「自爆」を招く新しい問題集

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良かれと思ってとった行動が
子どもが動揺する直前期のブレ
ハードルの低いものを「つぶす」
直前期に弱点補強が難しいワケ
もしかしたら親塾が一番 ?

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良かれと思ってとった行動が

 あれもやらなきゃ、これもやらなきゃと、子ども以上に親御さんが焦りを感じてしまう時期です。特に苦手科目、単元がどうしても目についてしまい“何とかしなければ”という気持ちになります。

 ありがちなのが救いを求めて、書店の学習参考書コーナーへ足を運び、問題集などに手が伸びて購入し「さあ、これをやって」と子供の前に差し出す、といった行為です。子どもを思う気持ちは痛いほど分かります。しかし、この良かれと思ってとった行動が入試直前の「自爆」になります。

子どもが動揺する直前期のブレ

 新しい問題集、新しい参考書を購入して直前期にやっても効果はほとんどないでしょう。なぜなら、問題集や参考書を使って一人でできるような子なら、とうの昔に苦手はある程度克服できているはずで、塾の授業や質問によって何とかしているはずです。

 それが長い間できずに、あるいはここに至るまで放っておいて、市販の本1冊を使ったところで数ページ、あるいは1ページもいかないところで挫折です。中学受験の問題集の解答は、塾のテキストゆ先生の説明より詳しいものはないと言っていいでしょう。その問題集、参考書が悪いというより、紙幅の関係で端折らざるを得ないからです。苦手な子、全く理解ができていない子に分かってもらおうとしたら、膨大なページ数になってしまいます。

 新しい問題集で寄り道をしている間に、入試直前の貴重な時間が失われるだけでなく、子ども自身も今までやってきたことは間違いだったのか、と動揺します。結局、大切な直前期に勉強の軸がブレたまま本番に突入することになり「準備不十分」で試験を受ければ、結果は芳しくないでしょう。

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ハードルの低いものを「つぶす」

 では苦手な科目や単元を入試までに「何とかする」としたら、どうしたら…ということになります。ここまでくると、「全く分からない」という単元は捨てるしかないです。その代わりにあとひと押しで得点が見込めるものに重点を移します。比較的ハードルの低い単元から「つぶしていく」しかありません。「できる」のレパートリーを1つでも多く増やすことに専念するのです。

 その時に使う材料こそ塾で使ってきたテキストです。ノートにしてもテキストにしてもきちんと保存(スキャンしてデータとしてでもよい)しておく意味は最後の最後で威力を発揮します。

 課題となる単元を振り返り、どこまで分かるかを確認していきます。苦手克服はできなくなったところからではなく、できるところからやってどこで分からなくなったのかをはっきりさせることが大切です。そこをもう一度復習し直すことで、気が付くことが多々あります。前はできなかったことも、夏以降に演習問題を数多く取り組んだことで「できること」も増えています。自力でクリアできればOK、十分理解できない場合は自力でできたところまでを持って、塾の先生に質問します。

直前期に弱点補強が難しいワケ

 こう書くのは簡単ですが、実際はこの直前期にもう少しで得点になるところを重点的に取り組み入試で得点できるように整えるのは、結構難しいです。先生と生徒の「距離の近い」塾なら、先生にお願いすれば、じっくり付き合ってくれたり、補習をやってくれる可能性は高いのですが、大手塾の大規模校舎ではなかなかそうはいきません。

 抱えている生徒数も違いますし、特に“デキる先生”は最難関校の対策や生徒のケアに追われます。来年度の生徒募集に威力を発揮する最難関校の合格に近い子は塾にとって「指定強化選手」です。同じ月謝を払っていて不公平に感じるのはごもっともですが、それが進学塾の実態です。塾は「指定強化選手」になれば十分な恩恵を受けられますが、それ以外は「お客さん」というのが終盤になればなるほど、色濃く分かれます。

もしかしたら親塾が一番 ?

 個別塾、家庭教師、腹をくくって「親塾」という選択もありますが、前者2つは運よくいい先生に当たるかどうかが未知数。もしかしたら親塾が一番「確率」が良いかもしれません。感情的にならずに冷静、客観的に教えられるかという問題がありますが、そこは大人ですから「演じて」ほしいと思います。

 直前期の「手詰まり」は親御さん、子どもとも焦ってしまいます。6年生の夏以降の伸びがあったとしても、4、5年生で土台を築いていないと直前期の「困った」が頻発します。4、5年生の親御さんは、受験の勝負は直前期ではないことを頭の隅っこに入れておいてほしいと思います。(受験デザイナー・池ノ内潤)

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