親御さんの役割

「絶対大丈夫」のひと言が合格を呼ぶ

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・ 「絶対大丈夫」でビリから頂点に
・親の「不安」は子どもに伝染する
・自信がつく「できるものリスト」
・ 優先順位は「もう少し」「曖昧」
・「絶対大丈夫」になるために

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「絶対大丈夫」でビリから頂点に

10月26日、プロ野球のセ・リーグでヤクルトスワローズが6年ぶり8度目のリーグ優勝を決めました。夏場から追い上げで首位を独走していた阪神タイガースを抜いての「逆転V」でした。

 そのスワローズを指揮した高津臣吾監督が選手に言い続けた言葉があります。「絶対大丈夫」。試合前のミーティングで「自分が追い込まれたら、こう言え。“絶対大丈夫”」と伝え続けた指揮官。前年最下位だったチームは大型補強をしたわけでなく、技術の底上げと「絶対大丈夫」と言えるだけの練習量、「やることはやった」という自信で頂点に立ったと言えます。

親の「不安」は子どもに伝染する

 マフラータオルやシール、Tシャツなどのグッズにもプリントされるようになった「絶対大丈夫」の5文字は、中学受験をする子どもたちにも贈りたい言葉です。

 2月1日の東京、神奈川の入試解禁日まで100日を切り、あれもやらなきゃ、これもしなきゃと子どもの学習の進捗状況に焦りを感じている親御さんも少なくないと思います。しかし、親御さんの「不安な態度」は子どもに伝染します。親御さんが浮足立っていると、それを目の当たりにする子どもも心が揺れます。確かに精神的に落ち着かないのは分かりますが、子どもの前では表面だけでも平静を装うことが大事。よく言われる「受験生の親は俳優になる」というやつです。

 そしてことあるごと子どもに向かって言い続けてほしいのが「絶対大丈夫」。ほかに言葉はいらないかもしれません。いろいろ言うより、シンブルな言葉の方が子どもの胸には届きます。

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自信がつく「できるものリスト」

 しかし、言葉だけでは「絶対大丈夫」にはなりません。ヤクルトも監督の魔法の言葉で優勝したわけではなく、「やるべきことをやった」という大前提があればこそ、最後のひと押しとして言葉が威力を発揮したのです。

 10月下旬の6年生の「やるべきこと」の中身は、十人十色、受験生の数だけあると思いますが、1つ言えるのは、弱点克服よりも「できることを確実に仕留められるようにする」ということです。弱点、苦手は気になりますが、そればかりを追及していると「絶対大丈夫」という気持ちにはなりません。まずは「できること」=「正確に解答としてアウトプットできるもの」がどれだけあるのか、塾のテキストの演習問題、志望校の過去問を通して具体的に確認します。

 「平面図形の問題はできる」「国語の漢字はパーフェクト」「社会の雨温図の区別は間違えない」など、箇条書きでもいいので「できるものコレクション」を書き出してみましょう。親子で確認し、親御さんが「できるものリスト」を作ってあげます。意外とたくさんの「できるもの」があるはずです。「こんなにできることがあるじゃない。絶対大丈夫」。何が出題されるか分からないとビクビクするより、笑顔でできることを数え上げた方が、気持ちが前向きになります。

優先順位は「もう少し」「曖昧」

 もちろん、苦手や弱点に目をつぶり続けて逃げる、というのではありません。苦手、弱点の「レベル仕分け」が大事になってきます。課題として気になっている問題や単元の中で「もう少しでできそうなもの」「理解が曖昧なもの」から優先的に手を付け、「できるものリスト」に1つでも多く加えることを目標にします。ズバリ、克服するには「時間がかかるもの」は諦めます。

 苦手にじっくり取り組む時期はせいぜい6年夏までがリミット、「延長戦」もこの10月が限度です。「ギリギリまで頑張ればできるようになる」という意見もあると思いますが、残り僅かの時期に怖いのは「テンポの悪い学習」です。

 成績上位で課題が割と少ない子なら、それを着実につぶしていくという勉強がセオリーですが、偏差値55以下になると苦手に取り組むだけで時間がかかり、さらに焦りを生みます。それよりも気持ちよく、テンポのいい勉強をしていく方が最後まで成績は伸びます。ただ、子どもだけに任せると、「もう少しでできるもの」「理解曖昧なもの」はなかなか手を付けないので、親御さんなり、塾の先生、家庭教師なりが「伴走者」として寄り添い続けるのが肝になります。

「絶対大丈夫」になるために

 入試当日までには完璧に仕上がる子どもはまずいません。それでも「やることやった」という自負さえあれば、試験そのものは「楽しめる」というのが、納得のいく結果を出した先輩受験生の共通した感覚です。自分の持ち駒(できるものリスト)をフル稼働させて、ゲームをするように入試問題と勝負するからです。

 毎日少しずつの「やることはやった」があるからこそ、入試当日に言える言える「絶対大丈夫」。試験直前、子どもを会場へ送り出す親御さんは「絶対大丈夫」と言って背中を押してあげてください。それだけで合格の可能性はグッと上がります。(受験デザイナー・池ノ内潤)


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池ノ内 潤

 「その子基準」で、勉強法、成績アップ、スケジュール立案、受験校・併願校選びなど、受験のあらゆる相談に乗る「受験デザイナー」。  昭和四十年代の夏、神奈川県生まれ。教師を志し、偏差値40程度の県立高校から独自の勉強法を駆使し、同校で初めて早稲田大学に合格。  進学塾講師、家庭教師で中学~大学受験に関わる。就職後もスポーツや執筆活動を通じ、教育や受験に携わる。    子ども2人の中学受験をサポート。1人は大手進学塾最下位クラスから転塾を経て、首都圏1都3県の偏差値トップ私立全てに合格し、第1志望に進学。  もう1人は偏差値30台から「親塾」でベースを固め、6年から入塾。3校に合格して大学付属中学へ進学した。

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