「二月の勝者」に学ぶ中学受験

「二月の勝者」にみる6年生からの「参戦」


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・どう見た?ドラマ「二月の勝者」
6年入塾は 「カモネギ」 なのか
6年生から参戦は「身の丈受験」
親塾で鍛えられた「仮面受験生」
・「受験に強い子」とは…

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どう見た?ドラマ「二月の勝者」

 中学受験をする親御さん注目の日本テレビ系ドラマ「二月の勝者―絶対合格の教室―」が10月16日にスタートしました。連載中のコミックと比較して、主役のカリスマ講師・黒木蔵人役の柳楽優弥がハマっていたという高評価もあれば、もう一人の主役と言える、井上真央が演じる佐倉麻衣のキャラクターが原作とあまりにも違うことに違和感を覚えるといった意見も多く、賛否両論といった雰囲気です。

 ドラマの評価はともかく、1回目のストーリーは、サッカー少年が6年生から「桜花ゼミナール」に入塾し、中学受験に参戦するというものでした。最初のテストで偏差値40の最下位という成績に、受験を不安視する親御さんを黒木先生は客観的データと少年本人への「殺し文句」で新規入塾へと漕ぎつけます。黒木先生の言葉を借りれば「ATM(父親)から現金を引き出した」ということです。

6年入塾は 「カモネギ」 なのか

中学受験の参戦は典型的なパターンだと4年生からです。正確には3年生の2月。6年生の入試が終了間際となる2月5日前後の新学期スタートからがオーソドックスな受験勉強スタートです。「小4は進路の分かれ道 10歳の選択」と入塾を勧める塾もあります。最近では受験参戦の低年齢化は年々進行しており、3年生はおろか、受験熱が高い都内の地域では小学校入学と共に入塾。3、4年生から通塾しようとしても入塾試験さえ受けられないという事態にもなっています。

 そういう現状を見ると、6年生からの中学受験参戦は「何を今さら」という雰囲気ではあります。しかし、実際には入試まで1年足らずの中で通塾し、受験に「本格参戦」する子も少なくありません。

 実際、大手進学塾は転塾だけでなく、新規入塾も受け付けており「扉は開かれている」と言えます。ただ納得いく受験になるかどうかは全くの未知数。塾側としては合格実績とともに「売り上げ」を出さなければなりませんから、ある程度の線に達していれば入塾を許可します。黒木先生の言う「鴨が葱を背負って来る」というのはそういうことです。

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6年生から参戦は「身の丈受験」

6年生参戦で納得のいく受験ができるケースは主に2つあります。1つは「身の丈受験」てす。中学受験のベースとなる学習の大半は5年生でほぼ終了します。6年はその発展学習と復習、実戦演習へと軸足が移ります。6年生からとなると、土台がないところに建物をつくるようなものになります。その分、「割り切った戦い方」をする必要があります。

 具体的には漢字と計算、理社の用語暗記と簡単な背景の理解、算数の典型問題のマスターと国語読解の選択肢問題を中心とした正答率のアップを目指します。受験校を絞って過去問を徹底研究し「一般校」(偏差値45前後)の合格を確実なものにします。死力を尽くせば「中堅校」(偏差値50前後)くらいまでは合格圏に入ります。さらにもともとの能力が高い子は「上位校」(偏差値55以上60未満)を狙って「いい勝負」をする子も稀にいます。

 ポイントは「欲張らない」ことでしょう。戦略を絞ったことで一時的に模試の成績が上がり、志望校判定も良い結果が出ることもあります。それに気をよくして「もっと」とならないことです。4年生から地道に「土台」を積み上げてきた生徒との差はなかなか埋まるものではありません。入試ではその「地力」が試されます。言葉は悪いのですが急ごしらえで作り上げたものとの差は見た目以上にあります。

 チャレンジは大いにするべきですが、模試の成績などで「最高点」で判断するのではなく「アベレージ」で受験校を決定するのが得策です。

親塾で鍛えられた「仮面受験生」

 もう1つは「仮面受験生」のパターンです。通塾は6年生からですが、実は家庭で「親塾」が展開されていたり、通信教材やスタディサプリなどである程度中学受験に取り組んでいたケースです。

 最初は大卒以上の親御さんが「昔取った杵柄」のごとく、我が子の「家庭教師」として伴走し、立ち位置確認で時々模試を受験。まずまずの手応えはあったものの、反抗期だったり、時間的にも物理的にも親塾の限界を感じ、「最後の詰めは進学塾へ」というのが一例です。この場合、子どもの学力レベルは千差万別です。入塾して、4年生から通う生徒と「互角以上」の勝負をする子もいます。

 ただ親塾でかなり鍛えられていても塾のカリキュラムに沿ってきっちり積み上げてきた子と比べると「抜け」があるのは否めません。6年で通常カリキュラムを受けながら、塾の先生に相談して「抜け」を埋めていく作業を並行して進める必要があります。そうすることでギリギリですが、中堅校以上の入試で戦える学力が入試までに整い、上位・難関校合格と納得のいく中学受験へと近づく場合があります。

「受験に強い子」とは…

 ドラマ「二月の勝者」では、6年から入塾のサッカー少年に対し、黒木先生が「ササる」言葉をかけました。「粘って頑張った経験のある子は、受験でも強いんですよ」。

 中学受験に限らず、受験は「馬力」がある子がしぶとく勝ち上がります少年の算数の答案用紙は「もがいた跡」が随所に見られました。こういう子は実際でも伸びます。きっかけをつかめば「大化け」します。ドラマとはいえ、サッカー少年・三浦佑星くんに期待大です。(受験デザイナー・池ノ内潤)


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池ノ内 潤

 「その子基準」で、勉強法、成績アップ、スケジュール立案、受験校・併願校選びなど、受験のあらゆる相談に乗る「受験デザイナー」。  昭和四十年代の夏、神奈川県生まれ。教師を志し、偏差値40程度の県立高校から独自の勉強法を駆使し、同校で初めて早稲田大学に合格。  進学塾講師、家庭教師で中学~大学受験に関わる。就職後もスポーツや執筆活動を通じ、教育や受験に携わる。    子ども2人の中学受験をサポート。1人は大手進学塾最下位クラスから転塾を経て、首都圏1都3県の偏差値トップ私立全てに合格し、第1志望に進学。  もう1人は偏差値30台から「親塾」でベースを固め、6年から入塾。3校に合格して大学付属中学へ進学した。

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Published by
池ノ内 潤

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