公立より中学受験の方が「得策」の場合

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中学受験の動機に「地元」の問題
公立中学「学力」の差
実技教科が悩みの種の「内申書」
勉強する子の「肩身が狭い」
・安易は禁物も学習意欲があるなら

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中学受験の動機に「地元」の問題

 中学受験はそれぞれの家庭の、それぞれの動機で始まります。動機も何も、小学校から私立だったり、中学受験するのが当然という家庭環境のところもあります。

 しかし、多くは地元の公立中学校と天びんにかけたうえで中学受験に舵を切る、というケースが多いのではないでしょうか。学校の雰囲気、学力差、内申書、子ども同士の関係…子どもが対峙しなければならない問題は結構あります。決して甘くない中学受験ですが、子どもによっては公立へ進むより、受験に踏み切った方が「得策」と言えることもあります。

公立中学「学力」の差

 公立中学の「学力差」は学校によって違いますが、中学受験をする家庭が多い地域では「学ぶことが好きで、勉強ができる層」が国私立中学、都立中高一貫校に進み、地元公立は「スカスカ」の状態になりがちです。

 公立中学ではレベルを落として授業を進めていかなければならず、その中でも優秀なレベルの生徒は授業中「退屈」です。学校によっては「できない子の面倒を先生代わりになって見させられる」というのもあって、勉強をしたい子にとっては「何のために中学に行っているのか」ということになりますすることで。

 デキる子は仕方なく塾通いをして「刺激」を受けます。公立のトップ校や私立の難関校を目指して勉強をしますが、長い時間を過ごす中学校の授業は相変わらず。授業に参加せず「内職」でもしていたいところですが、先生に見つかると「内申書」というやっかいなものに影響する可能性があり、なかなか踏み切れません。

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 こういう「流れ」に陥る可能性があることを考えると、実力相応の学校に入学できれば、中学受験で進学先を見つけた方が「勉強環境」としては整っていると言えます。

実技教科が悩みの種の「内申書」

 「98点でも5段階で4しかつかない」「コンスタントに90点を取っている子といつもは悪い点数なのに、1回だけ80点取った子が“頑張った”と評価され、同じ4だった」など、内申書の不公平話はよく耳にします。実際は「気にするほど理不尽な付け方はされない」ようですが、高校進学のために3年間気にし続けなければならないのは、メンタル面でかなりの負担です。

 主要5教科は勉強すれば少々内申点が悪くても入試でカバーできますが、実技4教科で不利になる子も多く、そこを気にして中学受験をする家庭も一定層存在します。体育が苦手、音楽の楽器ができない、絵を描くのが下手…実技教科は5教科より内申書内での「配点」が高く、これが悪いと内申点が極端に下がり、勉強はできるのにランクを落として進学しなければならないという場合も出てきます。公立では体育が苦手なだけでいじめやからかいの対象になったりもします。

 私立中高一貫校で実技教科が苦手な子はたくさんいます。体育がちょっと…という子でもきちんと授業に出席していれば、成績は10段階で10や9が付きます。絵が苦手でも自分で描いて提出すれば評価されます。絵の出来そのものは「個性」と判断されるからです。実技教科で深刻に悩まなくて良い点は苦手な子にとっては気持ちとしては楽なはずです。

勉強する子の「肩身が狭い」

 学力があまり高くなく、勉強に無関心な子が集まっているような公立中学だと、まじめに勉強に取り組んでいること自体をからかわれ、周囲に同じタイプの子が少ないことから孤独感にさいなまれることもあります。

 授業をきちんと聞いている姿勢を「先生に気に入られようとしている」と悪意をもってみられ、塾通いに熱心だったり、学校で成績が良いと「ガリ勉」と呼ばれる…。勉強をしたい子が「肩身の狭い」思いをしなければならない公立中学も存在します。性格的に明るい子や気にしない子なら周りと折り合いを付けながら「合わせていくこと」ができたり、マイペースで進むことができますが、決してそんな子ばかりではないでしょう。

 中高一貫校は部活動や行事、友達との交流によって学校生活が充実したものになるとともに、「勉強をしっかりすること」が一番に求められます。勉強を一生懸命すること自体、褒められることはあってもあざけりやからかいの対象にはなりません。

安易は禁物も学習意欲があるなら

 お金もかかれば、時間もかかる。それなりのレベルの学校へ行きたいのなら、親御さんも伴走する覚悟が必要、というのが昨今の中学受験の図式です。受験者の総数は年々増加の一途ですが、実は簡単に参加してしまうと、とんでもない苦しみを親子で味わいます。「みんなやっているから」とか、「何か良さそう」と安易に参戦してはならない世界です。

 しかし、子どもが勉強したい、という強い気持ちを持っているのなら、親御さんは金銭的にも精神的にも多少きつくても私立に進むことを選択肢として排除しないでほしいと思います。

 全てではありませんが、学習カリキュラム、行事、課外体験、施設、勉強環境、それなりのお金をとっているだけあって私立中高一貫校は充実しています。公立では埋もれてしまうような子でも「輝ける舞台」はとても多いと言えます。環境によって子ども「これから」は大きく変わります。(受験デザイナー・池ノ内潤)

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