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法政系中学 志願者減の3つの理由


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若干合格しやすかった22年の法政
それでも突破すべき壁は厚い
ふた開けると…法政二まさかの減
高倍率回避、安全志向の流れ
・今から「法政一択」?

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若干合格しやすかった22年の法政

 法政大学の2つの附属中学、東京の法政大学中と神奈川の法政第二中の22年度入試は、ともに出願者が減りました。実質倍率で見ると、若干ですが合格しやすくなったとも言えますが、もともとの競争倍率が高く、この傾向は23年度以降も続くと思われます。

 「MARCH」(マーチ)と呼ばれる人気私大の一角を占める法政ですが、中学受験では受験校として真っ先に挙がる学校、ではなく、「熱望」組はそれほど多くはない傾向が続いています。

それでも突破すべき壁は厚い

 法政大中は3回の入試機会で男女計1442人が出願。前年度比で12%減(205人減)でした。21年度の法政中は出願者12%増でしたので、ちょうど2年前の水準に戻った形で典型的な「隔年現象」となりました。

 詳しい入試結果がまだ公表されていませんが、明大明治と同じように偏差値的に見て合格が厳しい状況のチャレンジ層が下りたケースが目立ちます。入学したい意志はあっても、6年秋以降に成績がついて行かなければ「現実」を見なければならなくなります。

 それでも実質の競争倍率は1日の1回目が4.1倍で21年度同じでした。2、3回目こそ前年の5.7倍、9.8倍から5.2倍、7.0倍と「緩和」しましたが、高倍率には変わりありません。法政は補欠候補者を発表していますが、繰り上がるケースは少なく、高い競争率とともに12歳の子の受験としては壁は厚いと言わざるを得ません。

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ふた開けると…法政二まさかの減

 法政大中に比べ、秋段階の模試での志望者動向から出願者増が見込まれた法政二ですが、ふたを開けてみると2回の入試機会で男女合わせて前年比で4%減(77人減)で2年続ての減少。特に女子の減り幅が大きく、同比9%減となりました。

 法政大中と同じく、4日実施の2回目入試の男子以外は競争倍率が下がりましたが、それでも女子は1回目が4.2倍、2回目も5.2倍となかなかの高倍率。4日以降の入試はどこも厳しいのですが、法政二中も例外ではなく、進学り意志が強いのなら「早期決着」がベストのシナリオです。

高倍率回避、安全志向の流れ

 法政系の中学校が2校とも志願者を減らした背景として3つの理由が考えられます1つは「高倍率」です。大学附属で入学すれば「5段階の絶対評価でオール3」あれば法大への推薦がもらえるのは「おいしい」話ですが、1回目の入試から4倍前後の競争率は「高すぎ」と言えます。2回目以降も全く楽ではなく、数字を見て「ひるむ」のは仕方がないところです。

 2つ目は高倍率に関連して、チャレンジ層が軒並み方向転換した、というのがあるでしょう。コロナ禍もあってできるだけ近隣で。無理せず合格できる「安全志向」の入試が最近のトレンドです。朝早く起きてまで…満員電車を乗り換えてまで…と親御さんが思うと、「偏差値的にも距離があるし…」となって、気持ちも冷めていきます。

 中学受験で子どもに負荷をかけるのに疑問を感じている親御さんも一定数います。今後もチャレンジ組は少なくなる傾向で、「身の丈」受験が一つの流れになるでしょう。

今から「法政一択」?

 3つ目は他の中高一貫校の「進学実績の良さ」が大きく影響していると思われます。法政大中、法政二の合格可能性80%偏差値は四谷大塚の合不合判定テストで偏差値50台後半ですが、22年度の法大の合格者が多い首都圏の中高一貫校の中学受験時の偏差値をみると、大宮開成(埼玉)の1回目で男子が53、女子が55、山手学院(神奈川)が男子51、女子53など、法政の附属中学よりも低くなっています。

 大宮開成にしても山手学院にしても国公立や早慶などにも合格者を輩出しています。今後の「可能性」が見込める中で、12歳の時点で「法政一択」とならなくても、と思う親御さんがいてもおかしくはありません

 法政の附属から他大学受験は学校のアシストは期待できず、自力で頑張らなくてはなりません。「法政熱望」なら迷わず目指す、「法政も」ぐらいなら他の中高一貫もよく調べてからの受験が戦略として賢いかもしれません。(受験デザイナー・池ノ内潤)


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池ノ内 潤

 「その子基準」で、勉強法、成績アップ、スケジュール立案、受験校・併願校選びなど、受験のあらゆる相談に乗る「受験デザイナー」。  昭和四十年代の夏、神奈川県生まれ。教師を志し、偏差値40程度の県立高校から独自の勉強法を駆使し、同校で初めて早稲田大学に合格。  進学塾講師、家庭教師で中学~大学受験に関わる。就職後もスポーツや執筆活動を通じ、教育や受験に携わる。    子ども2人の中学受験をサポート。1人は大手進学塾最下位クラスから転塾を経て、首都圏1都3県の偏差値トップ私立全てに合格し、第1志望に進学。  もう1人は偏差値30台から「親塾」でベースを固め、6年から入塾。3校に合格して大学付属中学へ進学した。

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