中学入試の「まさか」は必然の結果

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・「まさか」が起こる中学入試
・ 逆転合格を呼ぶ記述で攻める子
・ 早い子に起きる算数の「まさか」
・ 切り替えの早い子は勝てる
・ しくじり大いに結構
「まさか」が起こる中学入試
中学入試ではよく「偏差値は関係ない」という言葉を耳にします。半分本当で、半分ウソです。
中学入試はいい意味でも逆の意味でも一番「まさか」が起きます。
その予測は難しいのですが、模試などの答案からその「兆し」のようなものは推測できます。
逆転合格を呼ぶ記述で攻める子
入試で逆転劇を呼び込みやすいのが「記述で果敢に攻める子」です。
国語を中心に理科や社会で、記述問題が増加傾向ですが、中学の入試担当の先生の多くが「何も書かない受験生が多い」と嘆きます。
塾での演習機会も多いはずなのに、本番ですら「勝負」をかけない子がいるというのは驚きですが、それが現実のようです。
塾での授業で答えをただ写してきた子と、なかなか○がもらえなくてもひるまず挑戦してきた子の差は、入試本番で如実に表れます。
模試では採点基準も辛く、書いても点につながらなかった子は、何も書かなかった子と点数や偏差値で変わらなくても、入試で記述問題を「攻める」子は間違いなく、部分点をいくらかでももぎ取ってきます。
表現が拙かったり、余分なところ、足りないところがあるなど凸凹があっても、幸い塾や模試より、入試本番の方がストライクゾーンは「広め」なので得点につながります。攻めたからこその結果です。
やみくもに、というわけではありませんが、勇気をもって記述で攻める生徒は入試で逆転、「まさかの合格」を勝ち取る子が多いです。
早い子に起きる算数の「まさか」
「算数の問題を解くのが早い子」も「まさか」になりやすいです。こちらのまさかは「不合格」の方が圧倒的に多いです。
問題を解くのが早い子は調子がいいと次から次へと正解して高得点、高い偏差値をはじき出しますが、同時に「粗い」子も多いのでミスでの失点が目立ちます。
模試や塾内テストでちょくちょく「やらかす」のですが、「算数はスピード勝負」という中学受験の「神話」を信じている生徒、親御さんは意外と多く、入試まで改善がみられないことがよくあります。
入試問題は誰でもできる「サービス問題」も出る一方、正確さを重視した「仕掛け」がされている問題が合否を分けます。
算数に早さは「ある程度」必要ですが、それ以上に「正確さ」を意識することで、普段の算数の成績も安定し、入試での「まさか」は防ぐことができます。
切り替えの早い子は勝てる
子どものタイプによっても「まさか」は起こります。切り替えの早い子とそうでない子は偏差値だけでは測れない結果になることが多々あります。
模試でも入試でも、問題を大問1から解いていくと、時には時間が思っていた以上にかかったり、うまく答えが出なかったりして「つまずく」ことがあります。
出だしからこうなると、焦りが先行して、空回りして前に進まなくなることが珍しくありません。ペースを乱し、本来の実力が発揮できず入試で「まさかの不合格」につながることもあります。
逆に少しかじって「手ごわそうだな」「最後までやるには時間がかかる」と判断が素早くつく子は、できる問題からつぶし、多少やり残しがあっても無駄なく点数を獲り、入試では合格点を効率よく獲ります。
入試は限られた時間の中でどう得点を積み重ねていくかの「ゲーム」です。前進を阻む、さまざまな障害物の扱いをどうするかで、結果は天と地の差です。普段の偏差値以上に、入試本番は判断早さで勝負は決まります。
しくじり大いに結構
大一番の入試で「やらかさない」ためにも、模試や塾内テストでしくじるのは大いに結構です。
時には5年生や6年夏から秋までの月間テストなどでは、成績が悪くても許されます。点数や結果より、テストを通じて「体験」の方が、後々糧になります。
国語は記述問題に果敢に挑戦し、何が書ければ点数になるかを学びます。算数は点数、偏差値を意識せず、早さより正確に解くことをテーマにしてみます。理科や社会も問題の並びに関わらず、解けるものからやる、というスタイルで解き進めてみます。
模試や塾内テストがうまくいき、合格判定が良いからといって、入試がその通りの結果になるとは限りません。
点数、偏差値よりも「得点の内容分析」「失点の検証」がきちんとできるかどうかで、入試結果は大きく違ってきます。ここに気が付いていない生徒、親御さんがほとんどです。
入試での良い「まさか」も悪い「まさか」も、受験勉強期間中の積み重ねが導いた実は必然の結果なのです。

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