中学受験 やめられない「課金ゲーム」の展開

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・ 転塾を考える瞬間
「転塾」変身は子どもの意志次第
・ こうやって課金ゲームにハマる
・引くに引けなくなる課金ゲーム
・お金で成績は買えるが…

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転塾を考える瞬間

 日本テレビ系ドラマ「二月の勝者―絶対合格の教室―」の第3話が10月30日に放映されました。メインテーマは「転塾」。桜花ゼミナールでトップを争う、桜蔭志望の前田花恋(田中絆菜、はんな)が、中学受験実績No.1の「ルトワック」に移るかどうかをめぐってストーリーが展開しました。

 花恋は桜花内での不満とさらなる高みを目指して、中堅塾から中学受験生の「トップ・オブ・トップ」が集うルトワックの「Sクラス」へ転塾を希望するのですが、このケース以上に実際に転塾を検討するケースで多いのは成績不振によるものです。

「転塾」変身は子どもの意志次第

 ドラマの中でも描かれていましたが、夢を抱いて中学受験を始めたものの、なかなか伸びない偏差値と成績に、親御さんが考えるのは「転塾」です。合格実績の伸びを強く訴えたり、最近は「成績保証」という“切り札”まで投入する各塾のホームページやチラシに、心を動かされる親御さんも少なくありません。

 塾と子どもの「相性」はとても大事です。よく「デキる子」はどこの塾へ行っても成果を出すし、成績が振るわない子は誰が面倒を見てもなかなか伸びない、といわれますが、環境の変化で子どもが変身することもあります。

 しかし、単に塾を代えたから、評判の先生に教えてもらうようになったからといって成績が急上昇するわけでありません。受験の主役である子ども自身が「現状を打破したい」「どうしても志望校に合格したい」などの、強い気持ちがない限り、どんな塾に移ろうと、先生が代わろうと、恐らく何も変わらないでしょう。

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こうやって課金ゲームがハマる

 子どもの強い意志がないのに、親御さん主導で転塾や個別、家庭教師などを「あさり出す」と、中学受験の「課金ゲーム」の始まりとなります。成績を上げるカギは子どもの気持ちや親御さんの的を射たサポートなのですが、矢印が自分たちに向かず、成績不振の原因が「塾が合わない」「先生がいまひとつ」など外的要因にあるとし、その「思想」から脱することのできない親子がハマつていくのが「出口のない」ゲームです。

 A塾がダメなら、面倒見がいいという評判のB塾。B塾には個別指導もあるからそこも使おう。でもB塾の宿題をこなすには手助けが必要。なら家庭教師を付けましょう。C塾ではマンツーマンで●●中対策をしてくれるので何とかなりそう。理解力がついていないうちの子は、個別でも「コマ数を増やさない追いつかない」と言われた…。

 塾の掛け持ちに個別、家庭教師。1週間休みなく「授業スケジュール満タン」ですが、成績は一向に好転せずというのは「中学受験あるある」です。受け身の授業とインプットの連続では、お金をつぎ込んで「教えてくれる」ところへいくら行っても成績はまず上がらないからです。授業から何かをつかみ取って帰るという気構えと自力で解答をアウトプットできるようになるという反復学習の時間を確保することが、成績アップのベース。その機会と時間を奪う「授業スケジュール満タン」はその真逆になります。

引くに引けなくなる課金ゲーム

 「課金ゲーム」が怖いのは、繰り返すたびに親御さんの感覚がマヒしていくことです。現金で支払っているのならまだ「大金を支出している」という感覚になりますが、銀行引き落としやクレジットカード決済などは申し込みをした時点で「お金を使っている」という実感がどうしても薄くなり、それ以上に「今度こそ大丈夫」と言い聞かせるように、申込書にサインしてしまうのです。

 どこかで気が付いて「本人の学習姿勢が変わらない限り、いくらお金を使っても成績は伸びない」と親御さんが矢印を自分たち側に向けてくれれば良いのですが、すでに成績アップに躍起となって「狂気」と化している中で、「課金ゲーム」から降りられなくなってしまっているのです。

 「ここまで投資したのだから後には引けない」「次こそ、次こそきっと何とかな るはず」と、これまでつぎ込んできた金額と時間、そして「私の努力」はどうなるの?となった親御さんはもう引くに引けません。そして「短期間で成績アップ」「直前講習で最後の逆転を狙う」などの言葉に誘われて、「課金ゲーム」は果てしなく続きます。

お金で成績は買えるが…

 中学受験をする以上は誰でも「課金ゲーム」に参加せざるを得ません。それが1つの塾に通い、通常授業とレギュラーの講習程度の出費なら、ノーマルな「課金ゲーム」ですが、度を超すと「狂気」を伴った歯止めのきかない「課金ゲーム」となります。

 その結末の多くは「大金をかけた割には…」という厳しい結果になることが残念ながら現実です。「お金で成績は買える」と言えますが、それは成績アップのためのパーツを手に入れられるのであって、組み立て運用していくのは子どもと親御さん次第です。コンビニ弁当のように、お金を払えばすぐ食べられてお腹いっぱいになる(すぐに勉強が分かって成績が上がる)ことはありません。「課金ゲーム」への参加前に、子どもの学習への姿勢、親御さんの考え方に自ら向き合って見つめてみる必要があると思います。

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