「二月の勝者」に学ぶ中学受験

「二月の勝者」にみる「カッコいい」は最強のモチベ


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理由はどうあれ「目標」ある子は強い
「カッコいい」の威力、恐るべし
目標達成の流れは小さいことから
・逆転へ「強い気持ちの積み重ね」
・タフな子どもは日々成長する

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理由はどうあれ「目標」ある子は強い

 日本テレビ系ドラマ「二月の勝者―絶対合格の教室―」の第6話は、中学受験での最大のモチベーションアップは「明確な目標」、ということがテーマでした。目標となるキーワードはそれぞれですが、何のために僕は、私は受験勉強に取り組んでいるのかを語れる子は、理由はどうであれやはり「強い」です。

 小学校は不登校、地味で塾でも目立たないかった柴田まるみが、ドラマの中で多くの女子が憧れる名門「二葉女子学院」(フタジョ)を急に目指すことになりました。当初不登校に理解のある偏差値40の学校をお母さんが見つけてきて、そこへ行ければ御の字だった子が、偏差値65のかわいい制服を着ても着なくても自由な中学に行きたいと言い出しました。びっくりの展開です。

「カッコいい」の威力、恐るべし

 きっかけとなったキーワードは「カッコいい」でした。フタジョに通う、黒木先生の教え子・沙羅はまるみに語ります。「きょうは制服だけど、別に着なくてもいんだ。別に私服でもいいし、自由なの。制服だけじゃなくて、基本的に自由っていう雰囲気。みんな一人一人が違う人間なわけだし、それが当然っていう感じ。だから、みんな人のことに口出ししたりしないし、ていうか、人と違う方が面白いし、カッコいいじゃん」。

 沙羅の言葉にまるみに刺さりました。まるみは黒木先生に相談します。「人と違っていても、そういう方がカッコいい学校」=フタジョを私が目指せるかと…。不登校で友達もいなかったまるみが不気味な雰囲気が漂う黒木先生に相談すること自体、すごいことです。「カッコいい」の威力、恐るべしです。

 制服がかわいい、文化祭がサイコー、あの運動会に自分も出たい、人工芝のグラウンドで思い切り好きなサッカーをしたい…思い描いていることは人それぞれでも、それぞれの「憧れ」=「カッコいい」は志望校を目指す一番の動機になりますし、その気持ちがあるからこそ、12歳の子が小学校の休みの日に朝から晩まで、ほとんど休憩なく塾の教室で頑張れるのです。「カッコいい」は中学受験の最高のモチベーションなのです。

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目標達成の流れは小さいことから

 二葉女子学院、偏差値65。夏期講習時点で偏差値55のまるみさんにとっては、かなり高い目標です。塾に貼ってあった偏差値ランキング表を見てため息をつくまるみに、黒木先生はフタジョ合格に至る小さな目標の1つを黒木先生はナビゲートしてくれました。それが「Ωクラス選抜テスト」でした。

 まるみさんは見事クリア。フタジョにまた一歩近づいた瞬間です。この小さな目標を1つ1つクリアして、大きな目標=志望校合格の流れができます。「●●中学合格」という目標を持っていても、ゴールに至るまでに1つずつ立ちはだかる課題=小さな目標をクリアしていかないと、その流れには乗れないのです。

逆転は「強い気持ちの積み重ね」

 「志望校が決まらない」。受験直前になってもそういって相談に来る親御さん、受験生は想像以上に多いです。行きたい学校があってどれにしていいか分からない、というのではなく、「行きたいと思う学校がない」と真面目な顔をして訴えてきます。具体的な目標もなく受験勉強を続けてこられたなぁ、と思うのですが、直前期にこれはマズい状況です。ひどい場合は「先生、合格しそうなところを適当にみつくろってください」という親御さんさえいる始末です。

 中学受験は屋台でおでんの具財を探すのとは違います。精神論だけではどうにもなりませんが、まずは「この中学に入学したい」という強い気持ちがないと、持ち偏差値では勝っていても「絶対合格したい」と熱い気持ちで取り組んでいる子に入試では押し切られます。それほど「目標」というのは中学受験、12歳の子どもにとって力を発揮するものなのです。合格当落線上の子、模試で合格可能性30%、40%の子が「逆転」合格する背景には、1点でも2点でも多く得点するという「強い気持ちの積み重ね」があるのです。

タフな子どもは日々成長する

 夏合宿でΩクラスのレベルの高さにまるみはビビってしまい「夢なんて見るんじゃなかった」と泣きながら母親に訴えます。友達になったΩクラスの算数偏差値72、天才肌の直江樹里との違いにも劣等感を抱きます。それでも周囲と友達の存在が彼女をまた前向きにさせます。「子どもは大人が思っている以上にタフ」と黒木先生は言いました。親御さんは心配かもしれませんが、子どもは間違いや失敗を重ねながらも案外自力で進む道を見つけ成長していきます。大人はガイド役として、付かず離れずで伴走してあげればよいのです。

 中学受験は、漠然とやっているだけなら「苦行」以外の何物でもありません。一方で目標に向かって毎日何かを積み重ねることができれば、学力だけでなく人としても大きく成長します。「私はやれる」という経験は、人生の中で貴重な財産になります。この経験の有無は大人になって大きな差になります。中学受験の意味は御三家に入ることでも、大学にエスカレーターで行く権利を獲得するのではなく、「子どもの成長」にあります。(受験デザイナー・池ノ内潤)


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池ノ内 潤

 「その子基準」で、勉強法、成績アップ、スケジュール立案、受験校・併願校選びなど、受験のあらゆる相談に乗る「受験デザイナー」。  昭和四十年代の夏、神奈川県生まれ。教師を志し、偏差値40程度の県立高校から独自の勉強法を駆使し、同校で初めて早稲田大学に合格。  進学塾講師、家庭教師で中学~大学受験に関わる。就職後もスポーツや執筆活動を通じ、教育や受験に携わる。    子ども2人の中学受験をサポート。1人は大手進学塾最下位クラスから転塾を経て、首都圏1都3県の偏差値トップ私立全てに合格し、第1志望に進学。  もう1人は偏差値30台から「親塾」でベースを固め、6年から入塾。3校に合格して大学付属中学へ進学した。

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池ノ内 潤

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