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人気の「東京四工大」内部進学か、外部受験か


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内部進学は1つの選択肢程度
注目の「トシコー」の2・1参入
人気衰えない電気大、工学院
・女子人気続く芝浦工大付属

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内部進学は1つの選択肢程度

芝浦工大、東京都市大(旧武蔵工大)、東京電機大、工学院大の理系大学4校で構成する「東京四工大(よんこうだい)」の付属中学に、22年度は志願者が前年度以上に集まりました。

文系学部出身の大卒より、理系のそれの方が生涯賃金が高いとされ、最近では理系に進む女子「リケジョ」の存在がクローズアップされるなど、理工系大学の注目度は高いです。付属中学に熱い視線が送られるのもうなづけます。

ただ、入学してみると、必ずしも併設大学に進むというわけはなく、他大学進学も多いことが分かります。内部進学は「1つの選択肢」程度のとらえ方をしています。

注目の「トシコー」の2・1参入

23年度入試で話題になっているのが、男子校の東京都市大付属(東京都世田谷区、通称トシコー)の2月1日午前入試参入です。1日午前入試で、難関校・上位行を受験した子の「午後入試の定番」とされてきた学校が、ついに「空白の日程」を埋めてきました。

背景には近年好調の大学合格実績に自信を深め、「第1志望」の受験生も増えている、と学校は判断したようです。22年度の「トシコー」は、初の東大合格2桁の大台に乗る12人を輩出しました。20年6人、21年7人と着実に伸びており、さらに大台ということで注目度は俄然増しています。

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トシコーは22年度、232人の卒業生中都市大に進学したのはわずか6人(2.5%)、完全な「進学校」です。前回の中学入試では5回の入試機会で、前年比13%増(420人増)。1日午前の入試が加わり、志願者がどう動くか、注視したいところです。

共学の都市大付属等々力(世田谷区)も22年度の内部進学は、卒業生216人中11人と5%程度。ほとんどが違う大学へ進みます。理系だと、東京理科大には50人の合格者を出しました。21年度の28人を大きく上回っています。

4科目の通常入試だけでなく、算数1科、英語1科、アクティブラーニングなど多彩な入試形態ですが、22年度の志願者は前年比2%増(47人増)止まり。21年度に25%減となっており、回復には至っていないようです。

人気衰えない電気大、工学院

JR中央線東小金井駅から徒歩7分の東京電機大中学は同大学の系列共学校。大学への内部進学は都市大系より高く、22年度は卒業生255人中61人で約24%です。理系では東京農工大に4人、理科大に9人現役合格。芝浦や工学院、都市大など他の東京四工大に計23人が現役合格しました。

22年度入試は計4回行われ、合計で男女1374人が志願し、前年比4%増。21年度の22%増ほどではありませんでしたが、隔年現象は起きず56人増となりました。23年度も午後入試を中心に志願者は増加傾向にあり、難易度は偏差値上変わらないものの、実際の入試はレベルが上がるとみて良いでしょう。

工学院大附属中(東京都八王子市)の内部進学率は22年度30.3%(卒業生234人中71人)と例年より高くなりました。コロナ禍での外部受験を敬遠した可能性が高いとみられ、外部受験のGMARCHの計54人より多くなっています。

22年度入試は適性検査型入試が2回加わるなどして、前年比49%増の740人が全8回の入試機会で出願。21年度も前年比13%増ですから、人気は上昇の一途です。男女とも倍率は2倍弱のことが多く、狙い目ではあります。

女子人気続く芝浦工大付属

21年度入試から共学になった芝浦工大附属中(東京都江東区)は、2年目の22年度は全4回の入試全てで男子の志願者が前年割れ(304人減、約18%減)、女子が前年より65人増、18%増しになりました。志願者中の女子の割合は、21年度の17%から22年度23%と確実に増加しています。

東京四工大の中では「一番人気」の芝浦工大に進学できる可能性がより高くなるだけに、将来理系を考えている女子は、志願者増加の中でも23年度はさらに増える状況になるのは間違いなさそうです。男子は隔年現象で増加するとみられますが、実質倍率が2月1日の1回目入試から5.5倍(22年)と高いことから、チャレンジ層は少なく、高いレベルでの激戦が予想されます。

内部進学率はここ3年、35.5%(66人)→44.1%(97人)→51.5%(100人)と年々上昇。女子が芝浦工大に進学するようになる27年度はさらに高くなることは確実です。他大学受験は、現状では活況とは言えず、東工大や理科大にも進学していますが、芝浦の推薦を取れないと、なかなか思うような結果にはなっていないようです。

共学の「先輩」となる千葉の芝浦工大柏の内部進学率は、12.6%(卒業生295人中36人)と例年よりやや多くなりました。他大学受験組が多く、文系進学組も一定数おり、海外も含め進路は多彩です。

1月23日の1回目入試は、倍率2倍程度と毎年安定していることから、志願者は横ばいで推移するとみられます。27日の2回目は22年度の倍率が男女とも3.0倍から、男子8.1倍、女子7.1倍と跳ね上がったため、23年度は志願者減となりそうです。


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池ノ内 潤

 「その子基準」で、勉強法、成績アップ、スケジュール立案、受験校・併願校選びなど、受験のあらゆる相談に乗る「受験デザイナー」。  昭和四十年代の夏、神奈川県生まれ。教師を志し、偏差値40程度の県立高校から独自の勉強法を駆使し、同校で初めて早稲田大学に合格。  進学塾講師、家庭教師で中学~大学受験に関わる。就職後もスポーツや執筆活動を通じ、教育や受験に携わる。    子ども2人の中学受験をサポート。1人は大手進学塾最下位クラスから転塾を経て、首都圏1都3県の偏差値トップ私立全てに合格し、第1志望に進学。  もう1人は偏差値30台から「親塾」でベースを固め、6年から入塾。3校に合格して大学付属中学へ進学した。

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