10年で偏差値が5ポイント以上アップした中学

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偏差値5UPの5つのキーワード
10年で6Pアップの広尾学園
大学合格実績で偏差値上昇の3校
・女子に引っ張られた芝浦、法政

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偏差値5UPの5つのキーワード

「十年ひと昔」と言いますが、偏差値も10年前と今では多少なりともポイントのアップダウンがあります。

多くはプラスマイナス2程度で、上下を繰り返しながら同じまま、という学校も結構あります。その中でも偏差値が5ポイント以上アップした学校もいくつか存在します。

難関校、中堅・一般校とも「妥当な偏差値」を出している四谷大塚の「合不合判定テスト」をもとに、合格可能性80%偏差値(入試結果をもとに出した偏差値、23年度用からAライン)を10年前の2013年から追跡調査すると、5ポイント以上アップしている中学には、5つのキーワードがありました。

「校名変更」「共学化」「国際教育」「目立った大学合格実績」「中堅大学附属」の5つです。

10年で6Pアップの広尾学園

この10年で偏差値の伸びが顕著なのが、広尾学園です。人気の医進・サイエンスなどの「選抜クラス」ではなく、2月1日午後の第2回入試で2013年は偏差値「58」。17年に「61」と大台を突破すると、22年は「64」。落ちることなく順調に推移しています。

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言うまでもなく、医進・サイエンスも、英語に力を入れているインターナショナルコースも10年前と比べ「59」→「65」と同じく6ポイントアップしています。

大正時代に創立した伝統の女子校も03年ごろには生徒数が激減し、偏差値は30台で廃校の危機にありましたが、07年に「校名変更」と「共学化」に踏み切りました。もともと帰国子女をいち早く受け入れる学校でしたが、徹底した学校改革で英語を武器に「国際教育」を強化し、国内だけでなく、海外大学進学の実績を積み重ねた結果、受験生の親御さんのハートをがっちりつかみました。

1日午後の偏差値がアップには、最難関校の入試が行われた後の「午後入試」で優秀層を集め、合格ラインをアップしている、という背景は確かにあります。しかし、姉妹校の広尾学園小石川が開校1年目、2年目で都内最多の出願者があったように「広尾学園」は、中学受験で確固たる「ブランド」を築きました

広尾学園に方向性が似ている三田国際学園も2015年に「戸板(女子)」から、「校名変更」し「共学化」、「英語教育」を売りにすると、2月1日午前入試で年17年入試は偏差値「40」でしたが、22年には「54」に到達。午後入試では「57」までアップしています。

22年度に共学化し校名変更した「サレジアン国際」、23年度にリニューアルする「サレジアン国際世田谷」「芝国際」も方向性としては広尾学園と同路線で、国際教育に力を入れています。注目を集めているのは、中学受験のトレンドから見て当然の流れです。

大学合格実績で偏差値上昇の3校

「前受け」のイメージが強い埼玉の中学入試ですが、毎年大学合格実績が週刊誌に掲載されると「ここスゴいねぇ」と話題になる中高一貫校があります。大宮開成です。

東大合格40年以上トップの開成とは姉妹校の関係、では全くありませんが、こちらは「GMARCH」の合格者数が全国トップ、特に学習院、立教、法政には滅法強く、毎年のように1位になり「目立った大学合格実績」を残しています。

10年前の偏差値は1月12日の1回目入試(コロナ前は10日)で「47」でしたが、16年に50に到達すると、徐々にポイントを上げ22年は「54」。栄東とともに埼玉の共学校で「前受け」で受験する生徒が多い開智の「先端1」入試の偏差値「54」と並びました。

「GMARCH」へ行くなら大宮開成、という雰囲気になっていますが、最近は早慶の合格者も急増中。20年と22年を比較すると、早稲田が「38」→「80」、慶應が「26」→「54」と倍増以上と「炸裂」しました。今後は「GMARCH」から「早慶」、「国公立」へシフトしていく可能性は大です。

13年に特待生に「6年間学費免除」を確約し、東大合格者を出す、とぶち上げた安田学園は「公約通り」20年度に東大合格者現役2人を出し、22年度は3人合格しました。2月1日午後の「先進コース」の偏差値は当初「41」でしたが、22年は「52」。偏差値で言うと「中堅校」となり、「上位校」をうかがう勢いです。

東京都品川区にある青稜も偏差値がジワジワ上がっている共学校です。17年に2人、18年に1人、それぞれ現役で東大合格者が出ると、徐々に偏差値がアップ。2月1日午前入試は16年「45」→22年「50」、1日午後入試が15年「49」→22年「54」と5ポイントずつ上昇しています。22年度は3年ぶりに東大合格者を輩出し、23年度はさらにアップしそうです。

大学合格実績は中高一貫校「6年間の総決算」として、子どもの進学先を決めるにあたって、親御さんに訴える一番「分かりやすい数字」です。東大合格者が出ると、翌年志願者数が増えるというのも「分かりやすい結果」だからです。大学合格実績と偏差値は密接にリンクしています。

女子に引っ張られた芝浦、法政

大学附属校も偏差値が上昇傾向です。特に中堅校にその傾向が見られます。

21年度から男女共学になった芝浦工大附属は、男子校だった13年の偏差値は「44」。17年に板橋区から大学のキャンパスがある豊洲に移って以降は50台に届き、22年度は「53」。10年前には10ポイント近く差があった、同じ芝浦工大系列の芝浦工大柏(千葉)の第1回入試(1月23日)と肩を並べました。

21年度から共学になり、女子が入学する環境になって男子の難易度、人気がさらに上昇しました。女子に引っ張られる、という流れは川崎市の法政二中も同様のケース。11年前の2012年は2月2日の第1回入試で偏差値「49」でしたが、共学化した16年に男子の偏差値は「53」となり、附属高ブームだった20年に「58」まで上昇しました

日大系の中学も一部で「復活」傾向が見られます。特に男子の上昇がみられ、日大一は長らく偏差値「35」のあたりでしたが、21年度「37」、22年度は10年ぶりに「40」に。日大豊山の勢いも止まらず、2月1日の1回目入試で17年「35」から19年「38」になり、20年から「43」「45」「46」と驚きの上昇です。

女子大では昭和女子大昭和(2月1日午前18年「39」→22年「46」、午後入試は「40」→「50」)、京北中学から大学附属へと体制が変わった東洋大京北(2月1日午後女子16年「45」→22年「51」)なども今後もさらなる偏差値アップは必至です。

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