「二月の勝者」にみる冬期講習は「本気の集金」

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大金投入の雰囲気になる冬
「冠講座」の延長に意味がある
・大金を活かす「冠なし」勉強
舵取り難しい中堅・一般志望の冬
・4,5年生の冬期講習は必須

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大金投入の雰囲気になる冬

 11月27日放映の日本テレビ系ドラマ「二月の勝者―絶対合格の教室―」では、9月以降の中学受験直前の塾のスケジュールが黒木先生によって“紹介”されました。「日曜特訓、志望校別特訓、お正月特訓…。塾の本気の集金はこれからです」。

 12月、1月はどこの進学塾も冬期講習、年末年始特訓を展開します。まさに「満タン」のスケジュールで、冬期講習終了後まもなく、西日本を中心とした「東京会場入試」、1月10日からは埼玉県の中学校の入試がスタート。まさに講習から入試本番になだれ込むというイメージです。「ラストスパート」を強調する塾のアナウンスに、親御さんの多くは半ば強制的に冬期講習、年末年始特訓に大金をつぎ込まざるを得ない雰囲気になっています。

「冠講座」の延長に意味がある

 塾によって金額設定は違いますが、冬期直前講習、年末年始特訓を合わせると必要な金額はざっと10万円超といったところです。多くの塾が志望校別特訓の延長というスタイルで授業が進められます。そういう意味では学校名が付いた「冠講座」がある中学を目指している生徒には、まさに追い込み、最後の詰め。合格圏内の子はダメ押しに、ボーダーラインの子には1点でも多く取れるためのアウトプットの鍛錬の場として、かなりの意味があります。

 過去問演習にせよ、類題演習や予想問題にしても「冠講座」のテキスト、とりわけ算数と国語は各塾とも一番力を入れて作成しています。御三家を筆頭に定評のある講師陣が引き続き配置され、合格圏の子は「確実に」、ボーダーの子は「押し込む」べく鍛えてくれます。「やることはやった」という状態にまでしてくれます。

 ただ、連日密度の濃い内容を授業で取り扱うために、復習が追い付かなくなりがちです。なので、デキる子は授業中、演習問題をやりながら「できること」の確認と「弱点」の再認識をその場でしてしまいます。先生にもその場で質問して、問題点をクリアにしてしまいます。家に帰ってからはもう一度ざっと振り返ったり、不安なところをもう一度やる程度。あとは体調管理のために睡眠を十分とるようにします。

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大金を活かす「冠なし」勉強法

 一方で具体的な学校名の付いた講座ではない「難関校対策」という名のクラスにまとめられている場合はどうでしょう。高いお金だけ取られて、あまり意味がなかった…、とならないためにも勉強の進め方に工夫が必要です。

 「難関」もレベル別(塾内テストの偏差値順)にクラス編成されており、1組や2組の上位クラスはテキストに沿ってやっていけば、志望校はそれぞれでも難関校で出題されやすい最大公約数的な問題に取り組むので一定の意味はあります。みんなが得点できるところで「取りこぼしをしない」=合格点に近づく、演習をするからです。

 あとは志望校別に傾向がある場合は、先生にテキストのどの問題を復習としてやるべきか(特に算数と理科)を逐一聞くと効果的です。テキストに載っているものの、授業で取り扱わなかった問題で先生が指示した問題があれば、家でやって記号問題以外は先生に添削してもらってください。正解しても「あてかん」(あてずっぽう、勘でやってたまたま正解したもの)もなぜ正解なのか確認をします。〇が付いたらおしまい、だと問い方を変えられれば正解に至らないからです。

舵取り難しい中堅・一般志望の冬

 「難関クラス」に在籍していても、受験校を選ぶ過程で照準が中堅校、一般校になった場合は、冬期講習、正月特訓とも受講の意味は正直「微妙」、舵取りが難しいです。授業ではどの中学校でも出題されやすい標準問題を取り扱いますが、テキストは「難関クラス」の上位2割くらいを想定した難易度になっています。中堅校、一般校の子に無駄とは言いませんが、基本問題に繰り返しあたり、個々で違う「間違いのパターン」を1つでも減らす取り組みの方が有効です。

 親御さんが見てあげられることができたり、信頼できる家庭教師の先生や個別指導があれば、そちらの方が合格に近づく可能性があり、冬期講習、年末年始特訓に申し込まないという選択肢も「あり」です。家庭教師や個別は集団塾より値が張るかもしれませんが、親御さんが伴走できても、直前期というナーバスになる時期で「親子喧嘩」も勃発しやすくなるので第三者に委託するのが良いでしょう。

 ただ、直前期になって新たに家庭教師なり、個別などに頼んでも「いい先生」にあたる確率は極めて低い、と言わざるを得ません。そうなると普段から通塾しているところに、となります。そうなった場合は、難関クラス上位の子と同じように先生に取り組むべき課題を指示してもらってください。子どもだけだと心もとないので、そこは親御さんの出番かと思います。

4,5年生の冬期講習は必須

 正月特訓はないものの、4,5年生の冬期講習は重要です。特別に何かをやるのではなく、通常授業の延長、つまりカリキュラムに組み込まれているため、これを欠席すると「単元の抜け」ができることになります。通常授業の欠席と同じになり、補講などはありません。

 コロナ禍も今は落ち着き、年末年始に旅行を計画している家庭もあると思いますが、できれば冬期講習期間は避けてもらいたところです。地道ですが1回の授業を毎回大切にし、その都度復習をしていく。この繰り返しが、6年の冬期講習、年末年始特訓を大金に見合ったものにする布石になるのです。(受験デザイナー・池ノ内潤)

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