脱偏差値30~45「丁寧さ」を意識する

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・「雑」だと長時間やってもダメ
・ 解答への筋道が見通せると…
・偏差値の差は「分かった!」の後
・基本問題徹底が好成績につながる
・他教科に波及する基本徹底の効果
「雑」だと長時間やってもダメ
偏差値30~40前半の子は、中学受験の中で全体の4割弱を占めます。
学年を問わず、この夏に「何とか脱出を」と強く思っている親御さんは少なくないです。
「何とか」と思う以上は「何かを変える」ことも必要になってきますが、とりわけ「丁寧さ」心がけると変化がもたらされる可能性が高くなります。
偏差値が低迷している原因として、全体的に勉強の質が「雑」というのが挙げられます。
例えば算数。計算問題に取り組んだ場合、殴り書きのような式を書いて、どこでどう計算したかが分からなくなった、自分の書いた数字が読めない…そんなことが繰り返されていませんか。
国語の漢字にしても指定された数だけ書いて、トメもハネも字のバランスもバラバラ、ということになっていませんか。途中から「違う字」に変形していることさえあります。
「雑な勉強」は興味のなさの表れです。
「親が勉強しろって言うからとりあえずやっているだけで、興味ないんだよね」という感情の表れが式や字に出ます。
ここが変わらない限り、時間をかけても、量だけやっても成績アップはまずありません。
解答への筋道が見通せると…
正解するかどうか以前に、計算する場所をきちんと決めて、自分なりにできるだけ「丁寧に」式を書く、筆算する、という「訓練」を繰り返します。
国語の漢字ならトメハネを正確に書き、字のバランスを手本を見ながら、丁寧に字を完成させます。
実は丁寧にやるだけで勉強ができるようになるのではなく、「頭の中で雑然としていたものが整理される」という効果があります。
整理されれば「解答への筋道」が見通せます。この「筋道が見通せる」が勉強には大切で、問題を解いていても「勝負になる」=「得点につながる」となります。
まずは計算問題1題、漢字1字から「丁寧に」やってみてください。丁寧にやると、見た目が美しくなります。「美しいって悪くない」と思うはずです。次もやってみようという気持ちにつながります。
量は欲張らずに少しずつがポイント。もう少しやりたい、で止めると次の学習につながります。

偏差値の差は「分かった!」の後
「雑なものを丁寧に」が1つできたとします。大切なのはここからです。
「はい、よくできました。では次」と、意識して丁寧にやったことを徐々に忘れて、問題を次々解くことに関心を移してしまいがちです。
そうではなく「丁寧」を「続ける」ことが必要です。
成績が低迷している子も教えた時は「分かった!」と目を輝かせます。成績の良い子と変わりません。
違いはその後。成績不振の子は「分かった!」でおしまい。偏差値60以上の子は「分かった!」を忘れないように、いつでも自分の引き出しから取り出せるようになるまで=自力でアウトプットできるまで、徹底的に復習を「継続」します。
これが「成績の差」として偏差値に出ます。「頭の良し悪し」なんかではなく、勉強の「質」と「量」が大きく違のです。
「当たり前のレベル」の違いが、成績の差です。
基本問題徹底が好成績につながる
親御さんの一部には「応用ができない」と訴えることがあります。しかし、よく答案を見てみると基本問題の取りこぼし、得点の獲り方が「雑」なのが特徴です。
これを「ケアレスミス」と片づけたり、「人間だからたまには間違える」とあまり気にしていない、つまり基本問題の取り組みに「甘さ」がある限り成績は上昇しません。
応用問題の演習をやるより、まずは基本問題を「完璧」にします。算数なら、基本が並ぶ大問1で毎回満点を獲るのが1つの目標です。
模試や塾内テストで、そこを完璧にすることに全力を注ぎ、極端なことを言えば、後は0点でもまずは構いません。
成績がコンスタントに良い子は難問ができるわけではなく、基本問題を確実に得点します。
それにプラスして、時々難問に正解して「おまけ」が付いてくる感じです「難しい問題ができるから成績がいい」と 勘違いしている親御さんは結構います。
他教科に波及する基本徹底の効果
不思議ですが、1科目でも基本をマスターすることに全力を注ぐと、それだけでは終わらず、波及効果が表れます。その科目全体の得点能力だけでなく、他教科の成績もが上がるのです。
「正確に解く」ことが身に付き、丁寧に問題に取り組むことで集中力、気づきが違ってくるからです。「基本を疎かにしない」と意識するだけで偏差値なんて10くらい上がります。
少しできるようになったからからと、「丁寧に基本問題を解く」ことを辞めてしまうと元に戻ります。
「丁寧」を続けると、効果は秋以降必ず表れます。 (受験デザイナー・池ノ内潤)

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