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2月の合否を決める「前受け」の活かし方


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オミクロンを逆手に前受け分析
解き直しで解答客観視の大切さ
解くと見える「正解への道筋」
前受けで分かる午後受験の難しさ
・最後まで「もがく」子はイケる

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オミクロンを逆手に前受け分析

2月入試を前に「オミクロン株」によるコロナの感染再拡大が深刻な状況です。これまでと違って、子どもにも感染が広がっていることを考えると、中学受験をする生徒は「小学校は休む」の一択かと思います。

 親御さんや家族が家にいるところばかりではないので、さまざまな弊害や親御さん自身が感染リスクと背中合わせになりながらの勤務など、個々の家庭の事情は違うので「こうすれば」と断言できるものが何一つありません。

 ただ、小学校を休んだ分、日中家庭で受験生にしてほしいのは「前受け」の反省と2月入試に活かすための分析です。「前受け」を単なる試験慣れだけに終わらせないで、2月の第1志望受験の際の得点アップにつなげます。オミクロンを逆手にとって「できた時間」を有効活用します。

解き直しで解答客観視の大切さ

 「前受け」は受験生にとって模試だけでは体験できない、さまざまな教訓を得ることができます。合格にせよ、不合格にせよ、本当に貴重な経験です。「簡単な問題のミスが命取りになること」「難しい問題を捨てても得点できる問題を確実にとれば合格する」など、100回口で言うより、1回の入試体験で得るものは多いのです。

 1月受験校の問題用紙が持ち帰り可能だった場合、あるいは四谷大塚の「過去問データベース」にすでにアップされている場合など、受験した学校の問題をもう一度解き直してみてください。試験会場では緊張や焦りから思うように解けなかったもの、あるいは計算間違いや勘違いが見つかるかもしれません。

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 「合格したけど、どうしてこの点数なのか」 「開示された点数が手応えより低かった」「どうして不合格なの」…解き直しで納得する部分がかなり出てくると思います。これが大切です。自分の解答を「客観的に見る」機会になるからです。特にミスに気がついた場合、模試や塾内テストの時と「重み」が違い、印象に残ります。

解くと見える「正解への道筋」

 ただ、できなかった問題に固執しないことも大切です。特に算数では自分で少し考えても全く手がかりすらつかめないようなら「捨て」です。

 それより「できるはずなのに落とした」「冷静に考えたら分かった」問題をきちんと解き切ります。解法を確認するだけではなく、きっちりノートや入試問題の余白と同じ無地の白い紙に自ら手を動かして解答を「再現」します。この最後までやり切ることが、ひと山越えることにつながり、次の入試で得点になります。

 類題が出て、それができるという意味ではなく、実際の入試問題を使って自力でやり切るという体験を積み重ねることで問題へのアプローチの仕方が違ってきます。「正解への道筋」が分かってくるのです。「前受け」の問題、是非再トライしてみてください。

前受けで分かる午後受験の難しさ

 「前受け」を活かすのは受験生だけではありません。親御さんもさまざまな面で「修正」が必要になってくるかもしれません。その1つが「午後受験」です。

 最近では全受験生の半数以上が午前午後の「ダブルヘッダー」を組みますが、前受けで体験してみて多くの教訓を得ます。

 「たとえ2科目でも子どもの体力と気力の消耗は激しい。翌日も午前から試験があると思うと、2月の午後入試は再検討した方がいいと思った」「午前校から午後校への移動、昼食…。頭の中でのシミュレーションだけでは不十分。必ず自分で前もって動いて確認しておくこと。時間は思っていた以上にかかる。一人ではキツい。助っ人がいるとかなり違う」。

 経験者の声は貴重です。これまで「紙の上」で受験戦略を立ててきましたが、リアルに動くとなると「思っていた以上に」ということがいたるところで起きます。1月に前受けをしなかったとしても、このような「声」は参考にしてほしいと思います。

最後まで「もがく」子はイケる

 合格であれ不合格であれ「前受け」を経験して、遅まきながら「エンジンがかかる」子もいます(特に男子)。残り10日程度で何ができるのか…、と今さらと思う親御さんもいるかと思いますが、効き目は結構あります。

 子どもが自走しだしたら、黙って走らせてあげてください。口出しは最小限に。子どものやり方を尊重します。

 「中学受験は最後の最後、試験中でさえ力が伸びる」といいます。半分本当で、半分はリップサービスです。「本当」にする子は総じて最後まで「もがく」子です。「焦って詰め込む」子はあまり見込みがありませんが、曖昧なところをクリアにし、できるはずのところをきっちり確認する、時間の許す限り「もがく」子は大丈夫、イケます。(受験デザイナー・池ノ内潤)


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池ノ内 潤

 「その子基準」で、勉強法、成績アップ、スケジュール立案、受験校・併願校選びなど、受験のあらゆる相談に乗る「受験デザイナー」。  昭和四十年代の夏、神奈川県生まれ。教師を志し、偏差値40程度の県立高校から独自の勉強法を駆使し、同校で初めて早稲田大学に合格。  進学塾講師、家庭教師で中学~大学受験に関わる。就職後もスポーツや執筆活動を通じ、教育や受験に携わる。    子ども2人の中学受験をサポート。1人は大手進学塾最下位クラスから転塾を経て、首都圏1都3県の偏差値トップ私立全てに合格し、第1志望に進学。  もう1人は偏差値30台から「親塾」でベースを固め、6年から入塾。3校に合格して大学付属中学へ進学した。

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