中学受験「母親の狂気」について

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・外野から見れば「狂気」の母親
・「狂気」が認められた瞬間
・「狂気」=「丸投げ」はヤバい
・中受は「狂気」くらいで丁度いい
外野から見れば「狂気」の母親
中学受験を描いたコミック「二月の勝者」の中で、受験に必要なものは「父親の経済力」と「母親の狂気」という言葉がクローズアップされています。
中学受験で子どもに伴走するお母さんの中には、子どものために良かれと思って、評判の塾を探したり、合格に役立ったと聞けば参考書や問題集を買い揃えたりするケースが多々見られます。
勉強の腕に覚えがある親御さんは、成績アップ、合格のために「親塾」を展開。塾のテキスト管理や教材整理、コピーが必要な時も多く、家庭に高性能のプリンターを導入さえします。
具体的な方法や考え方はそれぞれでも、中学受験をする家庭の母親は、大なり小なり「狂気」、優しい解釈をすれば「懸命」なのです。
受験をしない家庭の親御さんから見れば「何もそこまでしなくても」となり、それが「狂気」にさえ映るのでしょう。
「狂気」が認められた瞬間
受験に関係のない外野の人々だけでなく、一番近い家族や夫から「狂気」=「懸命」が理解を得られないため、母親の気持ちは揺れますし、追い込まれます。
ママ友に相談するわけにもいかず、親に愚痴をこぼしたところで…です。そうやって孤独感にさいなまれ、心身のバランスを崩す母親は相当数います。
「私のやっていることは子どもを苦しめているのではないか」「子どもに好きなことを我慢をさせてまで勉強をさせるのは意味があるのか」と、自問自答しては苦しみます。
昨秋にテレビドラマ化された「二月の勝者」でも、「母親の狂気」がテーマになった回がありました。その際のカリスマ塾講師・黒木蔵人の対応は鮮やかでした。
「苦労されているのは(子どもとともに)お母様も一緒です。塾通いを始めた4年生からの2年間、本当に大変だったと思います」
母親の「狂気」=「懸命」にまず理解を示したことで、お母さんは鼻の頭を赤くしながら涙が止まりません。
そして決めのひと言「匠さん(受験生の息子)は決してできないお子さんではありません。できることがこんなにあるんです。匠さんが自分の持っている力で力強く成績を伸ばしていけるように私たちがお手伝いします」。
黒木の言葉の背景には、お母さんの「狂気」=「懸命」の方向は間違っていないという「励まし」とともに、そのお母さんの我々は「味方」です、という意味が込められています。
母親の「狂気」が認められた瞬間です。心のよりどころを得たお母さんは、百万の味方を得た気持ちになりまた歩き出せるのです。
実際には塾をやめようとする家庭を引き留めるための「巧みなレトリック」が半分以上含まれているのですが、苦しんでいる母親にとっては「刺さる」言葉です。
「塾の先生の言葉に救われた」という親御さんは少なくありません。迷ったり、苦しくなったら塾の先生を頼ってください。それも受講料のうちですから。
「狂気」=「丸投げ」はヤバい
迷いながらも、子どものためにと「狂気」になる母親は、まだ良いのですが、「強い思い込み」の「狂気」は危険です。
特に塾に対する「狂気」=「丸投げ」はヤバいです。「●●先生に教われば御三家合格」「●●塾じゃないと難関校は合格しない」などの「狂気」は、「塾に丸投げ」の思考停止状態を意味するもので、危険です。
塾を信頼することは大切ですが、塾にお任せというのではなく、親御さんが先生とまめに対話をしながら、子どもが一番伸びるよう、気持ちよく勉強できるよう、常にカスタマイズしていくのが、正しい「狂気」=「懸命」の使い方です。

中受は「狂気」くらいで丁度いい
一生懸命やっていることは、関心のない人から見れば滑稽な「狂気」にしか映りません。
しかし、中学受験だけでなく、高い壁を乗り越えようと決意したのなら「狂気」と思われるくらいの真剣さとひたむきさがなければ、物事は満足のいく結果になりません。
頭の中はできるだけクールに、けれど子どもには苦しい時こそ寄り添う気持ちと強い意志で。外からは少しくらい「狂気」と思われるくらいで「丁度いい」。それが中学受験です。

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