「二月の午後受験」はあり、なし?

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・「二月の勝者」でも騒然のWヘッダー
・午後受験はアクシデントを想定
・12歳が気持ちを作り直す難しさ
・午後受験隆盛 出願環境の変化
・ 午後試験の学校近くで親子喧嘩も

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「二月の勝者」でも騒然のWヘッダー

 中学受験を描いた人気コミック「二月の勝者―絶対合格の教室―」の13巻が12日発売されました。受験直前の12月が舞台の最新刊は、今まで以上の緊張感が漂う、それぞれの家庭での受験校決定の場面が1つのハイライトです。その中で数多く出てくる言葉が「午後受験」です。

 最近の中学受験は1校受験して1日が終了、というのではありません。「午後受験」が現在のトレンドです。21年度は2月1日午前の受験者数が約4万人超。午後受験と「ダブルヘッダー」をした受験生の正確な数は分かりませんが、午後受験からという生徒はそれほど多くないと見積もると、5割以上が参戦しているとみられます。

午後受験はアクシデントを想定

 同じ中学校の別コースを受ける場合は、昼食をとり午後2時くらいから「第2試合」が始まりますので、比較的緩やかな時間の流れの中で試験が受けられますが、別の学校から移動を伴う午後受験はかなりハードです。

 試験時間は午後3時すぎからなど配慮はしてくれますが、中には電車を乗り継いで移動してきたり、試験終了時間や退室時間が遅れるなど、予定通りに行かないことも多く、慌てながら教室に飛び込んでくる光景を毎年目にします。

 電車を使っての移動は交通トラブルなどのリスクも少なからずあります。「時間に余裕を持って…」というアドバイスはたやすいですが、まさかの時の迂回ルートや移動手段を想定しておくことは大切です。準備したけど、必要なかったは「損」ではなく、「幸せなこと」なのです。

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12歳が気持ちを作り直す難しさ

 主流になりつつある午後受験ですが、できれば子どもに負担をかけずに1日1校集中で入試に臨んでもらいたいというのが私の本音です。

 確かに受験回数や受ける学校の選択肢が多ければ、合格のチャンスは広がります。志望校を何度も受けられることで、学校によっては加点もあることから、表現は悪いのですが「数撃ちゃ…」ということもあります。

 それでも12歳の小学6年生が午前も午後も緊張感をもって大一番の入学試験に臨むというのは至難です。昼食を挟んであと1教科(しかも理科や社会の場合が多い)なら頑張れるかもしれませんが、場所が変わると張りつめていた気持ちはどうしても緩みます。そこからもう一度気持ちを作って入学試験に臨むというメンタルコントロールは、子どもにとって要求がかなり高いことだと思います。身も心も大人が思っている以上に疲弊します。

午後受験隆盛 出願環境の変化

 1月受験、2月の試験の合否によって受験校の組み合わせが変化する受験生も少なくないでしょう。最近は即日合格発表をする学校も珍しくありませんし、翌日の試験でさえインターネットで手続きをすれば受けられますし、当日会場で受け付けている場合もあります。数年前と比べてガラリと環境は変わり、入試を受けること自体のハードルは低くなりました。

 この出願環境の変化が午後受験を拡大させていることは間違いないでしょう。「短期決戦」で受験を終えたい。早く合格をもらいたいなどの理由で、親御さんが受験を決めて、過去問を1度もやったこともなければ、所在地さえよく分かっていないで「あした午後に試験」というケースも近頃は珍しくありません。

 しかし、焦れば焦るほど泥沼にはまっていきます。1日も2日のダブルヘッダーを強行し、合格していればひと安心かもしれませんが、数を撃っても当たらなければ、3日以降の合格はかなり厳しくなります。

午後試験の学校近くで親子喧嘩も

 午後試験の会場近くで「親子喧嘩」をしている姿も見かけることがあります。放心状態の表情で正門をくぐり、促されるままに校舎内へと消えていく子もいます。学校近くの飲食店では「行きたくない」と言って、母親を困らせている受験生もいるといいます。

 試験を受けるのは子どもです。大人の論理で午後受験を組み込むのは少し立ち止まって考えてほしいと思います。狙いを定めて受験校対策に1つ1つ丁寧に取り組んで入試を迎える方が得策です。日程に無理がない受験プランを組むのも親御さんの腕の見せ所です。(受験デザイナー・池ノ内潤)

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