”子もいます。 

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★ライブ授業とは違う中・下位クラス 
 塾によってはクラスのレベル別に授業内容を変えて配信しているところもあります。中・下位クラスでは難しい問題を扱わず、基本問題を中心に丁寧に時間をかけて取り組んでいる場合が多いようです。レベルを超えた内容をやってしまうと、オンラインでは簡単に集中力を欠き、ぼやっとして時間が終了という恐れがあります。分かる問題、手が出る問題をより固めた方が得策と考える背景がうかがえます。 

 成績上位クラスは授業に活気があるため「一人でオンライン」、よりライブの授業の方が効果的ですが、中・下位クラスは正直、騒々しくて「授業になっていない」クラスもあるため、落ち着いてできるオンラインで勉強の姿勢が変わる子もいます。きちんと授業を聞いて、復習すれば理解できることも分かり 、学習の「新しい流れ」をつくる良いきっかけになる可能性があります。

★親御さんとオンライン授業 
 普段は見られない塾の授業を親御さんも「参加」できることで、効果を発揮します。子どもに「伴走」する際、先生の講義を参考にして子どもにアプローチできるようになり、どう寄り添ったらいいのか具体的なイメージを描くヒントを得られます。テキストやノートを見ただけでは、塾で何をやって来たかよくつかめなかった親御さんにとって動画配信は、またとない伴走のための強力な武器ににるはずです。 

 これは“肌感覚”ですが、オンライン授業に「出演」する先生は「分かりやすい」と親御さんには評判です。普段は非公開のことが多い授業の様子は子どもの話を通じて知ることが多かったのですが、オンラインで親御さんも授業を「共有」できるようになり、塾側も「イメージ戦略」「宣伝」という観点で結構気を遣っています。「これで分からないのはうちの子が悪い」とさえ言う親御さんもいて、塾側としては授業に定評のある先生をオンラインにかなり投入しています。 

★集中力がもたなかった子いる 
 オンラインで理解度が増した子がいるのとは逆に「集中力がもたなかった」という声も聞かれました。画面をじっとながめながら人の話を聞く、というのは意外と疲れるものです。書き込みをしたり、問題を解いたり、映像を止めることもありますが、一人で黙々と一連の作業をして授業を聞くのは、小学生にはちょっと難しいかもしれません。 

 また、パソコンの操作も子どもにはストレスになったようです。スマホでも視聴はできますが、画面が小さく、長時間はつらかったと思います。 

 親御さんの手を煩わせなければならないことも多く、反抗期に突入した子どもにとってはパソコン操作のイライラと気持ちのイライラとで勉強が思うように進まなかった、という受験生も多いようです。大学受験ではオンライン授業がコロナ禍前から浸透していましたが、中学受験では同じようにはいきません。 


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池ノ内 潤

 「その子基準」で、勉強法、成績アップ、スケジュール立案、受験校・併願校選びなど、受験のあらゆる相談に乗る「受験デザイナー」。  昭和四十年代の夏、神奈川県生まれ。教師を志し、偏差値40程度の県立高校から独自の勉強法を駆使し、同校で初めて早稲田大学に合格。  進学塾講師、家庭教師で中学~大学受験に関わる。就職後もスポーツや執筆活動を通じ、教育や受験に携わる。    子ども2人の中学受験をサポート。1人は大手進学塾最下位クラスから転塾を経て、首都圏1都3県の偏差値トップ私立全てに合格し、第1志望に進学。  もう1人は偏差値30台から「親塾」でベースを固め、6年から入塾。3校に合格して大学付属中学へ進学した。

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