◆中学受験の窓口 今日のメニュー
・ブランクがあってもついて行ける
・「練習環境」の調査は必須
・高校スポーツ強豪と中学受験
・「知られざる魅力」もいっぱい
スポーツ少年団をはじめ、習い事系でスポーツに親しんだ子どもの多くは中高一貫校に進学しても部活動で同じスポーツを続ける傾向にあります。
一部の中高一貫校を除いて、難関・上位校の場合、運動系の部活動は、それほど厳しくはないので、1年や半年のブランクがあっても練習にはついていけます。
そう考えると、中学受験のために、スポーツを少しお休みして、個人で体力づくりをしていけば、中学からまた十分再開できます。
高校受験を考えなくていい分、中高一貫校へ入学すれば、実質5年から5年半くらいは思い切り活動できます。
中高一貫校は敷地の広さによって、運動部の活動に大きな差があります。最近は人工芝のグラウンドに、温水プール、多目的のアリーナ(体育館)など施設の充実した学校が増えています。
体育館が複数の学校もあり、しかも冷暖房完備。公立のように日時を決めての共同使用という苦労が少ないのは嬉しい限りです。見事受験を突破した先には、好きなスポーツを存分にできる環境があるというのは、受験勉強の強力なモチベーションになります。
一方で都心の中高一貫校はグラウンドを十分確保できず、違う場所で活動を余儀なくされている部も少なくありません。部活動を受験校選定の基準の一つにする場合は、そのあたりの事情をよく調べておく必要があります。
活動場所が自宅からさらに遠くなる場合などは要注意。長い年月では思わぬ負担になります。受験、入学を決める前に部活動の、特に運動部の「練習環境を調べる」のは必須です。
注意しなければならないのは、高校から生徒募集のある学校で、全国大会出場レベルの部活動に入部する場合です。
もちろん中学から入学した生徒が高校へ行っても同じ運動部に所属することはできますが、高校の強豪校は各中学校から有力な選手をスカウトして推薦の枠で入学させます。入学前から密かに練習に参加させ、入学式が終わると春季大会から早くも出場する新1年生もいます。
中学から入学しても、高校から推薦入学した選手に匹敵するくらいの実力があれば、同様の待遇で迎えられますが、中学部にいたからといって普通の選手であれば何も「特典」はありません。むしろ、推薦組が幅をきかせ、レギュラーどころか、練習試合にも出場するのが難しいことになるかもしれません。
甲子園、国立、花園…高校スポーツの聖地を目指す場合、中学受験はあまり有利に働かないというのが、スポーツ強豪校を受験するうえで知っておかなければならないことの1つでしょう。
中高一貫校には公立中学にはあまり見かけない運動部も数多く存在し、中学からあるいは高校から新しいスポーツに挑戦するケースも目立ちます。
ラグビー、水球、ホッケー、女子サッカー、チアリーディングなど、数え上げればきりがありません。もちろんラグビースクールなどに通い「ビギナー」ではない生徒もいますが、概ねどの部活も言葉だけでなく「初心者歓迎」という雰囲気で入部しやすいのが特長です。
高校生が中学生の面倒を見てくれるという中高一貫校ならではの部活もあり、「頼りになるお兄さん」の存在は、13歳の「まだ子ども」の生徒にとっては心強いです。
これが部活動だけでなく「学習」にも大いに影響を与えるのが、中高一貫校の「知られざる魅力」です。親御さんが口酸っぱく言っても勉強しなかった子が、先輩の姿を見て大学受験を意識し、勉強し始めたという話は日常茶飯事です。
中高一貫校の「メリット」は、部活にも十分生かされています。