受験でもスポーツを続けた方が良い理由

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◆中学受験の窓口 今日のメニュー
・「やりきった感」がないなら継続
・時間がないからこその集中力
・「時間がなかった」はご法度
・スポーツ組に「逆転合格」多い理由
・鍵は言い訳禁止のルーティーン
「やりきった感」がないなら継続
「受験勉強一筋」という子は少数派です。多くの子がそろばん、ピアノなどの習い事、スイミングスクールに通ったり、サッカー、野球などチームに所属してスポーツをやっています。 そして、夏休み前にチームを「引退」して受験勉強に専念するといいます。夏期講習、志望校対策の日曜特訓、模試などの過密スケジュールを考えると「秋季大会に出場するのは無理」という判断を親御さんがするのは納得できます。
しかし、子ども本人がまだ「やりきった感」がなく、続ける意志が強いのなら「完走」の道を選ぶ方が、かえって受験勉強にはプラスに働くことが多いです。

時間がないからこその集中力
中学受験をしながら、スポーツを続けた方が良い理由は3つあります。1つは「スポーツをやめたからといって、その分勉強に集中するとは限らない」からです。練習、試合に取られていた土日祝日の時間が丸々受験勉強に使え、体力の消耗も避けられると考えがちですが、「時間がある」という気持ちから逆に集中力は緩みがちです。
塾に行っただけでおしまい、復習に取り組んだとしても時間があると思い集中力に欠ける傾向にあります。スポーツをやっていると物理的な時間は当然少なくなりますが、「時間がない」という思いから子どもの集中力は発揮されます。
例えば、土曜特訓。午後に行われている場合、スポーツの練習などで途中参加となった生徒は「塾でやったことだけでもマスターしよう」と授業、演習に集中します。とりあえず塾に行って、という緊張感のない勉強ではなく、その姿勢は前向きです。
「時間がなかった」はご法度
チームに所属し、特にレギュラーで試合に出ている子はやめると「逆効果」になることもあります。「もうやり切った」というのなら引退もありですが、春の大会で納得いく結果が出せなかった、負けたので秋こそ、とまだ続けたい理由があるなら、継続した方が良いでしょう。
確かに勉強時間、量は少なくなるでしょう。しかし「未練を残す」のは怖いものです。「本当は…」という気持ちを秘めたまま、今やるべきことに突き進めるほど12歳の子がうまく切り替えられるはずがありません。夏休み、秋の日曜特訓、勉強中にふと思い出すのは試合や練習のことばかり。ついぼんやり、ではスポーツをしていた方が精神衛生上何倍も健全です。
その代わり、塾の先生も交えて「必ずやるべき勉強メニュー」をあらかじめ決めておくというのが鉄則。「時間がなかった」という言い訳は、ご法度というルールを徹底します。好きなことを続けての受験ですから、それなりの「覚悟」は12歳の子ども必須です。

スポーツ組に「逆転合格」多い理由
3番目として、スポーツに熱中していた子は「気持ちの強さ」があり、これが受験で威力を発揮します。気持ちの強い子は、馬力があります。馬力、昭和風の言葉で言えば「根性」というやつです。 令和の時代に?と思うかもしれませんが、受験で最後の「ひと押し」に必要なのが、この「気持ち」です。根性だけではどうにもなりませんが、終盤になって諦めずに一段高いレベルに上がろうと「あがく」タフさの源は、スポーツで頑張った子に共通する「気持ちの強さ」です。
塾の先生、親御さんのサポートもありますが、疲れていても授業に、復習に集中できる子は「やるべきことはやる」という、気持ちの強さです。スポーツをやっていた子に「逆転合格」が多いのは、終盤戦での「馬力」がものを言っているからなのです。
鍵は言い訳禁止のルーティーン
ただ、12歳の子どもです。スポーツをやっていたからといって、みんな「覚悟が決まる」わけではありません。勉強を逃れるためにスポーツをやめたくない、チームに入っていることを勉強をやる時間がないという「逃げ道」にしている子はいます。やめさせたところで勉強をやるとは思えませんし、続ければ続けたで「疲れた、やる気が出ない」といってズルズル…。入試直前に慌てる、という図が浮かびます。
そうならないようにするには、4、5年生からの「勉強習慣」が大切です。何があっても最低限やるべきルーティーン(その代わり時間があるから、といって増量はしない)を決めて、「言い訳禁止」を親子の約束事にします。いきなり6年生になってできるものではないので、4,5年生から始めるのがベスト。一度にやる量はそれほど多くなくても、確実に積み上げているものがあることこそ、中学受験では最強の武器となるのです。(受験デザイナー・池ノ内潤)

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