中学受験「デキる子」だって苦しい

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・ 「デキる子」も紆余曲折いろいろ
・危機感と恥ずかしさとイライラ
・認められたくて追われるように
・ 神経をすり減らす「デキる子」
・ 「楽しめる子」は入試に強い

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「デキる子」も紆余曲折いろいろ

 日本テレビ系ドラマ「二月の勝者―絶対合格の教室」の第3話の主役、桜花ゼミナールの最上位クラスΩ(オメガ)のトップ、前田花恋は負けず嫌いで、向上心溢れる女子でした。

 母親に「もうやめなさい」と注意されるまで勉強を続け、「1番になる!」という目標を持って女子御三家の一角、桜蔭を目指す姿勢は、ドラマとはいえ「ウチの子これくらいやってくれれば」と、うらやましく思わった親御さんもいたはずです。

 いわゆる「デキる子」は、傍から見れば「いいわねぇ。何も心配いらないじゃない」となりますが、デキる子はデキる子なりにプレッシャーを感じ、入試当日に至るまで紆余曲折いろいろあるのです。

危機感と恥ずかしさとイライラ

 各進学塾では成績順にクラス分けするだけでなく、席順までテストの結果で決まるところが多いです。「3列目にいったら開成は受からない」「上2つのクラスから落ちたら女子学院はムリ」など、クラス、席順をめぐっては“中学受験都市伝説”のようなものがあり、一部の生徒はこれらに敏感に反応し、振り回されます。

 「不合格」「都落ち(クラスダウン)」…。偏差値の高い子の中には、常にこの「危機感」「恥ずかしさ」と戦っているような子がいます。それを払しょくしたいがために、中には寝る間も惜しんで勉強している子もいるのです。勉強を「楽しんでいる」という雰囲気はそこにはなく、常にイライラ状態。精神の安定を保つために他人にキツいことを言ったり、マウントすることで発散してしまうことも少なくないようです。

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認められたくて追われるように…

 塾内での競争もありますが、親御さんを意識して追われるように勉強している「デキる子」もいます。テストで常に高得点と高い偏差値をマークしている子の親御さんはそれが「当たり前」と思いがち。子どもが血のにじむような努力をしていることをしばしば忘れてしまいます。

 「もし成績が悪かったら親ががっかりする」。「怒られる」ではなく、「がっかりする」がミソ。そう思い込んでいる「デキる子」は意外といます。実際はそんなことで子どもに失望する親御さんはいませんが、日ごろ何気なく成績のことでプレッシャーをかけられているのでしょう。成績の良い我が子が自慢で、親御さんが優しいのは「私の成績が良いから」で、悪くなったら存在価値がない、と真剣に思っている子どもがいます。

神経をすり減らす「デキる子」

 「うちの子はデキる」と信じている親御さんは、志望校の望みも高ければ併願校も同レベルの学校を並べ強気の傾向にあります。「そんなのムリ」くらい言える親子関係なら問題ありませんが、親の期待に添いたい一心の子は、内心不安で押しつぶされそうになりながら懸命に勉強しています。

 そこから派生して、過去問の解答をカンニングする(事前に赤本で答えを確認する)行為が毎年散見されるのも、プレッシャーに負けてしまった、つらい背景があります。そんなことをしても何もならないことくらい分かっています。それでも…なのです。親の期待って力にもなりますが…複雑です。

 小学校でも「デキる子」という認識がされており、「塾に行って猛勉強しているんだから落ちたら格好悪い」という無言のプレッシャーを周囲から感じています。「格好悪い」なんて思っていませんが、確かにその結果については、受験をするしないに関わらず、周囲は何気に合否に「注目」しており、塾内だけでなく、ここでもデキる子は神経をすり減らしています。

「楽しめる子」は本当に強い

 中学受験に限らず、入試で結果を出す子は実は「デキる子」ではなく、学習を「楽しめる子」です。偏差値の高低や取り組んでいるレベルは別にして「勉強が面白い!」というモードに入った子は、必ず伸びますし、受け身でない姿勢が注意力と粘りを生み、難しい問題も自分の中のさまざまな「引き出し」からいろいろな道具を持ってきて、しぶとく結果を出します。「ゲーム感覚」と言った方が分かりやすいかもしれません。いちいち一喜一憂せず、できなくても「そうかぁー、そうきたかぁ」と楽しめている子は、大丈夫です。

 「できていないところがある」「まだやらないと足りない」…。デキる子でも、入試直前になるとマイナス面ばかりが目立ち、親子で焦りを感じるものです。しかし、見方を変えれば「できることがこんなにある」「足りないところは1つ1つできるに変えていけば、入試までにまだできることが増える」と思えば、結構自分も「戦える」ことに気が付くはずです。残り3カ月足らずの期間は、できていることの確認と「もう少し」を詰めれば大丈夫。気持ちの余裕のなさが一番アブないです。(受験デザイナー・池ノ内潤)

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