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狙い目?志願者減の可能性がある12校


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志願者減は狙い目!?
難関男子校で減少の可能性大
算数1科は好調でも…
隔年現象にハマった鷗友
・法政は倍率が…学習院の魅力は…

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志願者減は狙い目!?

 22年度の中学入試は受験生が増えると見られますが、一方で志願者が減る流れで推移している学校も散見されます。

 進学実績は悪くはないのに、難易度が高止まりして敬遠されているケースもあります。各中学校とも受験生、親御さんへのあの手この手のアピールを展開する中で、いい学校なのに埋もれてしまっていることもあります。しかし、受験生から見れば「狙い目」と言えるかもしれないのが志願者減の中学校です。

難関男子校で減少の可能性大

 男子難関校の1つ、駒場東邦(世田谷区)は21年度入試で前年度比7%増の645人の志願者があり、結果は倍率2.2倍の入試でした。

 最近、学校ホームページを頻繁に更新するなど「アピール」をしてきましたが、合格可能性80%偏差値が66(四谷大塚合不合判定テスト4月実施の偏差値、以下同)と高く、「現実路線」の受験生が撤退せざるを得なくなっているようです。模試の動向からみて、22年度は10%以上の減少の可能性もあります。

 こちらも難関の海城(新宿区)も22年度は減少傾向です。21年度は1回目(80%、64)2%増、2回目(66)は1人増と横ばいでしたが、今回は1,2回目とも減少傾向です。2回目入試は3日に行われ、御三家や神奈川の栄光、聖光の併願校として選ばれてきましたが、御三家組が早稲田2回目(67)、神奈川組が浅野(64)を選ぶケースが増えているというのが一因としてあります。

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 21年度は前年とほぼ変わらずの400人強の志願者を集めた桐朋(国立市)は1日の1回目(55)で減る可能性が高いとみられます。同日、同レベルの偏差値帯でみると、1日は中央大附属(小金井市、男子56)や明大中野八王子(八王子、男子52)など近くに人気の大学附属、系属校があります。そちらに若干受験生が流れているのは否めないようです。

算数1科は好調でも…

 算数選抜入試で優秀な受験生が集まりレベル、人気とも「復活」の兆しを見せていた巣鴨(豊島区)。21年度は全体で15%減の志願者数となりましたが、22年度も減少傾向が続きそうな気配です。勉強、生活指導などが「厳しい」というイメージが親御さんには受け入れられても、当の子どもが…という点がネック。ただも1日午後の算数選抜(63)は志願者増の流れになっています。

 世田谷学園は21年度1日の1次(57)で前年度比35%減、4日の3次(58)で同38%減と大幅に志願者を減らし、22年度は隔年現象で増えるかと思われましたが、今のところはさらに減少傾向が続いている模様です。ただ、巣鴨同様、1日午後の算数選抜(63)は志望者が増える見込みです。

 算数1科入試のある学校は隔年現象がありながらも、それ自体は好調のようで、それは女子校にも当てはまる場合が多いです。品川女子学院も22年度は算数入試(57)が増えそうな気配。ただ、3回ある一般入試(51)は微減の流れで、今後どうなるか注目です。

隔年現象にハマった鷗友

 女子校では人気校の一角、鷗友学園女子(世田谷区)の志願者数が気になります。各模試の志望校判定で鴎友の名前を書く生徒がかなりの減少しているようです。21年度入試は1日の1回目(61)は前年より108人志願者が増え、21%増で倍率が2.0倍から2.4倍に。3日の2回目(65)も101人増増え。17%増で3.5倍から4.9倍になりました。完全に隔年現象の敬遠パターンにハマっているようです。

 対照的に伝統校の共立女子(千代田区)は昨年4度の入試機会全てで前年度割れながら、隔年現象の恩恵を受けずにさらに志願者が減りそうな様相です。1日の1回目(52)は横ばいかやや増に転じる可能性も十分ですが、2日の2回目(53)は他校へ流れる傾向になっています。

 中堅校の江戸川女子(江戸川区)も初日の1日の1回目(44)、AO入試(48)などで減少気配が漂っています。昨年は全ての入試機会で10%から最大32%減となりましたが、その流れは続いているようです。21年度は英語特化入試をスタートさせるなど、学校は日々進化を遂げているのですが、まだ広く浸透していない可能性があります。

法政は倍率が…学習院の魅力は…

 進学校に比べて最近は人気の高い大学附属系属校ですが、一概にそうとも言えません。法政大中は21年度3回の入試機会で男女ともすべて前年より志願者が多かったのですが、22年度は男女とも減少の流れです。

 特に3日の2回目、5日の3回目(ともに男子57、女子59)が減る可能性が高いです。21年度の法政は1回目の入試で4.1倍と競争倍率が高く、2回目5.7倍、3回目9.8倍でした。ハードルの高さから敬遠する受験生がいても不思議ではありません。

 学習院は男子の中等科、女子の女子中等科とも21年度は1回目が横ばい、2回目が6,7%減でしたが、22年度も減少傾向です。伝統と格式のある学校ですが、インパクトに欠けるところが若干あり、特色あるカリキュラムを打ち出している他校に流れて、学習院の良さが十分伝わっていないのかもしれません。(受験デザイナー・池ノ内潤)


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池ノ内 潤

 「その子基準」で、勉強法、成績アップ、スケジュール立案、受験校・併願校選びなど、受験のあらゆる相談に乗る「受験デザイナー」。  昭和四十年代の夏、神奈川県生まれ。教師を志し、偏差値40程度の県立高校から独自の勉強法を駆使し、同校で初めて早稲田大学に合格。  進学塾講師、家庭教師で中学~大学受験に関わる。就職後もスポーツや執筆活動を通じ、教育や受験に携わる。    子ども2人の中学受験をサポート。1人は大手進学塾最下位クラスから転塾を経て、首都圏1都3県の偏差値トップ私立全てに合格し、第1志望に進学。  もう1人は偏差値30台から「親塾」でベースを固め、6年から入塾。3校に合格して大学付属中学へ進学した。

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