親御さんの役割

中学受験 成績を伸ばす親御さんのアシスト法

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成績が伸びる4つの特徴
表向きは撤退、水面下でマメに
家庭教師に「代役」を頼めるが…
右往左往するくらいなら突き放せ
・クラスの上下、転塾はチャンス

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成績が伸びる4つの特徴

 中学受験で成績が伸びる子の特徴は4つあります。①「ワクワク」感をもって新しい単元に取り組める②最初はできなくても、粘り強く「なぜ」を追求して自力で「できる」までもっていく③人の話を素直に聞ける④良好な親子関係塾との緊密な連携 、の4点です。

 中でも4番目は意外と受験の「肝」になります。親御さんとの二人三脚を避ける子どもの勉強傾向は、この4つと真逆のケースがほとんど。中には親御さんのアシストなしでも自走できる子もいますが、それは少数派。成績、偏差値の伸びは、地頭の良し悪しというより、学習への向き合い方、性格、「大人」とのかかわり方によるところが大きいと言えます。

表向きは撤退、水面下でマメに

 親御さんに反抗したり、聞く耳を持たない子どもを説得しようとしても、よほど子ども自身が追い込まれない限りは難しいでしょう。それならばいっそのこと、「表面上」は一切子どもの勉強サポートから手を引行くという手段に出ます。代わって塾の先生にお任せします。

 「表面上」としたのは、子どもの勉強そのものは見ないけれども、子どもの現状は親御さんも「常に把握しておく」ということです。小テスト、ノート、テキスト…どのような答案の内容で、ノートはどうとっているのか、テキストの問題はどの程度できていて、宿題はやってあるのか、など状況は知っておかなければなりません。

 そのうえで塾の先生と連携を図ります。親御さんと先生で情報を共有し、どう子どもを導いていくか協議します。この先生との「水面下」のコミュニケーションが「みそ」で、親御さんがマメに働きかけるからこそ、先生は目を配ってくれるのです。基本的に親御さんからのアクションがないと、塾側から子どもにアプローチすることはありません。いくら成績が悪くても、現状に困っていないとみなされてしまうのです。先生との緊密な連携が難しいのなら、個人経営の面倒見の良い塾に移るのも選択肢としてはあります。

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家庭教師に「代役」を頼めるが…

 塾の先生に注意深く見てもらうことで「気が付いた時にはもう手遅れ」、ということは回避できそうです。しかし、成績、偏差値が飛躍的にアップするかどうかといえば「親御さんのサポートの仕方と本人次第」になります。

 先生が教えてくれたことをその場で「わかった」となっても、復習を重ねて「自力でできる」までもっていかないと、成績は伸びません。「自力でできる」レベルまで復習しているかどうか、子どもの「現状把握」に務めるのが親御さんの役目となります。

 本来親御さんがアシストする家庭学習の範囲を家庭教師にお願いするという手もあります。費用がかさみ、誰もが簡単にお願いできるというわけではありません。塾以上に「あたり・はずれ」のある世界でもあります。一方で、あたれば爆発的な成績アップが期待できます。プロを自任する場合でも、学生でも「あたり」の確率は2割程度。多分に「運」次第というリスクは伴います。

右往左往するくらいなら突き放せ

 塾の先生や家庭教師が親御さんの「代役」として機能すれば、何とか穴はふさがります。しかし、この両者のことも受け入れず「独自路線」の子もいます。自分で何でもバリバリやってしまい、成績も優秀というわけではなく、かたくなに自己流を貫き、無駄が多く、偏差値も伸びないタイプです。

 その心のうちは「単に人に指図されるのが嫌」「分からないことを認めるのが格好悪い」「どうして中学受験をするのか、納得していない」などさまざま。子どもが100人いれば1理由は00通りかもしれません。親御さんは何とか軌道修正をしようとしますが、大抵うまくいきません。対処法が分からず、右往左往するよりいっそのこと突き放してしまうのもありかもしれません。「勉強のことは一切何も言わないから、自分で何とかしなさい」と。

 親御さんに「知らない」と言われ、自力で中学受験を勝ち抜く道を模索し始める子もいれば、解放されたとばかり、輪をかけて勉強しない子もいるでしょう。それも含めて、その子の「中学受験」です。

クラスの上下、転塾はチャンス

  自分で気が付いて、というよりは「周囲から何かを感じて」というときに、いわゆる「やる気」が起こってくることが多いです。通塾している場合だと「クラスのアップダウン」、あるいは「風景」をガラリと変える「転塾」(5年生までなら)は、学習姿勢の流路変更のチャンスになります。

 塾で同じ(中下位)クラスやメンバーがほとんど変わらない中にいると、子どもは「僕(私)だけじゃない」と危機感を持ちません。逆に落ちれば「こんな奴らと同じにするな」と燃えてきますし、実力を付けて上がったときは、気持ちが前を向いているので、さらに前向きに頑張ります。転塾も誰も知っている子がいない「アウェー」な塾に入れます。それを嫌がるなら、残念ながら「やる気」は最後まで出ない可能性の方が高いです。

 親御さんが直接でも関節でもタッチしない受験は、最後までハラハラですが、親の伴走を早くから避け、自ら次の一歩を踏み出すタイプは「勉強の自立」も早いです。受験直前には見違えるような落ち着きと自分のメソッドを確立して、いい結果を出します。自分で試行錯誤した勉強を積んだ子は、中学入学後、高校進学、大学受験とハードルが上がるたび威力を発揮します。(受験デザイナー・池ノ内潤)


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池ノ内 潤

 「その子基準」で、勉強法、成績アップ、スケジュール立案、受験校・併願校選びなど、受験のあらゆる相談に乗る「受験デザイナー」。  昭和四十年代の夏、神奈川県生まれ。教師を志し、偏差値40程度の県立高校から独自の勉強法を駆使し、同校で初めて早稲田大学に合格。  進学塾講師、家庭教師で中学~大学受験に関わる。就職後もスポーツや執筆活動を通じ、教育や受験に携わる。    子ども2人の中学受験をサポート。1人は大手進学塾最下位クラスから転塾を経て、首都圏1都3県の偏差値トップ私立全てに合格し、第1志望に進学。  もう1人は偏差値30台から「親塾」でベースを固め、6年から入塾。3校に合格して大学付属中学へ進学した。

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