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・ 6年だけで132万円の課金ゲーム
・課金すべき「タイミング」
子が親の課金への思いに気付く時
課金するだけで合格、と考える親
塾は課金に応じて「キャリー」してくれるのか

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6年だけで132万円の課金ゲーム

 「中学受験は課金ゲーム」。コミック「二月の勝者―絶対合格の教室―」ですっかり定着した中受の代名詞です。日本テレビ系で放映中のドラマでも盛んに出てくるフレーズですが、6年生の1年間だけで通塾に必要な額は「132万円」と紹介されていました。4、5年生の分を合わせるとその2倍、夏合宿などがない塾もあるのでざっと250万円くらいが「相場」とみられます。

 これで「ノーマルタイプ」です。金額の詳細を佐倉先生(井上真央)に説明した桂先生(瀧内公美)の言葉を借りれば「子供の将来への投資」と考えて、多くの親御さんがこれくらいの「課金」を普通にしているのが中学受験。「こんなにかかるとは思わなかった」という感想を2月になるとよく耳にしますが、日を追うごとに「値が張る」ようになるということを頭に入れておくことが大切です。

課金すべき「タイミング」

 ただ課金したからといって、確実なリターンが保証されないのが中学受験。第1志望の合格率は3割弱というのが現実です。第2、第3志望ならまだ救われますが、考えてもみなかった中学への進学や「全落ち」という悲劇の可能性さえあります。

 「課金ゲーム」で大金をドブに捨てないために「タイミングがある」とドラマの中で黒木先生は、スマホゲーム好きの父親に説明して畳みかけました。

 「課金して武器を持たせ、装具を整えるのも、タイミングを間違えると、お金をドブに捨てることになります。勇人(ゆうと)さんは今、自分の可能性に目覚め始めています。ここはどうか、お父さまとお母さまが稼いだ大切なお金を勇人さんのために使ってはどうでしょうか」と。このセリフ、中学受験での課金の仕方の極意を見事に言い当てたセリフです。

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子が親の課金への思いに気付く時

 桜花ゼミナールの最下位「Rクラス」の勇人くんは、黒木先生の算数模試「半分作戦」(模試の過去問の前半部分だけを同じ50分の時間をかけて解き、後半部分は全くやらない)で点数、偏差値がアップ。「自信と得点欲」が付き、勉強することに「目覚めた」状態になりました。黒木先生はこの機を逃さず、「ゴールデンウイーク特別講習」(5万3000円)の講習に申し込むことを提案。講習に参加してもらえば「私たちはそのお気持ちに応えられるように、勇人さんを精一杯“キャリー”(ゲーム用語。ここでは学力を付けるために支え、援助するという意味)させていただきます」と約束します。

 確かに本人が「やる気」になった時こそが「課金」をするべき時です。やる気になった時の子どもの学習モードは「授業から少しでも何かを得たい」という前のめりの、積極的な学習姿勢になっています。このモード、実はあまり長続きしません。テストなどで結果を出し続けないと、すぐにしぼんでしまいます(成績、高偏差値をキープする子はここでしぼまず、分析研究と負けん気で次にリベンジします。その差がデキる子とそうでない子の差です)。

 一方で、親御さんが自分のために課金してくれたという事実を6年生ともなれば感じてくれて、その「思い」に応えようともします。黒木先生が帰宅する勇人くんの背中を見ながら言った「子どもは大人が思っている以上に子どもで、思っている以上に大人です」という言葉は、子どもなりに決して安くない「課金」の意味が分かっているということも含んでいると思います。課金すべきタイミングの具体例を示したエピソードでした。

課金するだけで合格、と考える親

 子どもが「目覚めなていない」状態では、10万円課金しようが100万円投資しようが、それは大金を「ドブに捨てている」ことになります。子どもが「よし!」となっていない時に弱点補強講習とか個別授業とか、家庭教師に「課金」しても全くと言っていいほど効果がありません。

 ところが塾に預けていれば、お金をかけていれば、最後は塾が合格に導いてくれると考えている親御さんは、驚くほど多いです。だからこそ過剰な課金ゲームが成り立つわけですが、課金を有効にするには子どもの「勉強モード」をしっかり観察しなければなりません。

 親御さんの不安な心理に入り込み、「これだけやらないと合格に届きません」とか「直前の対策は合格に絶対必要です」などと、誘ってくる受験産業の業者は多数存在します。子どもが「目覚めて」いない限り、投資してもリターンは期待できないことはもうお分かりだと思います。

塾は課金に応じて「キャリー」してくれるのか

 塾が課金しただけ「キャリー」してくれるかどうかも、子どもの「やる気」と成績で決まります。先生も人間ですから、熱意のある、頑張っている子を「何とかしてあげたい」という気持ちになります。一生懸命自分が考えた末に質問を持ってきた子には分かるまで、できるまでコーチしてくれます。成績が上昇して「イケる」となれば、塾の「指定強化選手」になり、何かと目をかけてくれます。

 大金を課金するなら、条件がそろってからでないと本当に「搾取」されて中学受験は終わります。
課金の前に、子どもの観察が合格への第一歩になります。


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池ノ内 潤

 「その子基準」で、勉強法、成績アップ、スケジュール立案、受験校・併願校選びなど、受験のあらゆる相談に乗る「受験デザイナー」。  昭和四十年代の夏、神奈川県生まれ。教師を志し、偏差値40程度の県立高校から独自の勉強法を駆使し、同校で初めて早稲田大学に合格。  進学塾講師、家庭教師で中学~大学受験に関わる。就職後もスポーツや執筆活動を通じ、教育や受験に携わる。    子ども2人の中学受験をサポート。1人は大手進学塾最下位クラスから転塾を経て、首都圏1都3県の偏差値トップ私立全てに合格し、第1志望に進学。  もう1人は偏差値30台から「親塾」でベースを固め、6年から入塾。3校に合格して大学付属中学へ進学した。

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池ノ内 潤

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